注目のスタートアップ

卵子凍結サービス「Grace Bank」などを提供する「グレイスグループ」が2.8億円調達

company

2022年4月1日、株式会社グレイスグループは、総額約2億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

グレイスグループは、卵子凍結サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」や、女性特有の悩みを医師・看護師に相談できるオンラインカウンセリングサービス「Grace Online(グレイスオンライン)」、生殖医療・婦人科クリニック「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」(2022年4月15日オープン予定)を展開しています。

「Grace Bank」は、全国のクリニックのネットワークと、24時間監視の安全・安心・安価な保管体制により、卵子凍結保存を提供するサービスです。

今回の資金は、さらなるサービス内容の向上などに充当されます。

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年)には、不妊についての心配と治療経験のデータが掲載されています。

この調査によると、不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は35.0%で、子どものいない夫婦では55.2%となっています。また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体で18.2%で、子どものいない夫婦では28.2%となっています。

日本は少子化が大きな課題となっていますが、以上のデータから不妊に悩む人も相当数存在していることがわかります。そのため、不妊に関する支援体制の充実が必要であると考えられます。

不妊治療では体外受精という手法があります。日本は体外受精の実施件数については世界1位であり、2019年は14人に1人(約6万人)が体外受精で誕生しています。一方で、体外受精の実施件数が2位のアメリカと比べると、体外受精の成功率が低いことが課題となっています。

日本での体外受精は公的医療保険の適用外であり、国の調査では1回あたりの費用が約50万円ほどとなっています。また、体外受精に関する認知度も低く、比較的若いうちから取り組んだほうが成功率が高いということもあまり知られていません。

体外受精では凍結保存した卵子を使用することもできます。若い卵子のほうが出産率が高いというデータがあるため、体外受精においては若いうちに卵子を採取・保存しておき、妊娠したいタイミングで体外受精を行うという方法が考えられます。

グレイスグループは卵子凍結サービス「Grace Bank」とクリニックの運営により、国内において卵子凍結という選択肢を広げることを目指しています。

医療や農業など、様々な社会課題が喫緊の問題として迫ってきていますが、AIなどの最新技術の進展や、スマートフォンの普及により、アイデア次第で社会課題を解決できる状況となっています。「冊子版創業手帳」では、社会課題をビジネスで解決することを目指す起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考や手法を知ることは、新たなビジネスの創造に役立つでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Grace Bank Grace Online クリニック グレイスオンライン グレイスグループ グレイスバンク グレイス杉山クリニックSHIBUYA 不妊 不妊治療 医療 卵子 卵子凍結保存 女性 妊娠 株式会社 生殖医療 資金調達
創業手帳woman
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ウェアラブル心電計を活用したヘルスケアサービスを展開する「ココロミル」に「メディネット」が出資
2023年9月4日、株式会社メディネットは、株式会社ココロミルに出資を行うことを決定したことを発表しました。 ココロミルは、高精度なウェアラブル心電計を活用し、不整脈、睡眠時無呼吸症候群 (SAS)、…
完全個室美容モール「THE SALONS」を運営する「The Salons Japan」が資金調達
2024年6月27日、The Salons Japan株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 The Salons Japanは、完全個室美容モール「THE SALONS」を運営しています…
スマートゴミ箱「SmaGO」を手がける「フォーステック」と「BIPROGY」が業務提携 BIPROGYグループの「Emellience Partners」から資金調達
2023年7月12日、株式会社フォーステックは、BIPROGY株式会社と業務提携契約を締結したことを発表しました。 また、それに先立ち、BIPROGYグループのEmellience Partners株…
かんたんシフト管理SaaS「らくしふ」提供の「クロスビット」が「Salesforce Ventures」と資本提携
2020年12月17日、株式会社クロスビットは、米国salesforce.com, Inc.の戦略投資部門である、Salesforce Venturesと資本提携を結び、資金調達を実施したことを発表し…
専門医による遠隔集中治療ソリューション提供の「T-ICU」が1.53億円調達
2021年1月5日、株式会社T-ICUは、総額1億5,300万円の資金調達を実施したことを発表しました。 遠隔ICU(集中治療室)システムを提供しています。具体的には以下のサービスを提供しています。 …

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集