海外のスタートアップイベント9選!注目すべきイベントはどれ?活用方法や参加のポイントなどまとめて解説!
海外のスタートアップイベントにも視野を広げて、事業への活用を考えよう
スタートアップイベントは、起業家にとって資金調達や他の企業とのつながりを得る機会として世界の各地で開催されています。開催場所やテーマ・内容もさまざまで、コロナ禍前には年間大小規模を合わせ数千以上ものイベントが開催されていたとされています。コロナ禍においては、このようなイベントは一時中断などを余儀なくされましたが、アフターコロナの今、このようなイベントは回復傾向にあります。
日本国内においても、海外でのスタートアップイベントの流れを受けて、開催が広がりつつあります。スタートアップイベントには、起業家、投資家だけでなく、業界の専門家や大学教授など、ビジネスに興味のある人が参加しており、ネットワークを広げるには有効な手段でしょう。
ただ、スタートアップイベントが数多くある一方で、イベントの選び方が不明、自分のビジネスと合致しているかどうかよくわからない場合も多いでしょう。
今回は、海外で有名なスタートアップイベントを中心に、テック企業以外が開催しているイベントや、日本国内などのイベントについてもタイプ別に事例を紹介します。スタートアップイベントに参加するかを迷っている方は参考にしてください。
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この記事の目次
海外のスタートアップイベント一覧
「TechCrunch」「SXSW」などのスタートアップイベントは、起業に興味がある人なら見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、世界的にも有名なスタートアップイベントを紹介します。今では、なじみのあるテック系のサービスや企業も、スタートアップイベントに参加しています。
イベント名 | 開催国 | 概要 | コメント |
TechCrunch Disrupt | 世界各国 | ・テクノロジー業界に焦点を当てたカンファレンス ・シリコンバレー、ニューヨーク、ヨーロッパ、中国などでも開催 ・スタートアップ企業のデモンストレーション、アイデアコンテスト、講演など |
Dropboxはイベント参加をきっかけに世界的認知を獲得 |
SXSW | アメリカ | ・アメリカテキサス州オースティンで開催 ・音楽、映画、インタラクティブをテーマにした巨大ビジネスカンファレンス&フェスティバル |
TwitterやFoursquarなどのおなじみの企業も、SXSWで初めて発表 Pinterestは、受賞や出演を機に世界的な展開へ |
Web Summit | ポルトガル | ・ヨーロッパ最大のテクノロジーイベント ・テクノロジー分野に特化し、講演やパネルディスカッション、スタートアップ企業の展示・プレゼンテーション |
Uberはプレゼンテーションを行い投資家からの多額の資金調達を実現 |
ICC World Chambers Congress | 世界各国 | ・国際商業会議所(ICC)が主催する世界的なビジネスイベント ・ビジネスや貿易に関する最新のトレンドや問題について議論 ・スタートアップに関するセッションやパネルディスカッション |
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Slush | フィンランド | ・北欧最大のスタートアップイベント ・スタートアップ企業のプレゼンテーションや展示、投資家とのマッチングイベントなど ※Slush Tokyoとして日本での開催もあり |
woltの共同者はかつてSlushの経営陣のひとりであり、イベントの拡大に貢献 |
Collision | カナダ | ・テクノロジーに関するカンファレンス ・Web Summit(ウェブサミット)」の北米版として注目 ・スタートアップ企業のプレゼンテーションやデモンストレーションなど |
Pavegen(環境配慮技術開発)、Hopin(オンラインイベントプラットフォーム)などの新しい技術の企業のプレゼンテーションに世界が注目 |
TechCrunch Disrupt
TechCrunch Disruptは、アメリカのテクノロジー系ニュースサイト「TechCrunch」が主催するスタートアップ向けのイベントです。毎年、サンフランシスコやニューヨークなどの主要都市で開催されており、中国や日本でも開催された実績があります。
イベントの目的は、革新的なスタートアップ企業や新しいテクノロジーを発見し、支援することです。参加企業は、プレゼンテーションやデモを通じて、プロダクトやサービスを紹介したり、投資家やメディア関係者・ビジネスパートナーなどとの関係を深めたり、さまざまな機会を得ることができます。
イベントのテーマも幅広く、AI、ロボット工学、バーチャルリアリティ、ブロックチェーン、フィンテック、ヘルステックなど、多様な分野が含まれています。
毎年、多くの有望なスタートアップによるデモが行われており、ここから世界的に有名になった企業もあります。たとえば、2010年Dropboxは、TechCrunch Disruptでの発表により、初めて一般的に知られるようになりました。
また、TechCrunch Disruptには、マーク・ザッカーバーグ氏が設立したChan Zuckerberg InitiativeやGoogle Venturesなど、世界的にも有名な投資家やファンドも参加しています。各回とも1万人以上が参加しており、盛況ぶりをうかがわせています。
SXSW
SXSW(South by Southwest)は、音楽・映画・テクノロジーの融合によるクリエイティブの発展を目的とした、アメリカ・テキサス州オースティンで毎年開催される祭典です。
1987年に音楽祭としてスタートし、その後映画やインタラクティブ分野などが加わり、現在では「SXSW Music」「SXSW Film」「SXSW Interactive」「SXSW Gaming」「SXSW EDU」「SXSW Online」という6つのカテゴリーで構成されています。
これまでには、TwitterやFoursquarなどのおなじみの企業も、SXSWで初めて発表されました。以降、世界的な注目を浴びて成長を実現しました。
SXSWでは、スタートアップ企業と投資家・ベンチャーキャピタリストとのパネルディスカッションや講演も開催されています。こうした機会を通じて、直接投資家と交流することができます。
2022年には、すべてのセッション・全日程において、のべ20万人を超える参加があり、世界的にも規模の大きなイベントとして知られています。
Web Summit
Web Summitは、ヨーロッパ最大級のスタートアップイベントであり、イノベーション、スタートアップ、テクノロジー分野におけるビジネスや技術のトレンドを紹介し、参加者同士の交流を目的としています。
Web Summitは、スタートアップが最新の製品やサービスを披露する場があるほか、大企業(テクノロジー企業)のCEOやビジネスリーダーによる講演やパネルディスカッションなどもあります。小規模でのワークショップ、ネットワーキングセッション、投資家とのマッチングもあり、交流に力を入れています。
Uberは、イベントを通じて大型の調達を実現したほかに、AirbnbやSlackなどもイベント参加により、世界的な注目を得ることになりました。2019年には、7万人を超える参加者があり、今も拡大を続けています。
ICC World Chambers Congress
ICC World Chambers Congressは、国際商工会議所(ICC)が主催する、世界的な商工会議所の会合で、2年に1度開催されます。
ICC World Chambers Congressでは、世界の100を超える商工会議所のリーダーたちにより、世界中のビジネスや貿易の最新動向が議論されます。そして、ビジネスコミュニティや政府、国際機関との連携強化に向けたアイデアや提言が行われます。
ICC World Chambers Congressでは、主に経済問題に関するディスカッション、ワークショップ、グローバルビジネスについてのプレゼンテーションなど、さまざまなプログラムがあります。交流よりも学びやトレンドへの理解を深める機会ではありますが、ビジネス関連の見本市や交流会などのイベントなどもあります。
Slush
Slushは、フィンランド発祥のスタートアップイベントで、北欧圏を中心に開催されています。新しいビジネスの創出を目的に、世界中のスタートアップ企業や投資家、メディア、大企業同士の、ネットワーキングやビジネスマッチングが行われています。
なお、日本でも北欧と日本のスタートアップコミュニティをつなぐことを目的に、Slush tokyoが開催されたこともありました。
テーマは、スタートアップとテクノロジーに関するものが多いですが、投資、サイエンス、デザインなども取り上げられています。なお、近年では、社会的な課題解決やSDGsのテーマに関するアイデアも取り上げられるようになりました。
2019年には約25,000人の参加者が集まり、ヨーロッパ圏内でも大規模なイベントの一つになっています。
Slushには、Index Venturesなどの欧米でも有名な投資家やファンドが参加しており、大型の資金調達を実現した事例が多くあります。
Collision
Collisionは、毎年北米を中心に開催されるカンファレンスで、起業家、投資家、エンジニア、メディア、大手企業など、テクノロジー業界で活躍する人々が集まり、交流し、ビジネスの成長やテクノロジーの進歩を促すことが目的です。イベントでは、出展のほかにもピッチ大会やパネルディスカッション、ネットワーキングの機会もあります。
テーマは、人工知能、ブロックチェーン、VR/AR、自動運転、クラウドコンピューティングなど、テクノロジーに関することが幅広く取り上げられており、最新の技術に関する話題も多いのが特徴です。2019年には、20,000人以上が参加し、100カ国以上から約1,000社のスタートアップ企業が出展しました。
その他のイベント
スタートアップイベントというと「テック企業」など限られた分野だけのためのものが多いという印象を持つ人もいるかもしれません。
世界のスタートアップイベントは、多種多様なのでテック系企業以外向けのものもあります。下記にいくつか代表的なものを紹介します。
- CES:ラスベガスで毎年開催される、世界最大の家電見本市。
- Food and Beverage Innovation Forum (FAB):食品や飲料業界のスタートアップ企業が集まるイベント
- Natural Products Expo:自然食品やエシカル製品に特化したスタートアップ企業が集まるイベント
- Travel and Adventure Show:旅行やアドベンチャーに関連するスタートアップ企業が参加するイベント
- Startup Art Fair:アート業界に特化したスタートアップ企業が参加するイベント
- Health and Wellness Festivals:健康やウェルネスに関するスタートアップ企業が参加するイベント
テクノロジー分野に特化したスタートアップイベント
イベント名 | 開催国 | 概要 | コメント |
Viva Technology | フランス | ・ヨーロッパ最大級のテクノロジーとスタートアップの展示会、カンファレンス ・テーマは、人工知能、サイバーセキュリティ、フィンテック、エネルギー、モビリティ、ロボティクス、ヘルステックなど |
グーグルやマイクロソフトなどの大企業がAIに関する技術や事業を紹介 |
CogX | イギリス | ・AIとブレイクスルー・テックのグローバル・リーダーシップ・サミット ・AIに関心のある人々が集まるグローバルコミュニティーを形成 ・テーマは、AI、ロボット工学、ブロックチェーン、5G、量子コンピューティング、エシックスなど |
治験薬、スマートシティ、人工知能を利用した教育などの先端技術に関する事業を紹介 |
Tech Open Air | ドイツ | ・イノベーションをテーマにしたテクノロジー・カンファレンス ・欧州のSXSWと称されている ・自由に交流し、触発し合う場として、世界的にも重要な「イノベーション・ハブ」 |
人工知能、ブロックチェーン、仮想現実、クラウドコンピューティングなどのパネルディスカッション |
日本におけるスタートアップイベントは?
日本国内でもスタートアップイベントは数多く開催されています。2018年、2019年は特に盛んでしたが、コロナ禍で撤退や縮小の傾向が進んでいるのも事実です。イベントには、アジアを舞台にしたものもあります。日本や東京以外で開催される場合もあるので、参加する際には、開催都市の確認が必要です。
イベント名 | 開催国 | 概要 | コメント |
IVS | 国内主要都市 | ・国内最大級のスタートアップカンファレンス ・インターネット企業の経営者・経営幹部・投資家など、招待制 ・Web3に特化した「IVS Crypto」と同時開催も |
SmartHRは2016年のIVSビジネスコンテスト(LAUNCHPAD)にて優勝 |
Innovation Leaders Summit | アジア都市 | ・アジア最大級のオープンイノベーションカンファレンス ・スタートアップと大企業とのマッチングプログラム、「パワーマッチング」 |
上場企業とスタートアップの提携事例が数多く実現 |
B Dash Camp | 東京 | ・インターネット業界の第一線で活躍する経営者や著名人が集結する日本最大規模の招待制カンファレンス | B Dash VenturesというVCファンドはLINEへの投資を実施していた |
CEATEC | 東京 | ・日本のIT、エレクトロニクス、IoT、AI、ロボット技術などを特集した国際展示会 | リアル出展562社/団体(うちオンライン出展:21社 ※2022年実績 |
JAPAN INNOVATION DAY | 東京 | ・ASCIIが実施するオールジャンルでの先端テクノロジーや製品、ビジネスソリューションに関する展示交流・ビジネスイベント | 時代のトレンドや潮流を会場で体験可能 |
Echelon Asia Summit | シンガポール | ・アジアの起業家と投資家を結びつけるプラットフォーム ・アジアのテクノロジー業界における最新の動向やイノベーション、投資機会などについて議論 ・展示会やネットワーキングの機会 |
アジア周辺地域から200社以上の企業が出展 |
IVS
IVS(インフィニティベンチャーズサミット)は、テック関連企業の経営者・経営幹部・投資家たち集う、招待制のカンファレンスです。主催は、IVS社で、2007年に始まって以来、インターネット企業経営者のコミュニティとして発展してきました。
IVSは、スタートアップ、経営者、投資家同士をつないだり、貴重な学びの機会を得たりと、ネットワーキングを行うことを目的としています。イベントでは、ピッチコンテストやトークセッションのほか、ワークショップなどがあります。特に、ピッチコンテストの(IVS LAUNCHPAD)は、「スタートアップ登竜門」の間でも有名となり、M&AやIPOにつながったケースが35社以上あります。
テーマは、テクノロジー関連のインターネットサービスのほか、最近ではWEB3.0があります。WEB3.0にテーマを絞ったイベント「IVS Crypto」は、一般参加が可能となりました。
開催当初から、15000人以上が参加してきており、前回は1200人を超えており、過去最大でした。また、IVS LAUNCHPADには、430社が登壇しており、投資額も約3000億円を超える規模になっています。
Innovation Leaders Summit
ILSは、大手企業とスタートアップが参加するオープンイノベーションカンファレンスです。新しいアイデアやテクノロジーイノベーションを生み出すことが目的で、経済産業省が後援しています。
イベントでは、主に「パワーマッチング」と称した大商談会が行われています。パワーマッチングは、大企業とスタートアップをつなぐ機会になっています。パワーマッチングの前に行われる、「ベンチャーピッチ」や「ベンチャーショー」などのプレゼンテーションにより、商談するスタートアップが決められています。
他にも、知識の共有や最新情報を得られる機会として、トークセッションやセミナーも実施されています。
ILSは、もともと日本国内の「イノベーション」を促進するために、大企業・研究機関・スタートアップのつながりが必要という課題意識から開始されました。オープンイノベーションがテーマなので、参加するスタートアップも、テック、医療など分野もさまざまです。
2022年には、参加者数は2万人を超えており、企業数では、スタートアップ672社、大手企業109社が参加しました。また、総商談数は3,088件でした。
B Dash Camp
B Dash Camp(ビーダッシュキャンプ)は、B Dash Ventures株式会社が主催する招待制のビジネスカンファレンスです。国内の著名な経営者、投資家、スタートアップ経営者、エンジニア、デザイナー、マーケターなど幅広い層が参加しています。
イベントの目的は、最新テクノロジーやビジネスに関するトピックの議論や、ネットワーキングです。
イベントでは、パネルディスカッションや1on1トークセッションが行われ、「最新トレンドや経営に関する深い洞察」について話を聞くことができます。また、ネットワーキングの機会もあり、専用のコーディネーターが希望の相手とのつながりを促進してくれます。他にも、ピッチ大会もあり、優勝者はその後、IPOや資金調達を実現しています。
なお、2023年からはWEB3.0に特化した「B Dash Crypto」が開催されます。
2022年にはスタートアップや大企業など含めて総勢約1,000名が参加しており、国内でも規模の大きいイベントとなっています。
CEATEC
CEATECとは、一般社団法人電子情報技術産業協会が主催する国内最大級の網羅的テクノロジーの総合的な展示会です。来場者と出展者だけでなく、出展者同士の出会いやつながりを得やすい展示会です。
2023年のテーマは、デジタルイノベーション、デジタル田園都市、ウェルビーング、次世代育成です。特に、持続可能な発展に向けて、Web3.0やブロックチェーン、メタバース、量子コンピューティング、5G/Beyond5G、人工知能(AI)などの活用や、地方創成に向けたデジタル化などの技術が注目されています。
前回の実績として、参加企業は国内外から合わせて700社を超えており、来場者数は3万人にも上りました。
JAPAN INNOVATION DAY
JAPAN INNOVATION DAYは、ASCII社が主催する先端テクノロジーや製品、ビジネスソリューションに関する展示交流・ビジネスイベントです。最新サービスやソリューションに関する情報や知識を深めたり、ネットワーキングを目的としています。
イベントでは、サービスやプロダクトについての展示やデモが行われているほか、ピッチイベントやトークセッションがあります。さらに、参加企業限定のミートアップがあり、交流する機会があります。
テーマは、AIソリューション、IoTハードウェア関連、ヘルステック、XR(クロスリアリティ)、HR、ロボットなど多岐にわたっており、2023年の回では、70社の出展が予定されています。
Echelon Asia Summit
Echelon Asia Summitとは、APACのテック業界のトップランナーが一同に会するイベントで、ビジネスマッチングやネットワーキングを目的としています。主催は、シンガポールのe27社です。
イベントでは、アジアの投資家やオピニオンリーダによるトークセッション、ビジネスコンテストのほか、ビジネスマッチング、展示会、ワークショップなど、多様なセッションが用意されています。
テーマは、ロックチェーン技術、Web3.0 概念モデルなどのテクノロジー関連だけではなく、サステナビリティやアジア市場動向など、地域特性を勘案されたものがあります。
2023年のイベントには、1500名を超える投資家の参加が見込まれているほか、200以上の展示、150名を超えるスピーカーが期待されています。
イベントに参加するメリットとは
スタートアップイベントには、投資家や起業家だけではなく、一般企業やアカデミアなど新しいビジネスやイノベーションに関心の高い人たちが参加する場合が多いです。イベントでは、事業のプレゼンテーションやピッチを披露する機会があったり、ビジネスコンテストによる賞金があったり、参加者にとってさまざまなメリットがあります。
ここでは、スタートアップイベントへの参加のメリットについて解説します。
資金調達の機会
スタートアップイベントには、多くの投資家が参加しています。投資家とは、ビジネスコンテストやカンファレンスでのセッション(ピッチ)やブースでの展示などを通じて、自社のビジネスに興味を持つ投資家と出会うことができます。特に、ピッチ大会などで優勝すると、複数回にわたる調達機会が可能になることもあります。
たとえば、SmartHRは、過去にTechCrunch TokyoやIVSのピッチ大会で優勝しており、累計調達額は82億円と他の登壇企業の2倍以上の調達を実現しています。ピッチ大会に登壇した企業の多くは、上場をしていますので、中長期的な資金調達を実現しています。
ビジネスパートナーとの出会い
同じ業界に属する企業やビジネスパートナーを探している企業も、イベントに参加していることが多いです。イベントによっては、上場企業がパートナーを探している場合もあります。新しいパートナーを得ることで、これまで想像しなかったビジネスチャンスを創出できる可能性があります。
イベントによっては、独自のコミュニティ(オンライン/オフライン)を形成しているなど、参加者同士の距離を縮めるような取り組みがあります。イベントだけの単発的な出会いではなく、イベント以降にも中期的に出会うチャンスが提供されるので、ネットワークを深めることができます。
アイデアの共有とフィードバック
スタートアップイベントでは、アイデアの共有やディスカッションを行う機会があります。自分のビジネスについて他の起業家からフィードバックを得ることで、自分のアイデアやビジネスモデルを改善できます。
同業他社からのフィードバックを得る機会はあまりありません。イベントで自分のビジネスについてしっかりと伝えることで、違った角度からの指摘をもらうことができるでしょう。
ブランディングの機会
スタートアップイベントへの参加は、自社のブランディングやPRにも有効です。たとえば、有名なスタートアップイベントであれば、リリースするなどしてメディアからの注目を得られるでしょう。
スタートアップイベントに参加するためのポイント
スタートアップイベントへの参加は、リアルの会ならではの、メリットが多いのも事実ですが、参加するには、ピッチの準備やビジネスの概要を伝える資料やサンプルの作成など、負担もかかります。せっかく参加してもメリットを十分得られたと感じられないのは、もったいないです。ここでは、スタートアップイベントに参加する際の注意点を解説します。
スタートアップイベントの盛り上がりをチェック
スタートアップイベントは、歴史が長いものから、最近始まったものやすでに終わってしまったものまで多種多様。日本でも過去にはSLUSH Tokyoなどが行われたこともありましたが、2023年時点では撤退しています。イベントによって盛衰がありますので、勢いのあるイベントであるかどうか、事前に確認するとよいかもしれません。
また、イベント自体が形式的になっていないか、最近ピッチ大会で優勝した企業の現状を調査するなど、イベント自体をよく事前に調査しましょう。
イベントの目的はどのようなものか
世界的に有名なスタートアップイベントにはあまりないですが、中には自分のビジネスとはあまり関連性の高くない企業や団体が参加するイベントもあります。また、イベントの目的も、交流や学びなど焦点が明確な場合もあります。参加する場合には、イベントにどのような人が集まるのか、目的は何かをしっかりと把握するとよいでしょう。
たとえば、イベントに参加する目的を交流を広げることであれば、明確に交流を打ち出しているものを選びましょう。そして、事前に主催者のメッセージを見て会の雰囲気をイメージしておくとよいかもしれません。
一方、営業的な交流を好まない場合は、「学び」を打ち出しているところを選択しましょう。
まとめ
コロナ禍によって、人との交流の機会が減ってしまいました。多くのスタートアップイベントもオンラインとオフラインの両方で実施されるようになっています。しかし、オンライン化が進む一方で、「リアル」ならではの価値も再確認されたのではないでしょうか。スタートアップイベントへの参加は、そうした「価値」を感じる場でもあります。
創業手帳でもインタビュー出演者同士の食事会などを実施すると、ここでしか聞けない話、ビジネス開発、視野の広がりなど、新たな価値が生まれています。ぜひ、自分のビジネスにぴったり合うスタートアップイベントやリアルの交流会を見つけて、リアルならではの「価値」を感じてみてください。
大久保の感想
創業手帳でも、様々なイベントを開催しています。なかでも人気が高い『ウリの整理から始めるホームページ立ち上げ勉強会』は、2時間の勉強会の時間内にて実際にホームページの作成も実施していきます。今話題のChatGPTなども活用していきますので、人気の高い勉強会になっています。無料でご参加可能ですので、是非お気軽にご参加ください。
日本ではSLUSHやテックインアジアも健闘していたが、今は日本では撤退しておりイベントの盛衰もあるので盛り上がっているイベントを選ぶのも重要だ。
選ぶポイントは盛り上がり、良質な人が参加しているかどうか、テーマが自分にあっているかどうかで選ぶと良い。
また異業種交流会的な交流・営業感を避けたい人は「学び」を全面に出している会が向いている。
逆に交流を広げたい人は明確に交流を打ち出している会が向いており、主催者のメッセージを見て会の雰囲気をつかんでおこう。
創業手帳でもインタビュー出演者同士の食事会などをしているがここでしかでない話題などもありビジネスが生まれたり視野が広がる効果がある。リモート時代だからこそ「リアルのここでしかない体験」の価値がましている気がする。