注目のスタートアップ

行動変容AI「ナッジAI」を活用したさまざまなソリューションを開発・提供する「Godot」が4.5億円調達

company

2023年6月30日、株式会社Godotは、総額4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Godotは、独自開発の行動変容AI「ナッジAI」を活用し、市民のがん検診や特定健診の受診率向上や、SMSと組み合わせた地方自治体向けソリューション「BetterMe」の開発・提供などを手がけています。

「BetterMe」は、健康診断、予防接種、マイナンバーカード取得、納税など、自治体が市民に送るお知らせ・通知を、より確実に市民に届け、その後の行動につなげるプロダクトです。

行動科学に基づいたより効果的なメッセージを、ハガキではなくSMSを利用して通知することで、市民の行動を促します。また、SMSで送ることで、開かれたか・読まれたか・行動につながったかを把握します。

今回の資金調達により、これまでの文字情報を中心としたAIによるコミュニケーション設計から、個々人の感性に働きかけるマルチモーダルAIによるサービス開発への進化を目指します。


行動科学や行動経済学には「ナッジ」という概念があります。ナッジ(Nudge)とは、英語で「(肘で)軽くつつく」「行動をそっと動かす」といった意味を持ちます。

行動科学では、行動を強制したり、経済的な利益を与えたりすることなく、人の行動変容を促すアプローチのことを指します。

たとえば、男性用の小便器にハエの絵を描くことで周囲が汚れることが少なくなった、という事例が有名です。

ほかにも、東京都八王子市のがん検診の案内では、「今年度、大腸がん検診を受診された方には、来年度『大腸がん検査キット』をご自宅へお送りします。」という利得を軸とした文言と、「今年度、大腸がん検診を受診されないと、来年度、ご自宅へ『大腸がん検査キット』をお送りすることができません。」という損失を軸とした文言で受診勧奨した場合、後者の「損失」を強調するほうが受診率が向上したという事例もあります。

このようにナッジは政策においても活用できることが知られ、今後幅広い場面で応用されることが期待されています。

Godotは、こうした行動科学とAIによる個別化エンジン「ナッジAI」により、人の行動変容を促すサービスやコミュニケーションの実現を支援しています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI BetterMe Godot GovTech SMS コミュニケーション ナッジAI メッセージ 意思決定 株式会社 自治体 行動 行動変容 行動科学 認知 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

CBD商事の「ウェルシー」が4,100万円調達
2022年9月30日、ウェルシー株式会社は、総額4,100万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ウェルシーは、国内外大手CBDメーカーと8ブランド提携し、百貨店や、美容室、大手卸売会社などにC…
香川・岡山でメディア事業などを展開する「瀬戸内サニー」が資金調達
2023年1月11日、瀬戸内サニー株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 代表取締役である大崎龍史氏は香川県高松市を拠点に、YouTuber瀬戸内サニーとして活動しています。 YouTub…
バーチャルオフィスやオンラインイベントに活用できるバーチャル空間提供の「oVice」が1.5億円調達
2021年5月11日、oVice株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供しています。 見下ろし型の平面の空間にア…
外国人材向けオンライン学習・キャリア支援サービス提供の「Linc」が8,000万円調達
2020年4月27日、株式会社Lincは、総額8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 中国人向け進学Eラーニング・サービス「LincStudy」や、優秀層のインバウンド・タレントに特化…
量子コンピューター向けのアルゴリズムやソフトウェアを開発する「QunaSys」が17億円調達
2024年11月1日、株式会社QunaSysは、総額17億円の資金調達を実施したことを発表しました。 QunaSysは、企業・研究機関と協働し、量子コンピューターの産業応用を推進しています。 共同研究…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集