注目のスタートアップ

ダイヤモンド半導体の社会実装を目指す「大熊ダイヤモンドデバイス」が3.3億円調達

company

2024年2月15日、大熊ダイヤモンドデバイス株式会社は、総額3億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

大熊ダイヤモンドデバイスは、ダイヤモンド半導体を開発するスタートアップです。

福島第一原発での事故の後、高温・高放射線環境に耐えられるダイヤモンド半導体へのニーズが高まり、大熊ダイヤモンドデバイスの取締役である金子純一氏を筆頭に国内の研究機関が研究開発に取り組んできました。

10年超に及ぶ研究を経て、ダイヤモンド半導体の商用化のため、2022年3月に大熊ダイヤモンドデバイスが立ち上げられました。

今回の資金は、さらなる研究開発の加速、人材採用の加速に充当します。


半導体は、電気を通す導体と電気をほとんど通さない絶縁体の中間の物質です。ほとんどの電子部品に利用されており、デジタル化が進む現代において重要な製品のひとつです。

半導体の材料にはシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などがあります。とくにシリコンは、他の素材と比べて利用されている歴史が長く、さまざまな電子部品に利用されています。

現代では、電子機器の高度化などによって半導体に求められる水準が向上しています。こうした背景から、シリコン以外の材料を用いた次世代半導体の実用化が進められています。

ダイヤモンドは近年実用化が進む半導体材料と比べ、絶縁体圧や熱伝導率といった物理特性において遥かに優れており、究極の半導体をつくることができると考えられています。また、ほかの半導体に比べて耐久性が高いため、宇宙などの過酷な環境にも耐えられるという特性があります。

一方で、ダイヤモンド半導体の研究開発は世界的に難航し、実用化は技術的に不可能であるとさえいわれたこともあります。

しかし、日本の研究グループは、1980年代にガス原料を用いた気相成長法によるダイヤモンド合成に成功し、そこからダイヤモンド半導体実現に向けた基礎技術の研究開発を続けてきました。

そして、福島第一原発事故によりダイヤモンド半導体へのニーズが高まり、国家プロジェクトとしてさらに研究開発が進みました。そして2022年3月に創業した大熊ダイヤモンドデバイスは、ダイヤモンド半導体の商用化に近いチームとして事業を進めています。

研究開発には多くの資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ダイヤモンド半導体 北海道大学 半導体 大熊ダイヤモンドデバイス 株式会社 産業技術総合研究所 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

マインドフルネスで人的資本経営を支援する「Melon」が1.2億円調達
2024年1月16日、株式会社Melonは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Melonは、マインドフルネスのオンラインサービス「MELONオンライン」や、マインドフルネ…
医師向け臨床支援アプリを提供する「HOKUTO」が9億円調達
2024年3月5日、株式会社HOKUTOは、総額9億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HOKUTOは、医師向け臨床支援アプリ「HOKUTO」を開発・提供しています。 メディアとツールを融合さ…
ホットチェーン弁当自動販売機サービス「和田弁当」を展開する「Kamakura Foods Limited」とグループ企業「和田フードテック」が4億円調達
2023年9月13日、Kamakura Foods Limited(本社:香港・Cyberport)と同社グループ企業である和田フードテック株会社は、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。…
結婚式場探しサービス「トキハナ」などを運営する「リクシィ」がフォトブック事業を展開する「アスカネット」と資本業務提携
2022年12月16日、株式会社リクシィは、株式会社アスカネットと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 リクシィは、結婚式業探しサービス「トキハナ」や、LINE活用をベースにしたtoC営業…
クラウド人材管理システム提供の「HRBrain」が13億円調達
2020年12月4日、株式会社HRBrainは、10億円の第三者割当増資と、3億円のデット・ファイナンスを合わせ、最大で13億円の資金調達が決定したことを発表しました。 クラウド人材管理システム「HR…

大久保の視点

ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】