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2025年3月12日「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」が閣議決定

「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、現在開会中である第217回通常国会に提出される予定です。
法律案趣旨
近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受け、発注者・受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図っていくことが重要です。
このため、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、手形による代金の支払等の禁止、規制及び振興の対象となる取引への運送委託の追加等の措置を講ずるとともに、多段階の取引当事者が連携した取組等を支援し、価格転嫁・取引適正化を徹底していきます。
概要
(1)下請代金支払遅延等防止法の一部改正<規制の見直し>
1)協議を適切に行わない代金額の決定の禁止(価格据え置き取引への対応)
2)手形払等の禁止
3)運送委託の対象取引への追加(物流問題への対応)
4)従業員基準の追加(適用基準の追加)
5)面的執行の強化
(2)下請中小企業振興法の一部改正<振興の充実>
1)多段階の事業者が連携した取組への支援
2)適用対象の追加
3)地方公共団体との連携強化
4)主務大臣による執行強化
(3)「下請」等の用語の見直し(下請代金支払遅延等防止法・下請中小企業振興法関係)
用語について、「下請事業者」を「中小受託事業者」、「親事業者」を「委託事業者」等に改めます。また、題名について、「下請代金支払遅延等防止法」を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に、「下請中小企業振興法」を「受託中小企業振興法」に改めます。
価格転嫁とは、企業が原材料費や、人件費、エネルギーコストの変動を製品やサービスの価格に反映させることを指します。近年、エネルギー価格の高騰や、物価上昇、円安の進行などにより、企業のコスト負担は増加しており、適切な価格転嫁が求められています。これは、企業が利益を確保し、事業を継続するために欠かせない戦略のひとつです。
しかし、中小企業や小規模事業者にとって価格転嫁は容易ではありません。取引先との交渉力が弱い場合や、競争が激しい市場では、価格を引き上げることで顧客を失うリスクがあるため、コスト増を自社で吸収せざるを得ないケースも多くあります。
また、中小企業・小規模事業者の下請取引において、直近1年間で取引先に価格交渉を要請したことがない企業のうち、デメリットの発生を懸念して要請を控えた企業が約3割に達していることが明らかになっています。
このように下請取引においては中小企業・小規模事業者は価格転嫁においても不利な立場にあることから、有利な立場にある企業がその優越的地位を乱用しないよう法的な規制が求められています。
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