2024年10月から郵便料金が値上げ!変更点や郵送コストを抑える方法を解説
郵便料金値上げに向けて企業も対策を
2024年6月13日に、日本郵便が同年10月1日から郵便料金の一斉値上げを行うという内容の届け出を総務省に提出しました。
通常ハガキや提携郵便物だけでなく、定形外郵便物や速達などの料金が値上がりするため、企業にとってはさらなるコスト増加が懸念されています。
そこで今回は、郵便料金の値上げ内容や値上げされた原因、事業者への影響、郵送コストを抑える方法についてご紹介します。
値上げに向けた対策を講じたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
【2024年10月以降】値上げ後の郵便料金一覧
日本郵便は、2024年10月1日(火)から郵便料金の値上げを実施すると発表しました。値上げ前と値上げ後の料金を比較して以下の表にまとめました。
郵便の種類 | 重量 | 値上げ前 | 値上げ後 |
定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円(50gまで) |
50g以内 | 94円 | ||
通常ハガキ | 63円 | 85円 | |
レターパック(プラス) | 520円 | 600円 | |
レターパック(ライト) | 370円 | 430円 | |
定形外郵便物(規格内) | 50g以内 | 120円 | 140円 |
100g以内 | 140円 | 180円 | |
150g以内 | 210円 | 270円 | |
250g以内 | 250円 | 320円 | |
500g以内 | 390円 | 510円 | |
1kg以内 | 580円 | 750円 | |
速達 | 250g以内 | 260円 | 300円 |
1kg以内 | 350円 | 400円 | |
4kg以内 | 600円 | 690円 | |
特定記録郵便 | 160円 | 210円 | |
簡易書留 | 350円 | ||
一般書留・現金書留 | 480円 | ||
スマートレター | 180円 | 210円 |
値上げ後の差額に対応したハガキ・切手などは9月から販売開始
料金が変更になる前の切手や郵便ハガキを使いたい場合は、差額の切手を貼る必要があります。
そのため、差額に対応する額面の切手や郵便ハガキ、レターパックなども販売されます。
9月2日(月)から販売が開始されるため、差額分が必要になる方は事前にチェックしてみてください。販売となる切手やハガキ、レターパックの種類は以下のとおりです。
種類 | 料金 | |
切手 | 普通切手 | 16円 |
26円 | ||
40円 | ||
85円 | ||
110円 | ||
180円 | ||
270円 | ||
300円 | ||
慶事用普通切手 | 85円 | |
110円 | ||
弔辞用普通切手 | 85円 | |
ハガキ | 通常ハガキ(単面・四面連刷・くぼみ入り) | 85円 |
通常ハガキ(インクジェット) | 85円 | |
往復ハガキ(表面・往信) | 170円 | |
往復ハガキ(裏面・返信) | 170円 | |
郵便書簡・レターパック | 郵便書簡 | 85円 |
レターパックライト | 430円 | |
レターパックプラス | 600円 | |
スマートレター | 210円 |
郵便料金値上げとなった原因
郵便料金が値上がりする背景には様々な原因があります。具体的にどのような原因で値上がりしたのか解説していきます。
2001年をピークに郵便物数が減っている
日本郵便によると、2022年の郵便物引受数は前年度から2.8%減少し、144億4,510万通であることがわかっています。
また、ゆうメールなどの荷物を含めても、2021年度から3.4%減少の185億3,832万通(個)となっていました。
さらに、国内郵便は2001年度の262億通をピークに減少傾向にあり、ピーク時と比較して2022年度の郵便物は約45%も減少しています。
郵便物の減少により、郵便事業の収支は赤字が続いています。
2022年度の郵便事業収支は営業収益で1兆2,556億円、営業費用が1兆2,767億円となっており、赤字は約211億円です。
今後も郵便物数の減少が考えられることから、郵便料金を値上げせざるを得ない状況といえます。
人件費や郵送コストが上昇している
郵便料金値上がりの原因として、郵便物数の減少だけでなく、人件費や燃料・輸送コストの高騰も挙げられます。
車や電車、船、飛行機などの交通手段を利用して郵便物を届ける場合、営業費用の約4分の3を人件費が占めています。
郵便事業において、人件費の高騰は大きな痛手になっているといっても過言ではありません。
また、ウクライナ情勢の影響を受けて燃料費が高騰していることもあり、郵便料金の値上げに踏み切ったと考えられます。
郵便料金値上げによる事業者への影響
郵便料金を値上げすることにより、多方面に影響を与える恐れがあります。ここからは、事業者にどのような影響をもたらすのか、ご紹介します。
郵送コストが増える
郵便料金の値上げによって、これまで以上に企業が負担するコストが増えてしまいます。
特に大量の郵便・荷物を郵送する必要がある場合は、その分負担が大きくなります。
値上げは数十円ですが、100通を超えれば数千円、1,000通を超えれば数万円単位でコストが増加することに留意してください。
価格転嫁によって顧客が離れる可能性がある
郵送コストが増えれば利益が下がるため、商品・サービス価格などに転嫁しなければなりません。
取引先の事業が郵送コストの増加を受けて価格転嫁した場合、自社でもコスト増加せざるを得ない状況になる可能性もあります。
必ずしも顧客離れが発生するとはいえないものの、自社のコスト増加につながる可能性は十分に考えられます。
商品・サービスの質が下がる可能性がある
価格競争が激しい業界では安易な値上げができず、別の部分でコスト削減を行う必要が出てきます。例えば、原材料を安価なものに変更することなどです。
そうなれば商品の質が下がる可能性があります。また、同じ価格であるにもかかわらず、商品やサービスの質が下がるケースがあるかもしれません。
郵便料金の値上げのみが影響するものではありませんが、企業は対策を講じる必要があります。
郵送コスト削減には電子化がおすすめ
郵送コストを少しでも削減したい場合には、電子化の導入がおすすめです。続いては、郵便料金の値上げ対策としておすすめしたい電子化についてご紹介します。
電子化を検討すべき業務やサービス
すべての郵便物を電子化することは難しいかもしれませんが、どのような業務・サービスの電子化を検討すべきか解説していきます。
請求書の発送
これまで請求書を郵便で発送していた企業は、電子化への切り替えを検討してみてください。請求書は双方の合意があれば、メールで送付しても問題ありません。
近年は電子帳簿保存法の改正にともない、電子データで保存するために税務署へ申請・承認を得なくてはならなかったのが、不要となりました。
より手軽に電子データで保存できるようになり、郵送コストだけでなく業務の効率化にもつながっています。
紙のカタログ・パンフレットの発送
これまで自社の商品・サービスをPRするために、紙のカタログ・パンフレットを用意しているケースもありました。
郵便は郵送コストがかかるのみでなく、到着に数日間の時間がかかってしまいます。
しかし、カタログやパンフレットを電子化に切り替えれば、すぐに送受信が可能です。
また、カタログやパンフレットの発送準備も必要がなくなるため、他の業務に時間を充てることができます。
電子化するメリット
請求書やカタログ・パンフレットなどを電子化することで、様々なメリットが得られます。どのようなメリットがあるのか解説していきます。
印刷や郵送などが省かれ業務効率化につながる
紙の請求書を発行するためには、まずは請求書のデータを作成してからプリンターなどを使って印刷し、宛名や切手を貼り付けた封筒の中に入れ、ポストや郵便局窓口に提出する必要があります。
しかし、電子化すればメール送付のみで完了するため、請求書発行・送付のスピードが早まります。
また、スピードが早まることで業務効率化につながり、別の業務にも取り組むことが可能です。郵送コストの削減以上に大きな効果が見込めます。
テレワークでも対応しやすい
紙の請求書を取り扱う場合には請求書の印刷や押印が必要であるため、出社する必要があります。しかし、請求書などの書類をすべて電子化すれば、出社は不要です。
また、従業員のテレワークが実現しやすくなり、働き方の多様化を実現できます。従業員の働き方が改善されることで、離職率の低下なども防げるでしょう。
顧客や請求書の受け取り先の満足度を向上できる
紙の請求書は、受け取り先に届くまで一定の時間が必要です。
しかし、電子化すればこのような心配は不要です。配信スピードは一気に向上し、顧客や取引先が欲しいと思った時に発行できます。
受け取り先は余裕を持って支払いや帳簿処理などを行えます。
最新版のカタログをすぐに提供できる
カタログやパンフレットを電子化した場合、最新版をすぐに提供できる点もメリットです。
毎年改訂が必要なカタログ・パンフレットの場合、紙であれば改訂箇所が一部のみでも冊子を作り直さなければなりません。
しかし、電子化したカタログ・パンフレットであれば、変更したい箇所をすぐに修正でき、簡単に更新できます。
常に最新情報を発信できるため、顧客の利便性も高まります。
郵便料金値上げに向けて電子化する際の注意点
郵便料金の値上げに対して、郵送コストを削減するために電子化を検討する人もいるかもしれません。
請求書やカタログ・パンフレットなどの電子化を進めていく際には、以下のポイントに注意してください。
請求業務の電子化を取引先に知らせる
請求書の電子化を進める際には、社内のみでなく取引先にも周知させておくことが重要です。
事前に電子化への変更を取引先に案内しておけば、トラブルに陥るリスクを回避できます。
なお、電子化に対応していない取引先に周知させる際には、取引先側にもメリットがあることを伝えてください。
郵送の手段も残しておく
請求書を電子化してからも、一部の取引先とは紙でやり取りすることになるかもしれません。
そのため、完全に電子化へ移行するのではなく、取引先に応じた手段を残すことも必要です。
なお、取引先に応じて電子化と郵送をすぐに仕分けできるよう、あらかじめシステムやソフトを導入しておくとスムーズに対応できます。
業務フローを見直して社内に周知する
これまで紙を使用してきた企業が電子化に対応する際には、業務フローを大幅に変更する必要があります。
そのため、電子化に対応する際は業務フローの見直しも徹底することが大切です。
さらに、電子化に対応することを社内に周知させ、マニュアルを策定しておくと安心です。
セキュリティ対策を強化する
請求書やカタログ・パンフレットの電子化を進める際には、セキュリティ対策の強化が必要です。
電子化は情報漏洩や不正アクセスのリスクが増えてしまいます。
請求書をメールに添付する際は、別のファイルを添付しないよう送信前にダブルチェックを行ったり、機密情報が含まれたファイルにはパスワードをかけたりするなどのセキュリティ対策を講じてください。
また、通信の暗号化や二段階認証を取り入れることで、不正アクセスのリスクを回避しやすくなるでしょう。
郵便料金値上げに向けて対策を検討しよう
今回は、郵便料金の値上げについてご紹介してきました。2024年10月1日から郵便料金の値上げが決定したことで、企業にも大きな負担となる可能性があります。
郵送コストを抑えるためには、請求書やカタログ・パンフレットなどの電子化を検討してみてください。
また、電子化を導入する際には、今回ご紹介したポイントも踏まえた対策を講じてください。
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(編集:創業手帳編集部)