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創業手帳

アンドバリュー株式会社代表取締役社長鈴木良治インタビュー(後編)

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(2018/07/23更新)

前編では、SEO対策を行う際に意識しておきたい重要な考え方を中心に話してくれた、アンドバリュー株式会社 代表取締役社長 鈴木 良治氏。
後編では自身の起業エピソードや、経営者の立場から見た「会社を経営するうえで意識しておきたいこと」について、お話を伺いました。

前編はこちら→【起業家が知っておきたいSEO対策】検索エンジンで上位を狙うために必要なこと

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鈴木 良治(すずき りょうじ)
アンドバリュー株式会社代表取締役社長。

制作や運営からプログラミングまで、Webサイトに関連すること全般をこなすが、専門はSEO対策。

2015年に出版した著書「SEO対策のためのWebライティング実践講座」はSEO対策の本としては近年で最も売れた本となり、シリーズ化された2冊目、「成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座」は多くのIT企業でも教科書として利用されている。

京都大学時代、仮想空間を利用した昆虫の行動分析と走査型電子顕微鏡による形態分析などを行う際にプログラミングに触れ、新卒で入社した株式会社リクルートでは日本最大のフリーペーパー網を支える配送管理システムのリニューアルに関わる。リクルートを退社後、Webの分野に進出し、ベンチャー企業の立ち上げなどを経て現在に至る。

リクルートを退社後、総合格闘技の世界に入り、某ジムの師範として教えながらADCC日本チャンピオンなどとも戦い、2年を過ごすなど、異色の経歴を持つ。

趣味は野生動物の撮影で、学生時代からテントを背負い、北海道や沖縄などの国内はもちろん、アラスカやカナダ、中米などの国々で撮影を行っている。最も好きな撮影対象はクマ。受賞歴多数。

極貧生活を救ってくれたSEO

ー鈴木さん自身も起業家ですよね。起業して大変だったこと、嬉しかったことを教えてください。

鈴木:就職して2年で会社を辞め、高校時代から続けていた格闘技のプロの世界に戻りました。起業したときはほとんどお金がなく、資金面で苦労したのを覚えています。浦安の敷金礼金なしの家賃4万円のアパートで、お湯が使えず冬でも水風呂に入っている状態でしたから。

そのため、起業してからしばらくは、商品を作り、その売上げでまた商品を改善していくというサイクルをまわしていく必要がありました。
特にホームページの作成・管理システムなどを提供している当社はシステム開発費がかさみ、システムが一定水準以上になるまでは全く売り上げが立ちませんでした。起業当初は人件費を払うのでいっぱいいっぱいで、販促費などはまったく用意できませんでしたね。

そんな時、非常に助けになったのがSEOでした。
SEOを行なったことにより、自分達で作成したサイトに集客し、それによって生じた売り上げで開発費をまかない、また販売していくというサイクルをうまく回すことができました。
そのおかげで、事業をはじめてから4年近くは販促費をかけないで済んだのはもちろん、営業のための人員もいない状態で全ての資金を開発費に充てることができました。

このことで、SEOのありがたみを実感できましたし、このサービスをより多くの方が利用できるようにしていきたいという思いが強くなりました。

ー鈴木さんの今後の夢はありますか?

鈴木日本企業の99.7%を占めると言われる中小企業にとって、大きな力となるSEOという技術を、誰でも利用できるようにしたいです。

専門家などの一部の人々のみが使える技術だったSEOを誰でも利用できる技術とするために、2015年に『SEO対策のためのWebライティング実践講座』(技術評論社)を執筆し、2016年には『成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座』(技術評論社)を執筆しました。

さらに、2018年には前述した『SEO対策のためのWebライティング実践講座』を無料公開し、より多くの方が正しい手法に接することができるようにしました。SEOを実行する際に利用できるツールを開発し無料で提供し、誰もがSEOを利用して高い成果を得られるように活動してきました。

また、実際の活動を支えるために、安価で高いレベルのSEOを実行できるホームページ作成・管理システムである「FunMaker(ファンメイカー)」という自社サービスや、SEOにおける改善方法まで落とし込んだ分析レポートを提供するサービスなどを開発しました。これらを競合企業などにも提供することで、より多くの企業が安価で高い水準のSEOを実現できる環境の実現を目指しています。

しかし、まだまだ道半ばです。「SEOで失敗したから助けてほしい」、「もうSEOは信じられない」という相談が後を絶ちません。今回の書籍も、そんな状況を変えるために執筆しました。

このような活動を続けていくことで、良いサービスや製品を持っていたり、強いモチベーションを持って創業したものの、資金力がないために人に見てもらえず成功できていない多くの企業が、チャンスをつかめる環境を実現したいです。

少し大きな言い方になりますが、SEOという中小企業の大きな力となる技術で、日本を基盤から支えられるサービスを提供し、日本を活性化したいと思っています。

「資金」よりも「コスト」

ー起業家に向けて、伝えたいことはありますか?

鈴木「起業」の際には「資金」の部分が注目されがちですが、多くの企業にとっては「資金」より「コスト」の方が重要だと思います。

例えば、10億円の資金があっても年に10億円のコストがかかる場合、売上げが立たなければ1年で資金が足りなくなります。ですが、資金がゼロでもコストがかからないのなら、何年でも継続できます。

私は、新卒でリクルートのマーケティング局に入り、その後格闘技の世界を経てこの業界に来ました。当初は全くツテがなく、最初のお客さんを見つけたり、実績を作ったりするのに非常に苦労しました。

事業計画は立てましたが、名前の知れていない創業期はチャンスが少なく、計画が半年~1年ほどズレることは当たり前でした。その半年から1年を耐えられたからこそ、今の段階まで進めているのだと思います。

良いサービスを提供し、しっかりと活動しているのならば、少し時間がズレたとしても必ずチャンスは訪れるものだと思います。そして、そのチャンスが訪れるのを待てるかどうかで、成功できるか否かが大きく変わってくると思います。

このチャンスを待つために、資金調達をしたり借り入れをしたりすることもできますが、そのようなことを実現できる企業は限られていますし、そのための準備やその後の対応の労力は非常に大きなものです。

ですから、私はできるだけコストを抑え、しっかりと腰を据えてチャンスを待てる企業運営を心がけることをお勧めします。
ちなみに私は、会社のコストを下げるために自身の報酬を抑えてきたので、ずっと妻の扶養家族として暮らしてきました(笑)。

もちろん、従業員の給料などはしっかり払わなければなりませんし、事業の柱となるものへの投資は大切ですが、創業時からの主要メンバーは同じ思想を持ってコストを抑えられる人が良いと思います。自分がそれを率先することで、長く運営できる体制と文化を作っていくことが大切かと思います。

当社は決して楽な環境ではありませんが、そのように自分に関連するコストから抑えてきたこともあってか、事業を始めてから丸6年で社員が誰も辞めずについてきてくれていることが自慢のひとつです。

最初からいろいろ投資するのではなく、まずは訪れる数少ないチャンスを待てる低コストの体制を作り、覚悟を持って歩んでいく。そして、訪れたチャンスをしっかりと掴んだら、今度は次のチャンスを作れるように投資をしていく。そのように進んでいくことが知名度やツテのない多くの企業にとっては重要だと思います。

ー最後に、本の紹介をお願いします!

鈴木:新著の『Webプロジェクトを成功に導く 戦略的SEO思考』は、長期的に集客できるサイトづくりのために、すべてのWEB担当者が身につけておくべき方法論を提供し、専門知識がなくてもSEOを成功に導けるように執筆しました。

SEOは利用者とサービス提供者の間の情報格差が大きいサービスのため、利用者のことを考えないサービスが多くあり、また、利用者の知識が上がらなければなかなかこの現状は改善されません。
この状況を打開し、非常に役立つSEOの効果を最大限利用できるようにするとともに、その延長として、業界から劣悪なサービスをなくすために、業界で初めて、SEOの作業をしない人が使える、良いサービスを判断し、しっかりとSEOを実行していくための方法論を提供する書籍として執筆しています。

何故ホームページ制作では失敗してしまうのか?何故SEOサービスは信頼されないのか?業界に横たわる問題点なども解説しており、物語のように読めるようにしているので、ぜひ、手にとって頂けると幸いです!!

(取材協力:アンドバリュー株式会社/鈴木良治
(編集:創業手帳編集部)

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