フリーランスの仕事ってどう?職種や仕事内容をまとめました
フリーランスになることも未来の仕事の選択肢に加えよう
フリーランスは、会社や組織に属することなく個人で仕事をする働き方です。
働き方や価値観の変化により、フリーランスになることを選択する人も増えています。
しかし、会社員からフリーランスになることに不安を持つ人も少なくないのではないでしょうか。
どのようにしてフリーランスになればいいのか、どういった業種が選べるのかなど、フリーランスとしての仕事についてまとめました。
これからのキャリアパスを考える上で参考にしてください。
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この記事の目次
フリーランスで働く選択肢を考えよう
「フリーランスで働くと収入はどうなるのか」、「フリーランスなら得意分野を伸ばしてもっと仕事の幅が広がるのに」。
企業で働いている時、そのように考えたことはないでしょうか。
フリーランスの働き方に興味はあっても、具体的にどのように働くのか、フリーランスになることで不利益はないのかと気になる人も多いかもしれません。
はじめに、フリーランスの概要を紹介します。
フリーランスとは
フリーランスは、会社や組織と雇用契約を結ぶことなく、個人として働く人を指す言葉です。
例えば、今まで企業に勤めていた人が、退職してから独立して個人で仕事を受注する場合も「フリーランス」に該当します。
会社や組織に雇用されて働く場合には、雇用契約で定めた給与が支払われます。
一方で、フリーランスになった場合には、基本的に案件ごとに報酬が発生する仕組みです。
つまり、働けば働くほど収入が増えるものの仕事がなければ収入も発生しません。
フリーランスは、自分の価値観や予定に合わせて働き方を変えられる点も特徴です。
例えば、制作したものを納品する仕事の場合、納品すること以外の問題がなければいつどこで働くかは自由です。
同じフリーランスであっても、働き方も人それぞれです。
フリーランスが増えている背景
フリーランスとして働く選択肢は、決して珍しいものではありません。
クラウドソーシングサービスの「ランサーズ」が実施した「フリーランス実態調査2021-2022年版」によると、フリーランス人口と経済規模は増加傾向にあります。
調査を開始した2015年と比較すると、フリーランス人口は640万人増加、経済規模は9.2兆円増加しました。
フリーランスが増加した背景としては、価値観の変化やフリーランス向けのサービス拡充、企業による副業解禁、DX化によるIT人材への需要増などが考えられます。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により在宅での働き方も以前より一般化しました。
より自由な働き方や収入アップを目指してフリーランスを目指す流れは今後も続くと想定されます。
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと同じように使われるものに、個人事業主もあります。
個人事業主は、個人で事業を営む人を指す言葉です。
会社や組織で雇用されることはなく、法人を設立することもない働き方を個人事業主と呼びます。
フリーランスも個人事業主も同じ意味に感じられるかもしれません。
ただし、個人事業主は税務上の所得区分で使われる言葉で、フリーランスは主に働き方を指して使われます。
多くの文脈では、フリーランスといっても個人事業主といっても問題ありません。
しかし、フリーランスは、個人で仕事をする働き方を指しますが、個人事業主という場合には税務署に開業届を出して事業を営んでいる人のことを指します。
フリーランスになれば自動的に個人事業主になるわけではないので注意してください。
未経験からでもフリーランスになれる?
フリーランスは、自身のスキルや知識を提供して対価として報酬を受け取る働き方をいいます。
フリーランスという用語自体は特定の業態や職業を指すものでもなく、明確な定義はありません。
そのため、働く場所や働き方を自由に選ぶことができ、方法やアイデア次第で大きく稼げる点も魅力です。
フリーランスになるには、特別な資格や経験は必要ありません。
報酬を得られるスキルなどがあれば、すぐにでもフリーランスになれます。
ただし、フリーランスは大きく稼ぐチャンスがありますが、仕事を受注できなければ収入は得られない点に注意が必要です。
会社に勤務している場合であれば、研修を受けたり、与えられた仕事を遂行したりすれば雇用契約で規定されている額を収入として受け取れます。
しかし、フリーランスは収入を得るために自分で条件に合う仕事を探したり、交渉をしたりする必要があります。
さらに、会社員の場合は雇用後に研修があり、戦力として育成していくこともあるでしょう。
しかし、フリーランスの場合には、契約相手となる取引先やクライアントからはプロとして即戦力が求められます。
まったくの未経験でもフリーランスにはなれますが、必要に応じて専門知識やスキル、経験を積むために、まずは会社や組織で働くことも有効です。
フリーランスに向いている人とそうでない人の違いは?
フリーランスになり、以前よりも働きやすくなった、収入が増えたと喜ぶ人がいる一方で、残念ながらフリーランスには向いていなかった、後悔しているといった声も聞かれます。
フリーランスとしての働き方には多くの魅力がありますが、残念ながら向き不向きもあります。
フリーランスになる前に、自分にフリーランスが向いているか、向いていないかを考えてみてください。
フリーランスに向いている人
フリーランスは、仕事を受けるかどうか、いつどこで働くかまで自分で決めて責任を持ちます。
働き方によっては、日々違う職場に足を運ぶような働き方もあります。
数日から数カ月で働く場所が変わったり、複数の仕事場を行き来したりするケースもあり、そのたびに異なる人間関係やルールに困惑することもあるかもしれません。
そのため、フリーランスは変化を受け入れられる柔軟性があり、ひとりでもペースを守って働ける人に向いているといえます。
また、フリーランスは自由に働ける反面、仕事の計画や進め方も自分で考えることが必要です。
加えて、フリーランスで働いている場合、体調不良で働けなくなった時に代わりを務めてくれる人を自分で探さなければいけません。
体調不良やスケジュール管理のミスでクライアントからの信用を失ってしまうこともあります。
自己管理やスケジュール管理ができる人、信頼を得て仕事上のネットワークや人間関係を構築できる人がフリーランスに向いています。
フリーランスに向いていない人
フリーランスは基本的にサポートがなく、必要な仕事のすべてを自分で行います。
そのため、孤独が苦手な人や仕事の悩みを誰かに相談したい人には向いていないこともあります。
フリーランスは、大きく稼げるチャンスが多いものの、仕事が少なくなってしまえば収入も減少してしまう点にも注意が必要です。
そのため、安定した立場や収入を得たい、収入が減ることに不安がある人は向いていません。
フリーランスになるとスキルを活用した仕事だけでなく、交渉ごとや営業、マーケティングまですべてを自分で行います。
自分の仕事を管理できるだけでなく、自分で営業から意思決定まで責任感を持って遂行できない人は、フリーランスには適していないといえます。
フリーランス向きの職種紹介
IT技術の進歩や働き方改革の影響で、フリーランスも多様化しています。
資格や実務経験が必要な仕事もありますが、中には初心者が受け入れられやすい業種も少なくはありません。
フリーランスには、どのような仕事があるのか、どのようにして働くのかをまとめました。
ライター
資格なしでスタートできて、未経験からでも働きやすいのがライターの仕事です。
ライターの仕事における主な流れは、企業から依頼を受けてキャッチコピーや文章を作成し、締め切り日までに納品します。
ライターでの報酬は案件によって異なりますが、1文字1円というように文字数で計算されるか、または1記事○千円というように記事ごとに単価が決められているケースが一般的です。
ライターはコツコツと執筆し続けてクライアントから信頼されるようになれば、高単価の仕事も増えていきます。
コラムや専門的な文章、経済や医療といった得意分野で仕事を受けることもできます。
デザイナー
デザイナーも、いつでもどこでも働きやすくフリーランスが多い業種です。
グラフィックデザイナーや、Webデザイナー、UI・UXデザイナーなど、同じデザイナーでも細分化されています。
デザイナーの仕事は案件ごとに報酬が発生するタイプと、グラフィックやサイト改善を担当する常駐で報酬が支払われるタイプがあります。
フルリモートでの求人もあるので、在宅で働きたい人にも適した業種です。
デザイナーは、プログラミングやデザインの知識も求められるため、企業に勤めた後に独立するケースやスクールで勉強してからフリーランスになるケースが一般的です。
デザイナーに必要な知識はすべて独学で勉強することも可能ですが、実績を証明するためにはポートフォリオやSNSでの発信も積極的に行うとより効果があります。
エンジニア
フリーランスのエンジニアは、需要も高く、年収も高い傾向があるため、人気の業種です。
将来的にIT人材が不足するとの指摘もあるため、安定して働きたい人にもおすすめできます。
エンジニアは、クライアントからヒアリングしてニーズに合ったシステムの企画や設計、作動テストなどに関わります。
エンジニアによって得意分野はありますが、フリーランスであれば専門外の仕事を避けて働くことも可能です。
ただし、企業によって違いはあるものの、予算配分やチーム管理といったマネジメントスキルが要求される場面もあります。
新しい案件に関わったり、スキルアップしたりすることで収入アップも目指せます。
エンジニアのスキルは独学でも勉強できますが、技術職であり、実際に仕事を受注して生計を立てるには実績や経験が求められることが大半です。
スクールなどで勉強するか、企業でスキルを身につけてからフリーランスとして独立するのが一般的です。
プログラマー
プログラマーは、プログラミング言語を使ってサイトやアプリ開発を行う仕事です。
プログラマーは、多くの企業で必要とされているものの、案件は難易度も様々です。
そのため、自分が働きやすい、自分の需要に適した案件を探すまでには苦労するかもしれません。
さらに、プログラマーは新しい言語を学習して知識をアップデートし続ける必要があります。
プログラミングは未経験からでも、スクールや企業に入社して学ぶことができます。
また、プログラミングは独学で勉強するためのアプリや動画も豊富にあるため、まずは無料のサービスを使って、自分に向いているかを確かめるのも良い手段のひとつです。
ショップ経営
時代の変化とともに、小売販売のスタイルも大きく変化しました。
インターネットで商品を売買するネットショップであれば、個人でも手軽にショップオーナーとしてフリーランスとして働けます。
ショップ経営で手掛けるのは、商品の発注・受注管理・顧客対応・梱包や配送といった小売販売に関わるすべての業務です。
また、店舗のサイト管理のほか、マーケティングや運営も自分で行います。
ショップ運営は、まったくの未経験からでもスタートできる業種です。
最低限のパソコンスキルのほか、写真撮影やサイト制作の知識があるとより開業がスムーズになります。
パソコンスキルやショップ運営に不安がある場合には、ネットショップ作成サービスも活用してみると良いかもしれません。
ショップ運営は、商品が大きくヒットしたり、うまくリピーターを作ったりできれば大きく稼げる仕事です。
また、ファッションやスポーツ、電子機器のように得意分野があれば、知識を活かした目利きで商品を仕入れたり、専門性が高いショップを作ったりといった戦略も可能です。
小規模からでもスタートできるので、会社勤めをしながら副業としてチャレンジしてみるのも良いでしょう。
フリーランスになる時の手続き
会社勤めからフリーランスになるには、手続きも必要です。
以下に、フリーランスになる時の手続きをまとめました。
開業届・青色申告承認申請書の提出
フリーランスになる手続きとして、個人として事業を開始したら開業届の提出が必要です。提出先は、納税地にある税務署です。
また、フリーランスになれば確定申告の手続きもすべて自分で行います。
税金の優遇措置が受けられて節税効果が高い青色申告を選ぶには、「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
「青色申告承認申請書」は、開業してから2カ月以内に税務署に提出してください。
2カ月を過ぎてしまうと、その年の青色申告はできなくなり、白色申告しか選択できなくなります。
可能であれば、開業届を提出するタイミングで一緒に「青色申告承認申請書」を出すことをおすすめします。
健康保険と年金の切り替え
会社員として働いている場合、会社の健康保険と厚生年金に加入します。
しかし、フリーランスになれば被保険者資格を失うため、健康保険と年金の切り替えが必要です。
健康保険の場合には、国民健康保険に切り替えるか、会社の健康保険を任意継続するかの選択肢があります。
会社の健康保険を継続する場合、加入できる期間は退職日の翌日から2年間です。
年金の場合には、国民年金の手続きを行います。
住んでいる市区町村役場や年金事務所で手続きを進めてください。
まとめ
フリーランスは、会社や組織を離れて自分のスキルや経験を武器にする働き方です。
収入アップを目指したい人や自分のペースで働きたい人にもフリーランスは向いています。
しかし、フリーランスの業種によっては経験や専門知識を求められるものもあります。
将来的にフリーランスを目指すとしても、いきなり未経験からフリーランスになるのではなく、まずは副業として個人で働いてみることも良い方法です。
(編集:創業手帳編集部)