スタートアップ企業の求人方法とは?スタートアップ企業向けおすすめ求人サイト5選を紹介
スタートアップ企業の求人募集で知っておきたいポイント、求人サイトの選び方
スタートアップ企業が求人募集をする際には、大手企業や老舗企業とは違った準備や考え方が必要です。
スタートアップ企業の従業員採用は、単に人員を増やすためのものではありません。その企業で活躍し、ともに企業の成長を支えていく人材を厳選する必要があります。
スタートアップにおいて採用したい人物像や使いたい求人の方法などをまとめました。
どのようなメンバーを採用したら良いのか、どのようなサービスを使えば良いか押さえておきましょう。
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この記事の目次
スタートアップ企業の求人募集で起こる問題点
スタートアップ企業での求人募集では、大手企業をはじめ一般的な中小企業とは異なる問題点を抱えることがあります。
スタートアップだからこそ起こりやすい問題を理解した上で求人を募集してください。
大手よりも知名度が低く募集が難しい
スタートアップ企業は、大企業や老舗企業よりも知名度が低く、求職者の目にも留まりにくくなっています。
また、求職者にとって知名度の低い企業の求人は知名度の高い企業よりも安心感や魅力に欠けると感じられることも多いものです。
スタートアップ企業が求人募集を開始しても、思ったように応募人数が集まらない、スカウトなどでも興味を持ってもらえないといったことも起こりやすくなります。
そのため、少ない応募者数の中から選考しなければならなくなる事態も考えた上で人材戦略を立てるのが良いです。
採用ミスの悪影響が大きく響く
スタートアップ企業では、大企業よりも採用ミスの悪影響が大きくなりがちです。採用ミスによって資金面の圧迫や既存従業員の士気の低下を引き起こす恐れがあります。
スタートアップ企業では、少ないリソースで事業をしなければいけません。
資金に余裕のある企業とは違い、求人にかけられる費用も限られており、一度の失敗が資金面に大きなダメージを与えることもあります。
また、少ない人材で構成されているスタートアップ企業では、新入社員が与える影響も大きいものです。
採用ミスが起こることで、社員教育がうまく行かなくなる、風土とのミスマッチで既存従業員の反発や疲労などのリスクが高まるといったこともあります。
規模の小さい組織だからこそ、現場の負担は大きくなりがちです。
採用人事の専任担当を置きにくい
スタートアップ企業では大企業とは違って、採用人事に十分な人材を割くことも難しくなります。
求人採用では、広告や求人媒体利用、イベント出展など、様々な業務が必要です。
しかし、人員が不足しているスタートアップ企業では、専任担当者を置くことが難しく、本業の傍らでこれらの業務をこなすことも珍しくありません。
スタートアップ企業の求人募集で考えたいポイント
スタートアップ企業の求人では、大手企業や一般的な中小企業とは違った問題点をいくつか抱える場合があります。
そうした問題に悩まされることなく採用活動を実施するために、考えておきたいポイントを解説します。
求人が難しいスタートアップ企業も、適切な計画を立てることでより充実した採用活動ができるでしょう。
転職潜在層を狙う
スタートアップ企業の求人は、転職潜在層に狙いを付けてみると良い人材と効率よく出会える可能性が高まります。
転職顕在層は、獲得の競争率も高くなり、知名度の低いスタートアップにとって不利になりがちです。
しかし、まだ積極的な転職活動までは始めていない潜在層は大企業の目に留まっておらず、その中には、自分の力を新天地で発揮してみたいと考える高ポテンシャルの人材がいるかもしれません。
少子高齢化で労働人口は減り、優秀な人材は争奪戦が激しくなります。
そのため、スタートアップ企業は大企業と競わずに優秀な人材を探すため、求人のターゲットを変えることも必要です。
採用基準を明確に決める
スタートアップ企業が効率的に自社に必要な人材を採用するためには、求人募集を行う前に自社の採用基準を明確にし、どのような人材を欲しているか具体的かつ客観的に決めることが大切です。
採用基準を明確にすることで、感覚的、主観的な採用を回避し、入社後のミスマッチを防げます。
初めて求人を行うスタートアップ企業では、人材市場にどういった経歴やスキルの人がいるのか知ることから始めてください。
求人媒体に実在する求職者を見ることで、現実的な採用基準の感覚を養います。また、採用基準は求人を繰り返すうちに更新していくことも大切です。
採用後の成果や入社してからの印象の変化などを見直し、新たな採用基準を設けることで次の求人の成功につなげます。
スタートアップでは求人応募も少なく、十分な人材を集められないこともありますが、だからといって採用基準を妥協するのは避けてください。
採用基準を下げることで頭数を確保できても、自社で活躍できなければ意味がありません。
ブランディングを行う
知名度の低いスタートアップでは、企業のブランディングを行うことで競合他社との違いを打ち出し魅力を確立しておくことも大切です。
SNSでサービス内容や企業理念を発信するなど、転職顕在層以外にも幅広く認知してもらうアクションを実施する企業が増えています。
こうしたアクションはブランディング効果があり、求人募集を進めやすくします。
競合他社にはない自社だけの魅力をアピールすることで、求人応募や入社へのモチベーションを高めることが可能です。
知名度を高めるのにも役立ちますが、企業のビジョンを見せることで求職者の共感や仕事への期待を引き出す効果も期待できます。
スタートアップ企業が採用したい人材像
スタートアップ企業に向いている人材像を明らかにしておくことも、求人募集では大切です。人材の条件を絞り込むことで採用の失敗を避けやすくなります。
スタートアップ企業は、大企業や老舗企業とは違ったスキルや傾向を持つ人材が活躍できる場です。
自社を成長の場として生かし、最大限の成果をもたらす人材像を具体的に描き、自社にも新入社員にも納得できる採用を目指しましょう。
成長志向が強い
スタートアップ企業では、安定や現状維持ではなく成長する志向の強い人のほうが向いていると言われています。
絶えず変化を繰り返し、時には不安定に感じることもあるスタートアップ企業では、そうした環境を自分のものにして、自分で成長していける人が必要です。
現状に満足することなく、常に上を目指すためにスキルを磨ける人材であれば、スタートアップ企業の風土にもなじみます。
従業員同士、切磋琢磨し合い良い影響を与え合えるでしょう。
意思決定力がある
意思決定力も、スタートアップ企業の従業員に必要なスキルです。
スタートアップ企業では、自分で判断するシチュエーションも多くなるため、そうした状況下で適切かつ前向きな判断ができる人が活躍できます。
スタートアップ企業では、これまでの実績や過去の事例もない状態で判断が求められることも多くなります。
また、組織体制もまだ完全ではなく、大企業のように意思決定のシステムも確立されていない場合もあるようです。
スタートアップの人材には、そのような中でもライバル企業に先を越されないように決断して進む力が必要です。
会社のビジョンに共感できる
会社のビジョンに共感してもらえることは、スタートアップ企業では特に重要です。
企業規模などに関係なく共感は必要ですが、保証もサポートも大企業に劣るスタートアップ企業では、ビジョンへの共感をベースに従業員一人ひとりが前向きに働けることが特に大切です。
会社のビジョンに疑問を持っている状態では、不安定な環境で仕事へのモチベーションを維持することはできません。
不安定でも頑張れる、会社の仕事にやりがいを感じ続けるためには、根底に共感が必要不可欠です。
柔軟性がある
すべての組織やシステムが確立されており、それを踏襲するだけでも企業活動が進められる大企業と比較して、スタートアップ企業では変化や前例のないことが多くなります。
そうした環境に対応できるのは柔軟性のある人です。
スタートアップ企業では、流動性が高く、変化のスピードも速い労働環境に柔軟に対応できる人でないと生き残れません。
柔軟性のある人は、前例のない業務やトラブルでも柔軟に決断し、解決していけます。
また、入社後もすぐに新しい環境になじんで即戦力として活躍でき、新規プロジェクト立ち上げや異動の際にも無理なく対応していけるでしょう。
スタートアップ企業の求人サイトの選び方
スタートアップ企業が採用活動を進めるためには、求人媒体の選び方にも注意が必要です。
求人サイトや転職エージェントには様々なものがありますが、取り扱う求人ジャンルや媒体の傾向などによって向いていない企業もあります。
スタートアップ企業が限りあるリソースの中で少ないチャンスをものにして意義ある採用をするために、適切な求人サイトを選んでください。
スタートアップ企業が求人サイトを選ぶ際に意識しておきたい選び方のポイントを解説します。
スタートアップに特化したサイトを選ぶ
スタートアップ企業が求人募集を行うにあたっては、スタートアップに特化した求人サイトを探すことが必要です。
スタートアップ企業に特化したサイトであれば、スタートアップ企業に就職、転職したい求職者が集まり、効率的に人を集められます。
スタートアップ企業は魅力も多くやりがいもある現場ですが、多くの求職者にはそれが伝わらないことがあります。
そのため、一般的な求人サイトに登録しても、大企業や老舗企業の安定性や知名度の魅力に押されて、スタートアップ企業は注目されない場合もあるかもしれません。
しかし、スタートアップ企業に特化したサイトであれば、初めからスタートアップ企業に魅力を感じる求職者が集まります。
また、サイト内で大企業や老舗企業と比較されることもなく、ライバルを同じような境遇であるスタートアップ企業に絞ることもできます。
求職者の多いサイトを選ぶ
スタートアップ企業の求人には、求職者の多いサイトを選ぶことも大切です。
母数が大きくなることで、自社に興味を持ってくれる人もおのずと増え、多くの人を選考できるためです。
また、求職者が多いことで採用市場の現状を把握することもできます。
自社での求人が初めてのスタートアップ企業では、まずは採用基準を絞るために市場を理解することも大切です。
ヘッドハンティングやエージェント、転職イベントも重視
スタートアップ企業で求人するならば、求人サイトに掲載し、求職者がアクションを起こすのを待つだけでは足りません。
ヘッドハンティングやエージェントサービス、転職イベントなどのサービスにも目を向けてみると良いです。
求人サイトでもヘッドハンティングやエージェントサービスなどを併用できるものがあり、多くのサイトで転職イベントを実施しています。
スタートアップ企業はそれでなくても知名度や注目度が低いため、少しでもチャンスを増やすために自社から求職者へアプローチすることも必要です。
求人方法のバリエーションが豊富な求人媒体を選ぶことで、出会える求職者の範囲を広げてください。
スタートアップ企業に適した求人サイト5選
スタートアップ企業が利用したい求人サイトを厳選し、紹介します。スタートアップ企業の求人は、大企業や老舗企業とは違った点を重視して進めることが大切です。
スタートアップ企業が有利に使えるおすすめの求人サイトを利用して、効率的な採用を目指しましょう。
doda
doda(デューダ)は、転職者満足度No.1で利用者が多い求人サイトです。業界最大規模の会員数を誇り、利用できる求人サービスも豊富にそろっています。
求人広告などの情報サービスはもちろんのこと、ピンポイントに絞り込んだ求職者への直接のアプローチができるダイレクト・ソーシング、直接出会える転職フェアなど、自社に合った方法も探しやすくなります。
また、dodaは求職者用ページで転職サイトと転職エージェントを併用できるようになっており、求職者も様々な求人の探し方ができる仕組みです。
Justa
Justa(ジャスタ)は「スタートアップ特化型の求人プラットフォーム」と銘打つ求人サービスです。
求人企業はスタートアップ企業がそろい、スタートアップを目指す求職者が集まりやすくなっています。
スタートアップ企業を希望する求職者ばかりなので、マッチングもしやすく効率的な採用活動ができます。
大企業や老舗企業と比較されるリスクはありませんが、ライバルはすべて優秀なスタートアップ企業なので、自社とライバルとの差異化が必要です。
自社の魅力を打ち出せれば、スタートアップに向いた優秀な人材を得る良いプラットフォームとなるでしょう。
アマテラス
アマテラスは、「スタートアップにコアメンバーとして参画するための転職サイト」と掲げるサイトです。
Justaと同じく、スタートアップに特化したサービスとして、スタートアップを目指す求職者が集まりやすくなります。
アマテラスでは企業経営者と実際に面接し、厳選された企業のみを掲載しています。
そのため、求職者の信頼度は高くなりますが、自社がアマテラスの基準を満たすことが必要です。
DRIVEキャリア
DRIVEキャリアは、スタートアップに限らず、やりがいがあり、創造性の高い仕事を中心とした求人サイトです。
国内外の様々なジャンルの求人を扱い、NPOや非営利法人の求人も豊富に揃っています。利用者の半数は、社会課題解決への挑戦を求めるポテンシャルの高い若者です。
事業内容が合っていれば、やる気のある若手の応募者を効率よく集められます。
企業のビジョンややりがいをアピールし、同じ思いを持つ人材に注目してもらうことでミスマッチなく優秀な人材を獲得できる可能性があります。
ビズリーチ
ビズリーチは、管理職や専門職、リーダー人材やグローバルグロー人材などの即戦力でハイクラスな人材を扱う転職サイトです。
大手企業からスタートアップ、ベンチャー企業まで幅広い企業が利用しています。
ビズリーチでは、独自の審査を通過した人材のみが登録しているため、自社での選考の手間を減らせます。
また、求職者へのアプローチ方法としては、求人情報の掲載だけでなく、ヘッドハンティングも可能です。
無料会員と有料会員がおり、会員種別でより転職希望の強い人材を見極めることもできます。
求人サイト以外のスタートアップ企業の求人方法
スタートアップ企業の求人方法は、求人サイトだけではありません。
求人サイトはスタートアップス企業の採用活動を効率化するための方法のひとつですが、それ以外の方が向いている場合もあります。
スタートアップ企業の求人では、自社の特性や自社を取り巻く環境などを鑑み、より適した方法を選ぶことも大切です。
ダイレクトリクルーティング
企業側が直接(ダイレクトに)求職者へアプローチするのがダイレクトリクルーティングです。
ダイレクトリクルーティングは、対象者を絞ってアプローチできることや転職潜在層にもアプローチできることから、効率化を求めるスタートアップ企業ではよく活用されています。
ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、自社の思いを伝えるだけでなく、対象者の心理状態に留意して、関心を抱いてもらえるようにすることが大切です。
特に、対象者が積極的に転職を希望していない場合には、アピールしても振り向いてもらえないこともあります。
自社が対象者に入社してほしい具体的な理由や入社後の活躍イメージを伝え、前向きに検討しやすくすることが必要です。
リファラル採用
リファラル採用は、自社の従業員から人材を紹介してもらう採用方法です。手軽に実施できるだけでなく、採用候補となる人のスキルや実績なども見極めやすくなります。
コストも抑えられ、選考体制が確立されていないスタートアップ企業にも使いやすい採用方法です。
ただし、リファラル採用は紹介してくれる従業員頼みとなる部分が多く、人材の質も左右されます。また、母数も少ないため、多くの人材を集めたい場合には向いていません。
スタートアップ企業の求人募集の注意点
スタートアップ企業の求人募集では、いくつか注意したい点があります。求人の問題点とともに、求人募集を行う際には押さえておきたい点です。
実際に求人募集と採用面接が始まったら、以下の点に注意して進めてください。
キャリアとポテンシャルの差を見極める
スタートアップ企業の求人募集では、その人のキャリアと実際のポテンシャルとの差に注意が必要です。
入社後のミスマッチを防ぐためには、書類選考で得た情報を鵜呑みにすることなく、面接での質問やインターンシップの実施などで見極めるようにします。
風土や組織と本人との相性に注意
社内の風土や組織との求職者との相性にも注意が必要です。スキルや実績が十分にある場合でも、企業の風土と合わない人は長く活躍することは難しくなります。
企業のためにも求職者本人のためにも、今いる従業員と協力しながら自分の力を発揮できる人を雇用するようにします。
ただし、経営者や採用担当者個人との相性に左右されてはいけません。
客観的に相性を確認するために、自社の採用基準を設け、面接では相性を確認できる質問事項を準備しておくことが必要です。
自社の弱点や負の側面も伝える
スタートアップ企業の求人募集では、自社の弱点や負の部分も見せることが大切です。良いことばかりを伝える、誇張して伝えるのは、入社後のミスマッチの原因となります。
スタートアップ企業には応募が集まりにくいため、つい良いことばかり言いがちですが、長い目で見ると避けたほうが良いです。
まとめ
スタートアップ企業の求人は、応募が集まりにくく、効率的に進められないこともあります。良い人材に出会うためには、入念な準備と求人サービスの見極めが大切です。
大企業の求人採用とは異なる視点から採用基準を決め、自社にマッチした求人サービスで人材募集をしましょう。
少ないリソースで求人を成功させるには、自社を客観的に見直し、必要な人材が集まる場所で求人募集をすることが大切です。
(編集:創業手帳編集部)