注目のスタートアップ

服から服・ボトルからボトルへとリサイクルする「JEPLAN」が24.4億円調達

company

2022年9月7日、株式会社JEPLANは、総額約24億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

JEPLANは、衣類を回収してリサイクルして新たな衣類をつくる「BRING」、ユニフォームをリサイクルする「BRING UNIFORM」、プラスチック製品を回収して新たなプラスチック製品をつくる「BRING PLA-PLUS」を展開しています。

JEPLANは、独自のケミカルリサイクル(化学的再生法)技術である「BRING Technology」を保有しています。

「BRING Technology」は、新品と同等の品質の再生樹脂を製造できること、モノマー(BHET)を抽出し不純物を取り除けること、既存のPET重合設備に連結し再生樹脂工場として稼働可能なことなどを特徴としています。

とくに不純物を取り除くことに強みを持っており、水平リサイクルが難しい汚れたペットボトルなどでも、品質の劣化がほとんどなく何度もリサイクルできることを特徴としています。

リサイクルは主に、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して発電などに利用する「サーマルリサイクル」、廃棄物を新たな製品の原料として再利用する「マテリアルリサイクル」、廃棄物を化学合成により他の物質に変え、それを原料として新たな製品をつくる「ケミカルリサイクル」の3つの手法があります。

国内では、捨てられるプラスチックのうち、全体の58%がサーマルリサイクルによって処理されています。

このサーマルリサイクルは廃棄物の有効利用ではあるものの、二度と再利用できなくなってしまうこと、CO2を排出してしまうことなどの問題があります。このことから欧米ではリサイクルとしては認識されていません。

マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルはサーマルリサイクルよりも優れた廃棄物の有効利用方法ではありますが、これらのリサイクルを実施するには、廃棄されたプラスチックを分別・選別する必要があります。

国内では廃棄物の分別・選別の取り組みが進んでいないため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルがあまり実施されていません。

さらに、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルは技術的・コスト的な課題も抱えています。

たとえばケミカルリサイクルは設備投資に多大なコストがかかることや、化学的な工程で電力などのエネルギーを多く利用しなくてはならないことが課題です。

ケミカルリサイクルはすでに利用した資源を再度資源として利用できるようにするため、真の資源循環を実現する技術であるといわれています。今後、持続可能な循環型社会を実現するには必要な技術であるため、世界中で研究開発が推進されています。

新たな技術の開発には豊富な資金が必要となります。近年は実用化に時間がかかるものの、大きな変革をもたらす技術に対しても投資家の目が向けられるようになってきています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BRING BRING Technology JEPLAN ケミカル ケミカルリサイクル サーキュラーエコノミー プラスチック リサイクル 再生 化学 回収 工場 技術 株式会社 衣類 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

高齢者施設見守りSaaSを提供する「エコナビスタ」が通貨処理機の「グローリー」と資本業務提携
2022年8月2日、エコナビスタ株式会社は、グローリー株式会社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 エコナビスタは、センサーを活用したSaaS型高齢者施設見守りシステム「ライフリズムナビ…
心臓再生医療の「メトセラ」が14.2億円調達
2022年6月28日、株式会社メトセラは、総額14億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 メトセラは、心不全向けの新しい再生医療等製品をできるだけ安価に提供することを目的に研究開発を…
高校新卒の求人サイト「ジョブドラフト」運営などの「ジンジブ」が1.8億円調達
2020年4月2日、株式会社ジンジブは、総額1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 高校新卒の求人サイト「ジョブドラフト」の運営や、合同企業説明会イベントなどの運営により、企業向け…
自動運転大型トラックソリューションを開発する「ロボトラック」が3億円調達
2025年3月31日、株式会社ロボトラックは、総額3億円の資金調達を発表しました。 ロボトラックは、2021年に自動運転企業として米国で上場し、自動運転トラックの世界初の完全無人走行テストに成功したT…
高機能な導電性繊維「LEAD SKIN」を開発・製造する「エーアイシルク」が3.2億円調達
2023年5月15日、エーアイシルク株式会社は、総額3億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エーアイシルクは、高機能な導電性繊維「LEAD SKIN」を開発・製造する東北大学発スタ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集