スモールビジネスで融資を受ける方法は4つ!成功のポイントや代替方法も解説

創業手帳

スモールビジネスの融資なら4つの方法がおすすめ!


ベンチャーやスタートアップ企業とは異なり、小規模からはじめられる事業を「スモールビジネス」といいます。
スモールビジネスは小規模からスタートするため、初期費用やランニングコストを抑えられるという点がメリットです。
ただし、だからといって資金が不要になるわけではないため、ある程度資金を集めてからスタートする形になります。
スモールビジネスだと規模が小さいことから、融資を受けられないのではないかと不安を抱く方もいるでしょう。
しかし、スモールビジネスであっても融資を受ける方法はあります。

そこで今回は、スモールビジネスで融資を受ける方法についてご紹介します。
さらに、融資審査を成功させるポイントや、万が一融資が受けられなかった場合の代替案などもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

融資は創業期が狙い目です。その理由については創業手帳が作成した『融資ガイド』に掲載中!その他、融資に通るためのコツなど融資にまつわる内容が盛り沢山。無料で公開していますので、是非こちらもあわせてお読みください。



※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

スモールビジネスで融資を受ける方法【4選】


スモールビジネスは一般的な起業・創業と比べて資金が少なくてもはじめることができ、万が一事業が失敗に終わった場合のリスクを軽減できます。
また、スモールビジネスは基本的に少ない従業員または個人で事業を行えるほどの規模になるため、個々の力を発揮できたり自身の裁量で働いたりすることも可能です。
そんなスモールビジネスをはじめるための融資を受ける方法として、これから紹介する以下の方法がおすすめです。それぞれの融資について詳しくご紹介していきます。

金融機関を利用する

スモールビジネスをはじめる際に、まとまった資金が必要な場合は金融機関を利用することで融資を受けられます。
特に銀行からの融資は低金利に設定されている場合も多いです。
また、利用限度額も大きいため、場合によっては1,000万円以上の融資が受けられる場合もあります。
民間の金融機関で利用できる事業融資は主に以下の3つです。

  • プロパー融資
  • 保証付融資
  • ビジネスローン

プロパー融資は金融機関から直接借入れを行うため、数年の経営実績がないと融資を受けられない可能性が高くなります。
初めてスモールビジネスを行う場合には、担保や保証人が必要な保証付融資を利用するケースがほとんどです。
以下で各金融機関のメリット・デメリットもご紹介します。

地方銀行

地方銀行は、地元の中小企業が主な取引き対象になっている金融機関です。
地方銀行は「第一地方銀行」と「第二地方銀行」の2種類に分けられ、第一は比較的規模の大きい中堅企業、第二は小規模な中小・零細企業との取引きが多くなっています。
都市銀行に比べて審査も通りやすく、少額融資の相談もしやすいのが特徴です。

ただし、いくら都市銀行に比べて審査が通りやすいといっても必ず通るわけではありません。場合によっては審査が厳しいと感じる場合もあります。
また、金利も高い傾向にあるので注意が必要です。

信用金庫

信用金庫も地方銀行と同様に、地元に根差した金融機関です。
しかし、地方銀行は利益を出すことが目的の営利団体となりますが、信用金庫は地域の発展を目的とする非営利団体になります。
そのため、スモールビジネスや個人事業にも好意的に対応してくれるでしょう。

金利は都市銀行・地方銀行と比べて高い傾向にあるものの、担当者が積極的に訪問なども実施してくれるため、きめ細かい対応が期待できます。

都市銀行

都市銀行は、主に首都圏や関西圏、県庁所在地などを中心に全国的に展開している銀行を指します。
大企業や中堅企業が主な取引き対象であり、中小企業(特に小規模や零細企業)は丁寧に対応してもらえない可能性が高いです。
また、高額な融資が中心で、少額融資には対応していない場合もあります。スモールビジネスをはじめる人にとってはハードルが高く、あまり向いていない金融機関だとされています。

日本政策金融公庫を利用する

日本政策金融公庫とは、国が100%出資する金融機関です。
民間の金融機関が実施する金融を補完することを目的としており、法律や予算で決められた範囲内で金融機能を発揮します。

スモールビジネスを新たにスタートさせる場合、2024年3月までは「新創業融資」を活用できましたが、現在はすでに廃止されています。
代わりに「新規開業資金」が用意されているので、融資を受けたい場合にはこちらを活用してください。

新規開業資金では、新たに事業をスタートさせる場合でも無担保・無保証人で融資が利用できます。
また、利率は一律で0.65%の引下げになり、設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は原則10年以内(うち据置期間5年以内)と長期返済も可能です。

地方自治体・商工会議所を利用する

各地方自治体や商工会議所でも、制度融資が用意されている場合があります。制度融資とは、地方自治体と金融機関、信用保証協会が連携し提供している融資です。
地方銀行などと同様に保証付融資で提供されることが多いものの、民間の金融機関に比べて金利が低く、さらにスモールビジネスや個人事業主に対しても融資してもらえる可能性があります。

制度融資は事業者の目的に合わせて様々な融資が用意されており、対象者の事業に合った融資が見つかりやすい点はメリットです。
ただし、銀行融資に比べて申し込みから実際に着金するまでに時間がかかってしまうデメリットがあります。
これは、3つの機関が携わっているため銀行融資よりも工数が増えてしまうためです。

融資型クラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングは、インターネット上の不特定多数の人から資金を集める方法です。実績や確実性がなかったとしても、賛同を得られれば資金を調達できます。

クラウドファンディングにも寄付型や株式投資型など様々な種類がありますが、資金調達としておすすめなのは融資型(ソーシャルレンディング)です。
融資型はあくまでも資金を借りる方法であり、元本の返済や利息の支払いが必要となります。
しかし、少額であればすぐに資金を借入れしやすく、スピーディーに資金を調達したい場合にはおすすめの方法です。

スモールビジネスの融資審査を成功させるポイント


スモールビジネスの場合、融資を受けようとしても審査に通らない可能性もあります。少しでも審査に通りやすくするために、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

複数の金融機関と取引きする

融資審査を成功しやすくするためのポイントとして、複数の金融機関と取引きすることが大切です。
複数の金融機関と取引きすることで他行との競争が発生し、融資が出やすくなる場合もあります。

また、ひとつの金融機関に頼ってしまうと、万が一事業がうまくいかなくなった時に融資を打ち切られてしまう可能性も高いです。
融資の打ち切りを防ぐためにも、複数の金融機関と取引きを行い、リスク分散をするようにしてください。

地方銀行・信用金庫との付き合いを大切にする

スモールビジネスをはじめる場合、地方銀行や信用金庫のほうが融資を受けやすく、逆に都市銀行だと融資を受けるハードルが高くなってしまいます。
また、地方銀行や信用金庫は地域に根差した金融機関となるため、丁寧かつきめ細やかな対応も期待できます。

都市銀行はCMなどのイメージから「安全」という印象を持つ人も多く、できれば都市銀行から融資を受けたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、スモールビジネスの融資に関しては都市銀行より地方銀行や信用金庫のほうが深い付き合いが望めるため、地方銀行・信用金庫との付き合いを大切にすることが重要です。

都市銀行に頼りすぎない

上記でもご紹介したように、スモールビジネスだと都市銀行からの融資はハードルが高くなってしまいます。
例えば都市銀行は審査の基準が非常に厳しく、会社の業績や資金計画なども厳しくチェックされます。
提出する書類の数も多く、審査してもらうまでが大変です。

また、業績や資金繰りが悪化した場合の対応が地方銀行・信用金庫に比べて、都市銀行はシビアな対応になる可能性が高いです。
例えばリスケジュールを相談しても対応してもらえなかったり、一括返済を要求されたりします。

資金と勤務経験を蓄えておく

いくらスモールビジネスで初期費用やランニングコストがそこまでかからなかったとしても、必要資金をすべて融資で賄おうとすると高額になってきます。
融資の審査は必要な金額が高ければ高いほど厳しくなるのです。
また、自己資金がゼロだと事業を進める上で計画性がないと判断されてしまう可能性が高いです。そのため、ある程度自己資金は用意しておく必要があります。

自己資金だけでなく、スモールビジネスに関連する勤務経験を積んでおくことも審査に影響する可能性があります。
事業に関する知識や経験、ノウハウが蓄積されていれば、その分成功する確率も高まるためです。

返済未納・滞納・遅延をしない

審査ではこれまでに返済の未納や滞納、遅延はなかったかを確認することもあります。
万が一公共料金や税金の支払いなどで未納・滞納などがあった場合、信用度が下がってしまうので注意が必要です。

また、公共料金や税金の支払い以外でも滞納や遅延があった場合は、審査に影響する可能性があります。

  • クレジットカードの支払い
  • カードローンやキャッシング
  • 奨学金
  • スマートフォンの分割払い など

これらの支払いで滞納や遅延などをしていないか確認しておいてください。

事業計画を明確にしておく

スモールビジネスをはじめる際には事業計画書を作成することも大切です。事業計画書を作成しておけば、審査を受ける際に事業計画を明確に示すことができます。
特に銀行で融資審査を受けたい場合は事業計画書の提出が求められるケースも多いです。事業計画書以外にも試算表や月次資金繰り表などの提出を求められる場合もあります。
審査の際に、成長が期待できる事業なのかを判断する材料となるため、スモールビジネスでも事業計画書を作成してください。

スモールビジネスで融資を受けられない時の対処法


もしも融資を受けられなかった場合、どのような方法で資金を調達すれば良いのでしょうか。ここからは、融資を受けられなかった場合の対処法をご紹介します。

補助金・助成金を利用する

まずは活用できる補助金・助成金がないか探してみてください。補助金と助成金はいずれも国や地方公共団体、民間の団体などが支給するお金です。
融資とは異なり、原則返済は不要となります。

補助金や助成金を探す際には、中小企業庁の委託事業として運用されている「ミラサポplus」の活用がおすすめです。
ミラサポplusを活用すると、自身が活用できる補助金や助成金を探せるのはもちろん、似た事例を探したり専門家や地域の支援機関へ経営相談ができたりします。

ファクタリングを利用する

すぐに資金が必要な場合は、ファクタリングを活用してみてください。ファクタリングとは、入金する前の請求書(売掛債権)を使って現金化する方法です。
一般的に商品やサービスを提供すると、入金されるのは約1~2カ月後になります。これではすぐに現金を受け取ることができません。

そこでファクタリング会社に依頼すると、代金を受け取るための権利を買い取ってくれるため、すぐに現金化が可能になります。
売掛債権が必要となるため、すでにスモールビジネスをはじめていないと利用できませんが、即座に現金化を希望する際にはファクタリングを活用してみてください。

家族や友人に資金提供を依頼する

審査で時間をかけたくない、審査に通らないといった場合には、家族や友人に相談して資金を提供してもらう方法もあります。
金融機関から融資を受ける際には高い金利の支払いも必要となりますが、家族や友人から借りれば金利も支払わずに済みます。
また、返済期限に関しても融通を利かせてくれる場合もあるかもしれません。

ただし、家族や親しい友人から資金提供をお願いすると、これまで良好だった人間関係が壊れてしまう可能性もあります。
お金を借りる時は具体的な返済期限を設けた上で、借用書を作成してください。

ビジネスローンを利用する

銀行や日本政策金融公庫の融資審査が通らなかったり、売却できる売掛債権がなかったりする場合は、ビジネスローンの活用もおすすめです。
ビジネスローンは事業資金を目的とするローン商品で、立ち上げ資金や設備資金、運転資金などに活用できます。
ビジネスローンを取り扱っているのは銀行だけでなく、クレジットカード会社や消費者金融なども含まれ、それぞれ審査基準や金利、限度額が異なってきます。
公的融資や銀行融資に比べてすぐに融資を受けられ、原則無担保・無保証人でも申し込みが可能です。

ただし、金利が高い点や限度額が低い点には注意してください。

クラウドファンディングを利用する

上記で融資型クラウドファンディングについてご紹介しましたが、それ以外にも活用できるクラウドファンディングがあります。それは「購入型」です。

購入型は商品やサービスのアイディアはあるものの、資金調達が困難な場合などのスモールビジネスにも向いているクラウドファンディングです。
融資型のリターンは株式や配当金、利息などの金銭でしたが、購入型の場合は商品やサービスがリターンの対象になります。
単に資金調達ができるだけでなく、支援者がその後も商品・サービスのファンになってくれたり、多くの人に向けて宣伝できたりするなどのメリットがあります。

まとめ・スモールビジネスの融資は準備を整えてから依頼しよう

スモールビジネスだと必要な資金はそこまで多額ではないものの、自己資金だけでは賄えない場合もあります。
そのような時にスモールビジネス向けの融資を活用することで、スムーズに事業をはじめられるでしょう。

ただし、いくら少額の融資だったとしても審査に通らなくては意味がありません。
融資を受けたい場合は事業計画書を作成するなど、しっかりと準備を整えてから依頼することが大切です。

創業手帳では、融資での審査通過のコツや融資タイミングなどをまとめた『融資ガイド』を無料公開中です。こちらもあわせて是非お読みください。


関連記事
法人の創業で使える融資とは?公庫融資や制度融資を徹底解説!
中小企業向けのネット融資とは?注目されている理由やサービス提供元などをご紹介!

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す