システム開発を依頼したい!依頼する際の流れや注意点を解説

創業手帳

システム開発を外部へ依頼する前に工程やポイントを押さえておこう


「業務の効率化を図りたい」「事業で新たなサービスを展開したい」などを理由に、システムの開発・導入を検討する企業は多いです。
自社でシステムを開発することも可能ですが、環境を整えるまでに時間がかかってしまいます。
システム開発を外部へ依頼したい場合、どのような方法で依頼先を見つければ良いか知りたい方は多くいるかもしれません。

そこで今回は、システム開発の依頼先を見つける方法からシステム開発を依頼する際の流れ、依頼時に注意すべきことまで詳しくご紹介します。
システム開発の依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

システム開発はどこに依頼するのがいい?


システム開発を依頼するといっても、そもそもどこに依頼先がどこになるのか知らない方もいるはずです。ここでは、システム開発の依頼先についてご紹介します。

システム開発を手掛ける企業

まず依頼先の候補として挙げられるのが、システム開発を手掛ける企業です。
システム開発会社に依頼すると、複数のエンジニアによって構成されたチームで開発を進めてくれます。
大規模開発にも対応でき、一定のクオリティが担保されているというメリットもあります。
また、契約書を交わした上で作業をすることになるため、トラブルが起きにくいといった安心感もあります。

ただし、組織でシステム開発を担うことから費用相場は高くなりがちです。
依頼する内容にもよりますが、開発だけでなく運用も依頼する場合だとランニングコストも発生してきます。
さらに、システム開発会社では慢性的な人手不足に陥っている企業も少なくありません。そのため、場合によっては納期が遅れてしまう可能性もあります。

フリーランス

システム開発会社などの組織には属さず、個人で仕事を請け負っているのがフリーランスです。
フリーランスにシステム開発を依頼するメリットとして、開発にかかるコストを抑えやすい点が挙げられます。
システム開発会社に依頼すると担当する人数が増える分、人件費もかかってしまいますが、フリーランスであれば人件費は1人分しか発生しないためコストを抑えられます。
また、人によっては企業に任せるよりもコミュニケーションが取りやすい点がメリットになります。すでに進めているプロジェクトの戦力を補いたい場合などにもおすすめです。

デメリットとして、1人で開発を進めることになるため、例えば病気やケガなどをしてしまうと開発が進まなくなってしまうことが挙げられます。
また、ディレクターなどを介さず直接やり取りをすることになるため、発注者側におけるディレクションの負担が増えてしまう点もデメリットです。

システム開発の依頼先を見つける方法


システム開発の依頼先は、法人やフリーランスなどから選ぶことになります。自社に合った法人・フリーランスを見つけるための方法を知りたい方も多くいるかもしれません。
ここからは、依頼先を見つける方法について解説します。

システム開発に特化したマッチングサイトを活用する

システム開発の依頼先を探すのにおすすめなのは、マッチングサイトの活用です。
システム開発に特化したマッチングサイトを活用すれば、開発を担う会社とつながることが可能です。
事前に依頼したい内容や予算、開発期間などをマッチングサイト側の担当者に相談しておくことで、希望の条件に見合った開発会社を探してくれます。

開発企業が参加する展示会に参加する

国内では様々なIT関連の展示会が開催されています。展示会に参加することで、直接システム開発会社の関係者とも話ができ、システム開発の依頼ができるようになります。
ただし、展示会では多くの企業が出展していることもあり、どこを選べばいいか迷ってしまうケースも少なくありません。
展示会が開催される前にあらかじめ目星をつけておき、気になる会社を中心に回ってみてください。

クラウドソーシングを活用する

フリーランスを見つけてシステム開発を依頼したい場合は、クラウドソーシングの活用がおすすめです。
クラウドソーシングとは、企業または個人が不特定多数の人に対して業務を依頼する形態を指します。
システム開発といっても、人材によってはWebシステムからアプリケーションまで、開発・保守・運用なども幅広く請け負ってもらえます。

クラウドソーシングにシステム開発を依頼する際、プロジェクト形式で発注するケースがほとんどです。
プロジェクト形式では発注者が業務の細かい内容や納期などを掲載し、受注希望者が制作にかかる時間や報酬などを提案します。
提案書を見比べた上で発注者は委託する人を選ぶという仕組みです。

知り合いに紹介してもらう

知り合いがすでにシステム開発を導入している場合、依頼先を紹介してもらうことも可能です。
知り合いからの伝手なら安心して依頼でき、探す手間やコストも削減できます。

注意点としては、いくら知り合いからの評判が良かったとしても、自社の案件と相性が良いとは限りません。
特に得意分野が異なる場合は後々トラブルにつながる可能性もあるため、知り合いから紹介してもらった場合でも、実績などは必ず確認しておくことが大切です。

システム開発を依頼する際の流れ


システム開発を依頼する場合、どのような流れ・工程で進めていくのか事前に把握しておくことも大切です。
ここでは、システム開発を依頼する際の流れについてご紹介していきます。

1.予算や目的などを明確化

システム開発を依頼する前に、まずは予算や目的などを改めて明確にしておくことが重要です。
予算はシステムの規模や利用する人数などによって大きく異なりますが、自社に特化したシステムを構築する場合には、50~100万円単位の予算は最低限用意しておく必要があります。

また、目的を明確にしておかないと、何を改善したいのかや、どこをゴールに設定すべきかが見えづらくなります。
具体的な目的があるとシステム開発を依頼された側にも要望が伝わりやすくなるため、予算や目的などは事前に明確化させるようにしてください。

2.RFP(提案依頼書)の作成

RFPとは、発注する企業が開発を担う企業またはフリーランスへ提出する依頼書です。RFPには開発の目的や予算、納期などを記載していきます。
RFPを作成しておくと要件が明確になり、自社がどのようなシステムを求めているのかも伝えやすくなります。
口頭でも伝えられますが、正しく伝わらない可能性もあるのでRFPを作成しておいたほうが安心です。

また、RFPを作成することで複数の企業に相見積もりを取る際、同じ条件で見積もりが取れるため比較しやすいというメリットもあります。

3.オリエンテーションの実施

オリエンテーションとは、システムを開発する側にRFPの内容について説明する場を指します。
オリエンテーションではシステム開発を手掛ける企業3~4社に集まってもらい、まとめて説明していきます。

各企業で打ち合わせを行った場合、システム開発会社の担当者によって打ち合わせ内容に差が出てしまう可能性もあります。
差が出ると比較もしにくくなってしまうため、相見積もりを取りたい場合はオリエンテーションを実施してください。

4.相見積もりを取って依頼先を決定

オリエンテーションを実施したら相見積もりを行い、慎重に比較検討していきます。比較する際はコスト面だけでなく、提案内容なども含めて検討しましょう。
コストを抑えられるのはもちろん良いことですが、金額ばかりを気にしてしまうとクオリティの低いシステムが完成してしまう恐れがあります。
相見積もりを取って比較する場合は、コスト以外にも目を向けるようにしてください。

5.要件定義の実行

要件定義とは、プロジェクトの開始前に必要な機能や希望する条件などを細かく定義していくことです。
発注する側が希望する条件は現実的に取り入れられるのか、実際にシステムへ取り入れる際にはどのような作業が必要か、などを明確にしていきます。
要件定義で決まった内容は、要件定義書にまとめていきます。要件定義書に記載する主な内容は以下のとおりです。

  • 目的
  • 導入環境
  • 現状の問題点
  • システムの概要や全体像
  • 機能要件(システムに求められる機能)
  • 非機能要件(機能以外に求められるパフォーマンスやセキュリティなどの機能)
  • 工数
  • 予算
  • 進行スケジュール
  • 担当メンバー
  • 連絡方法や報告の頻度 など

6.システム開発の実施

要件定義書がまとまったら、いよいよシステムの開発に移ります。
まずは要件定義の内容をもとにシステムの骨組みとして外部設計を行い、次に内部設計でシステムの内部やインフラなどの細かい部分を設計していきます。
外部と内部の設計が完了したら、次はシステム構築です。内部設計をもとにプログラミングを活用してシステムに必要なパーツをひとつずつ作成していきます。

7.テストの実施

プログラミングが完了したら、システムが正常に動作するかを試すためのテストを実施します。テストにも種類があり、段階的に行われていきます。

  • 単体テスト
  • 結合テスト
  • 総合テスト
  • 運用テスト

最初に行われるのが単体テストで、一つひとつのプログラムが正確に動作するかどうか確認していきます。
次に行われる結合テストは、分割したプログラムを複数組み合わせて正しく動作するかを確認するテストです。
総合テストでは実際の運用を想定し、システムの総合的な動作検証を行います。
最後の運用テストでは、実際にシステムを運用する環境でプログラムに不具合が生じないかをチェックします。

8.システムの納品

テストで問題が見られなければ納品となります。テストは開発した側が実施しているものの、自社でも問題なく動作するか検証しておくことが大切です。
また、運用時におけるマニュアルなどの内容にも不備がないかチェックしておいてください。
開発会社によって異なるものの、場合によってはマニュアルを用意するだけでなく、操作方法などの説明会や運用セミナーなどを実施してくれることもあります。

9.運用と保守・メンテナンス

システムを開発・導入した後も運用や保守・メンテナンスを行う必要があります。
いくら完成度が高く、最初は安定して動作していたシステムも、使い続けていけば大量のデータが蓄積されることで処理に時間がかかります。

また、利用する人数が増えてアクセスが集中し、動作が止まってしまうケースも少なくありません。
運用と保守・メンテナンスに関しては、開発とは別で費用がかかります。
運用と保守・メンテナンスを依頼するなら、同じシステム開発会社に依頼するのが基本です。

システム開発を依頼する際に注意すべきこと


システム開発の依頼で失敗しないためには、いくつか注意すべきポイントを押さえることも大切です。最後に、システム開発を依頼する際に注意すべきことを5つご紹介します。

目的を明確にする

システムを開発する際、最初に重要となってくるのが「目的を明確にすること」です。
システム開発の目的は各企業で異なり、例えば業務効率化や現状の課題解決、ユーザー体験の向上などが挙げられます。
目的を明確にしておかないと、結局システムを開発して何をしたいのか見えづらくなってしまうでしょう。

また、システムを開発する際は規模や必要な機能、技術の有無などで依頼する開発会社やフリーランスも変わってきます。
システム開発をスムーズに進めていくためにも、まずは目的を明確にすることが大切です。

依頼先に丸投げしない

システム開発について何もわからないからといって、依頼先に丸投げしないように気を付けてください。
すべて任せきりにしてしまうと、方向性が間違っていてもそのまま開発が進んでしまう可能性があります。

また、予算に関しても単に「安く抑えたい」と丸投げするのではなく、具体的に出せる金額や上限などを設けておくことが大切です。
特に上限は事前に伝えておかないと、想定以上に高騰する可能性もあるので注意してください。

費用対効果を検討する

システム開発を依頼する際にとにかく費用を抑えたいと考える方もいますが、費用だけを見るのではなく、費用対効果で考えることが大切です。
費用だけを見てしまうと、システムのクオリティや機能性が低下し、使い勝手の悪いシステムになる可能性もゼロではありません。
費用対効果を検討する際は、開発費用以外にシステムによって生み出される価値や持続性なども加味してください。

相性の良い事業者を見極める

システム開発を依頼する会社やフリーランスを選定する際は、自社との相性の良さもチェックしてみてください。
相性の良い事業者に依頼することで、要望どおりのシステムを開発してもらえる可能性が高まります。
相性の良い事業者かどうかを確かめるなら、まずはホームページで開発実績などを確認し、これまで自社が希望するシステムに似たものを開発していないか探してみてください。

また、開発会社の担当者との相性が悪いと、要望がきちんと伝わらない可能性もあるため、担当者と相性が良いかどうかも確認しておくと安心です。

設計書を細かくチェックする

要件定義が完了すると外部設計・内部設計へ移行しますが、その前に設計書の作成が行われます。
設計書は外部設計をまとめた基本設計書と、内部設計についてまとめた詳細設計書にわかれ、業務フローや機能との関連性などが細かく記載されています。
設計書のうち基本設計書は、発注した会社がシステムの開発に携われる最後の機会です。正確にチェックしておかないと希望どおりのシステムにならない可能性も出てきます。

このようなリスクを防ぐためにも設計書の内容は入念にチェックし、認識にズレが生じていないか確認することが大切です。

システム開発を依頼する時は丸投げせずに情報を共有することが大切!

システム開発をする際、外部へ依頼するメリットはたくさんあります。自社の目的や予算に見合った開発会社・フリーランスを探すことが重要となってきます。
また、依頼した後も丸投げにはせず、密にコミュニケーションを取って情報共有することが大切です。

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(編集:創業手帳編集部)

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