売上げアップに役立つ!広告の種類と使い分けの基礎知識
【オンライン広告とオフライン広告】広告の特徴ごとに、利用に向いている業態やサービスなどを解説します
(2020/07/12更新)
昨今コロナ禍により売り上げが減り、新しい広告戦略を使った集客を考えている経営者や宣伝担当の方は少なくないでしょう。
この記事では、今までとは異なるジャンルの広告出稿で新たな層を集客しようとしていたり、広告を出すこと自体が初めての方に向けて、広告の種類や特徴を紹介します。
各広告にかかるおおまかな費用、宣伝に向いているサービスの事例まで解説します。どのように広告を使っていくかを検討する際に、参考にしてください。
広告は掲載する媒体によってその効果や訴求できる対象も異なりますので、自社に合った物を適切に選択するようにしましょう。
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この記事の目次
広告は大きくオンラインとオフラインに分かれる
広告媒体は大きく分けるとWeb上に表示されるインターネット広告である「オンライン広告」、テレビや新聞などのマス広告とチラシなどのSP広告を指す「オフライン広告」とに分かれます。
- インターネット広告:ホームページ、SNS、動画配信サービスを利用したテキスト広告や動画広告全般
- マス広告:TV、ラジオ、新聞などに掲載される広告全般
- SP広告:ダイレクトメール、折込チラシ、会員誌などの手元にダイレクトに届く紙媒体
これらの広告規模の配分は、近年大きく変わりつつあります。
メディアレーダーが公開した「日本広告費の推移」によると、2018年以降インターネット広告がテレビを抜いて1位になっています。広告といえばテレビコマーシャルだった時代から、主力はインターネット広告へと転換しているというのがよくわかります。
引用:メディアレーダー
オンライン広告とは
オンライン広告とは、インターネット上に掲載される広告全般のことで、メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。
【メリット】
- 参入障壁が低い
- 手軽に始められる
- データを集めやすい
- ターゲティングがしやすい
【デメリット】
- 運用には知識が必要
- 競合他社が多い
オンライン広告は、長期的な効果測定が可能で、自社が訴求したいユーザーに対してクリティカルなアプローチをかけやすいというのが最大の強みです。
しかしながら、近年ではオンラインで広告を掲載する企業も多いので、競合他社の広告と差別化を図らなければ、思ったような集客効果を得られないままとなってしまいます。
オンライン広告の種類
オンライン広告はWeb上で宣伝として活用できる媒体すべてを指すことができるため、論点を絞るという意味でも本記事は以下の代表的な広告について、参入障壁の低い順にご説明します。
- リスティング広告
- ネイティブ広告
- 純広告
- アドネットワーク広告
- DSP広告
- インフルエンサー広告
- SNS広告
- 動画広告
リスティング広告
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果ページに表示される広告全般を指します。
検索結果が表示された時にいくつか「広告」と書かれたサイトが表示されていることに気付く方も多いかと思いますが、まさにそれがリスティング広告です。
この広告のメリットとしては検索ワードに応じたユーザーに広告が表示されるため、見込み客の目に触れやすいことです。
また、広告がクリックされるたびに費用が発生するので、クリックされない限りは無駄な予算を割く必要もありません。
費用の目安:数十円~数百円/1クリック
向いている企業やサービス:Web集客を行うことを考えている企業全般
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、SNSやニュースサイトなどのWebページに、他のコンテンツに溶け込むように配置される広告のことです。
ニュースサイトなどで、他の記事と同じような体裁で示されているトピックの中に「Sponsored by ◯◯」などと表示されているものがあるのをご覧になったことはないでしょうか?
テキストだけでなく動画も表示可能です。見た目が他の記事と同じように見えるので、ユーザー側の不快感が少ないことから、アクティブユーザーの行動を促しやすいという点にあります。
費用の目安:80万円〜
向いている企業やサービス:予算をかけてでも費用対効果の高い宣伝を打ちたい企業
純広告
テキスト広告やバナー広告などがあり、Yahooなどのニュースサイトの一部を買い取って掲載する広告です。
Webサイトの一区画にある広告だけでなく、サイトを見ている際にスライドするように流れてくるレスポンシブな広告も純広告となります。
ネイティブ広告とは違い、目立つ場所に掲載することになりますので、予算次第ではかなりの集客効果が見込めるのがメリットとなります。
費用の目安:1万円〜100万円
向いている企業やサービス:画像つきで直感的に訴求できるサービスや商品を持っている企業
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは、特定の代理業者を介してWebサイト、ブログ、SNSなどの複数のページに一括で広告を表示する手法です。
こちらも見た目は純広告と同じようにWebサイトの一部分に広告として表示されるのですが、一度に非常に広範囲のユーザーに対し広告を表示することが可能なので、潜在層にアプローチすることが期待できます。
また、収集したデータに応じてターゲティングを行い、掲載する媒体を絞ることも可能です。
費用の目安:1クリック10円〜
向いている企業やサービス:さまざまな媒体で広告効果を検証したい企業
DSP広告
DSP広告とはリアルタイムで広告の掲載先に対する入札が行える仕組みで、Demand Side Platform(デマンド・サイド・プラットフォーム)の略です。
表示形式は純広告と同じようにWebページの一部に広告枠として表示されます。
その仕組みは、あるユーザーが広告枠のあるサイトを訪問した際、そのユーザーにマッチする広告(事前登録済みのもの)のうち最も入札額の大きいものを表示するという仕組みとなっています。
その最大のメリットは、少ない手間で見込み客に対するアプローチが行えるという点で、大幅な工数の削減ができるという点です。
費用の目安:1,000回表示につき1円〜
向いている企業やサービス:手間を減らしつつ見込み客に広告を表示させたい企業
インフルエンサー広告
インスタグラマーやYouTuberといった、各種媒体で強い影響力を持った個人に自社のサービスや商品を紹介してもらうというマーケティング手法です。
インフルエンサーが自身のSNSアカウントや動画チャンネルなどで「企業案件」としてサービスや商品を紹介する宣伝方法です。
インフルエンサーによっては、オンラインサロンなどクローズドなコミュニティを抱えている場合もありますので、そこでも宣伝できれば数は少ないながらもよりアクティブなユーザーに訴求することができます。
費用の目安:相場なし
向いている企業やサービス:インフルエンサーの抱えているフォロワーと自社の見込み客の層がマッチしている企業
SNS広告
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSの投稿ページに表示される広告のことです。
例えばFacebook広告の場合は、PCで見た場合はユーザーの投稿が流れているタイムラインの途中と、その横のサイドメニューの広告枠部分に表示されます。
フォローされてないユーザーのタイムラインにも宣伝が表示されるプロモ広告、フォロワーを獲得することを目的としたプロモアカウントなどがあります。
Instagramは10代〜20代、Facebookは30代〜40代に訴求しやすいなど、それぞれ特徴がありますので、掲載先のメディアを選ぶ際は自社の見込み客の層を正確に分析しましょう。
費用の目安:1000円〜数百万円以上/月
向いている企業やサービスの事例:SNS運用を考えている企業全般
動画広告
動画広告は、近年ではYouTubeなどの配信サービスで動画の再生前に表示されるインストリーム広告が主流になっています。
具体例としては、YouTubeなどで動画を再生する前に流れる数秒から数分の動画広告などです。
そのメリットは1分間に伝えられる情報がテキスト媒体などよりも圧倒的に多いということです。しかし、ひとつのCMを作るのに費用がかかる、制作後の作り直しがしづらいなどのデメリットもあります。
費用の目安:10円〜/1配信(別途作品制作料)
向いている企業やサービスの事例:文章では紹介が難しい商品やサービスを持った企業
オンライン広告の特徴一覧
ここまで説明したオンライン広告の大まかな種類と特徴を、一覧でまとめました。
種類 | 特徴 | コストの目安 |
---|---|---|
リスティング広告 | 検索エンジンの検索結果ページに表示される | 数十円~数百円/1クリック |
ネイティブ広告 | SNSやニュースサイトなどに他のコンテンツと同じ体裁で表示 | 80万円〜 |
純広告 | テキスト広告やバナー広告。Yahooなどのニュースサイトの一部を買い取って掲載 | 1万円〜100万円 |
アドネットワーク広告 | Webサイト、ブログ、SNSなどの複数のページに一括で表示 | 1クリック10円〜 |
DSP広告 | 仲介システムを利用し掲載先に対する入札を自動で行い表示 | 1,000回表示につき1円〜 |
インフルエンサー広告 | YouTubeなど各種媒体で強い影響力を持つ個人に自社のサービスや商品を紹介してもらう | 相場なし |
SNS広告 | TwitterやFacebookなどSNSの投稿ページに表示される | 1000円〜数百万円以上/月 |
動画広告 | YouTubeなどの動画配信サービスで動画再生前に表示される | 10円〜/1配信 |
オフライン広告とは
オフライン広告とはテレビや新聞などに掲載される従来型の広告で、そのメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 露出度が高い
- 特定のエリアを狙って宣伝しやすい
【デメリット】
- 費用が高額になる場合も多々ある
- 広告効果の判定まで時間がかかる
オフライン広告は、予算によって訴求できるユーザー数の振れ幅が大きいです。特定のエリアに掲載する手法を取ることも多いので実店舗を経営しているビジネスモデルなどと相性がいいのが特徴です。
オフライン広告の種類
ここからは以下の代表的なオフライン広告について、広告の露出度の高い順にご説明していきます。
- テレビ広告
- 新聞広告
- 雑誌広告
- ラジオ広告
- 会員誌広告
- 交通広告
- フリーペーパー
上記以外にも、雑誌や新聞に同封されるチラシなどもオフライン広告です。
オフライン広告は、前述のように、シェアの面ですでにインターネット広告に抜かれてしまっていますが、商品やサービスによってはまだまだ影響力は強大です。
テレビ広告
テレビCMは短時間で膨大な層にリーチでき、かつブランディング効果も高いのが魅力です。
伝達速度の速さから新商品やサービスを紹介するのに向いていますが、やはり制作期間の長さやコストの面がネックになります。
費用の目安:200万円〜(キー局)
向いている企業やサービス:新しい商品を大々的に売り出したい企業
新聞広告
新聞広告には全ページを広告に使用した「全面広告」、ページの一部を使用した「記事化広告」などがあります。
また、掲載するページによっても値段が変わるのが特徴で、購読層から比較的高年齢の世代に訴求可能です。
費用の目安:第1社会面・第2社会面:50.8万円、スポーツ面:10万円など
向いている企業やサービス:レスポンス広告などを使用する通販会社など
雑誌広告
特定のジャンルに純粋な広告を掲載する以外に、編集部に特集を組んでもらうタイアップ広告などがあります。
雑誌ごとに読者層がはっきりしているので、見込み客に売り込みをかけやすいというのが利点です。
費用の目安:カラー1Pのスペースで15万円〜(広告制作費別)
向いている企業やサービス:特定雑誌の購読者にアプローチしたい企業
ラジオ広告
ラジオ広告は時間帯によって、訴求できるユーザーの年齢層が変わるのが特徴です。
また、地域ごとにラジオ局があるため、地域密着型の企業の宣伝方法としても向いているといえます。
費用の目安:数万円〜15万円
向いている企業やサービスの事例:音声のみで魅力を伝えられるサービスがある企業
会員誌広告
企業や団体が、すでに獲得している会員に向けて発行する雑誌に掲載する広告です。
すでにアクティブな読者が集まっているため、その反響も大きくなりやすいことが特徴です。
費用の目安:1.3~4円×部数
向いている企業やサービス:ある団体がすでに獲得している会員に継続的にサービスや商品を売りたい企業
交通広告
電車やバス、タクシーなどの車内に張り出される広告です。
こちらは通勤や通学中の人の目に止まりやすいということがメリットとして挙げられます。
費用の目安:50万円~300万円
向いている企業やサービスの事例:同じ広告を反復して特定の層に訴求したい企業
フリーペーパー
広告収入を元に無料で配布される紙のメディアのことです。
特定の地域、施設といった配布場所を絞ることで、ある程度訴求する対象を絞ることが可能です。
費用の目安:1/16ページで3~5万円
向いている企業やサービス:特定の地域で顧客を集めたい企業
まとめ
ここまで各広告の種類について説明してきました。
種類が多く特徴も異なるので、どの媒体に広告を出すかは悩むことも多いでしょう。
もし、「広告を初めて出す」「低予算から始めたい」「コアなユーザーにピンポイントでアプローチしたい」という場合は、まずはオンライン広告が良いでしょう。中でも、訴求対象を定めやすいリスティング広告が最もおすすめです。
広告を出稿したら、結果が得られるまでの効果測定も大事です。最初から手広く複数の宣伝方法を取るよりも、費用対効果が高いものに絞って実験的に始めるのも手です。
ユーザーの反応を見て、次の広告戦略に反映していくようにすると、だんだんと効果的な広告の使い方がわかってくるのではないでしょうか。
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(編集:創業手帳編集部)