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2022年10月29日植物肉「ミラクルミート」を開発・製造する「DAIZ」が「クールジャパン機構」から20億円調達 海外展開加速へ

2022年10月28日、DAIZ株式会社は、官民ファンドの株式会社海外需要開拓支援機構から、20億円の資金調達を実施したことを発表しました。
DAIZは、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造しています。
大豆の発芽という生理現象を応用した技術により旨味や栄養価を増大させ、余分な添加物や加工助剤を使用せずに、肉に近い食感・風味を実現しています。
また、2021年5月には米国・ボストンに子会社を設立し、北米市場のマーケティングや、営業活動、研究開発を行っています。
アジア圏においては、2022年春にタイ向けに「ミラクルミート」を出荷し、現地企業による商品化・販売が開始されています。
今回のクールジャパン機構からの資金調達により、海外展開をさらに加速させます。
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世界的な人口の増加により、早くて2030年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れ始めると予想されています。これをタンパク質危機と呼びます。
現在、タンパク質としては牛肉や豚肉などの畜産物が主流ですが、既存の畜産の仕組みはさまざまな課題を抱えています。
たとえば、ウシやブタを育てるためには大量の穀物が必要となりますが、これ以上飼料となる穀物を生産するための農地を確保することが難しくなっています。
また、ウシ・ブタはタンパク質の変換効率が悪く、飼料として与えている穀物を人間が直接食べるようになれば、世界の飢餓問題が解決されるともいわれています。
さらに、ウシはげっぷによって温室効果ガスとして知られるメタンガスを大量に排出します。米国では排出するメタンガスの約25%がウシによるものと推定されています。
畜産の上記のような課題を解決し、新たなタンパク質を安定的に供給するため、植物を利用した代替肉(植物肉)や、昆虫、藻類などが注目されています。
とくに植物由来の原料を食肉のように加工した植物肉は、世界各国で開発・普及が進んでおり、すでにユニコーン企業や上場企業が誕生しています。
一方で、植物肉は肉としての食味を再現するため添加物を入れているものが目立ちます。そのため植物を原料としているにもかかわらず健康に悪いといわれることもあります。
DAIZが開発する「ミラクルミート」は、発芽大豆を利用することにより、添加物不要で肉のような弾力と食感を再現していることを特徴としています。
また大豆は、アメリカでは搾油用・飼料用・輸出用として栽培されており、ヨーロッパでは環境の問題から育ちにくく、大豆を食べる・加工するという知見があまりありません。
そのため大豆は植物肉の領域で死角となっており、これがDIAZにとって大きな優位性となっています。
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