注目のスタートアップ

木質バイオマス発電所を開発・運営する「フォレストエナジー」が14億円調達

company

2022年5月17日、フォレストエナジー株式会社は、総額14億円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、引受先の1社である東京センチュリー株式会社とは資本業務提携契約を締結しています。

フォレストエナジーは、バイオマス資源を燃料とする木質バイオマス発電所を開発・運営しています。

これまでに、秋田県秋田市、和歌山県新宮市、宮崎県児湯郡川南町の3カ所で木質バイオマス発電事業を実現しています。

また、分散型電源として木質バイオマス発電を構築する場合、燃料となる木質バイオマスを地産地消型とすることが重要です。

現在フォレストエナジーは、地産地消型の木質バイオマス発電を秋田県と宮崎県で設立した実績をもとに、中山間地域における熱電併給型(CHP)の発電所の普及に取り組んでいます。

2021年に和歌山県新宮市で1,760kWのCHPプラントを稼働させており、2022年7月には島根県津和野町で480kWのCHPプラントが稼働する予定です。

今回の資金は、さらに多くの地域に地産地消型のCHPを導入するための取り組み、副産物であるバイオ炭(木炭)を農地等に施用する炭素貯留技術の開発の加速などに充当します。

バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源のことで、木材のバイオマスを木質バイオマスと呼びます。

木質バイオマスは、製材端材や建築廃材などの廃棄物などから生産される木質チップ(木材チップ)や、伐採や造材の際に発生する枝・葉など様々な種類があります。

国産木材を活用した木質バイオマス発電と熱利用は、エネルギー自給率の向上、災害時のリスク低減、森林整備・林業活性化による地域への波及効果など様々なメリットをもたらします。

一方で、木質バイオマス発電は、太陽光や風力よりもコストの高い発電方法であるため、再生可能エネルギーとしては競争力の低い発電方法です。

しかし、電力だけでなく熱も利用可能な熱電併給(CHP)であれば、小中規模でも経済性を高められる可能性があります。

具体的には、木質バイオマス発電所が出す熱を隣接するきのこ生産施設に供給するといった取り組みが行われています。

また、外国から安い木材が輸入されるようになり、国産の木材が使われることが少なくなり、森林保全のために間伐し、未利用となっている間伐材があるため、この間伐材を活用するといったことも行われています。

研究開発には豊富な資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CHP エネルギー バイオマス フォレストエナジー 再生可能エネルギー 分散型電源 木質バイオマス発電 発電 発電所
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

2023年度第2回「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」(新エネ中小・スタートアップ支援制度)
2023年9月6日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2023年度第2回「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」(新エネ中小・スタートアップ支援制…
ゼオライト触媒技術の実用化を目指す「iPEACE223」が3億円調達
2025年6月11日、iPEACE223株式会社は、約3億円の資金調達を発表しました。 iPEACE223は、エチレンからプロピレン製造が可能なゼオライト触媒技術の実用化に向けて、バイオエタノールから…
風況観測・シミュレーション・解析事業展開の「レラテック」が資金調達
2021年11月24日、レラテック株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 風況観測、風況シミュレーション、風況解析事業を展開しています。 風況観測事業では、風力発電事業において必要となる風…
新たな完全栄養食「おにもち」を手がける「vitom」が2000万円調達
2024年11月1日、株式会社vitomは、2000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 vitomは、完全栄養食「おにもち」を開発・販売しています。 おにぎりと餅をかけ合わせた完全栄養食です…
再生可能エネルギー発電事業に取り組む「アスソラ」が6.3億円調達
2025年4月16日、株式会社アスソラは、総額6億3000万円の資金調達を発表しました。 アスソラは、コーポレートPPAによる再生可能エネルギー発電の開発に取り組んでいます。 2025年1月に、第1号…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集