現役のスタートアップ採用担当者が解説!初めての採用を成功させる秘訣

創業手帳

人事採用のプロに学ぶ!スタートアップ採用のコツ

(2020/05/19更新)

大企業と比べ、スタートアップの採用はブランドやマンパワー、経験、設備を持ち合わせていないケースが多いと言われています。しかしスタートアップの運営に必要なのは、それほど高給ではなくとも、意欲を持って自主的に動いてくれる人材です。駆け出しのスタートアップこそ、核となるメンバーに優秀な人材を採用しなければ、会社の発展は望めません。

つまるところ、スタートアップの採用は極めて難易度が高く、担当者は日々苦労が絶えないのです。

そこで今回、創業手帳では現役で採用担当をしている関係者に取材を実施しました。スタートアップで少人数から上場までを経験した、人事のプロフェッショナルです。ぜひ皆様の採用活動にお役立ていただければ幸いです。

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スタートアップにおける採用の重要性

スタートアップにとって人材採用とは何ですか?

スタートアップは、人がすべてだと思っています。

ある程度ビジネスモデルが確立された後は、オペレーションをしっかり回せる人材をメインに採用します。しかしスタートアップの段階では、ビジネスモデル自体を創造できる人材がどうしても必要です。どういうタイプ、どういうレベルの人材を採用するかで、その後うまく加速できるかどうかが決まります。

スタートアップ採用を始める際の注意点は?

「優秀だから」という理由だけで採用しない方が良いでしょう。なぜならその人の能力がフルで発揮される場面が来るのは、まだまだ先のことだからです。むしろ「ビジョンに共感できる」「同じ世界観を持っている」ことが重要な条件です。

スタートアップでは、雑用的な仕事が少なくありません。自ずと労働時間も長くなります。もちろん創業者本人は、どんな苦境をも楽しむ姿勢がなければ、会社の立ち上げは成し得ないと思います。しかし他のメンバーもその状況についていくためには、創業者のビジョンに共感できるかどうかが重要なのです。

例えば現在一部上場している某企業の創業メンバーは、今でこそ上場企業の役員ですが、創業当時は泥水をすするような過酷な日々だったそうです。それでもなんとか続けられたのは、その先の未来、代表の世界観が見たかったからだとおっしゃっていました。

スタートアップではどういう人材が必要?ー欲しい人材を定義するー

創業者が自身の強みと弱みをしっかり把握して、そこを補完してくれるスキルの持ち主、なおかつその分野で優秀な人材を採用することが重要だと思います。
例えば営業スキルに長けている創業者がWebサービスの会社を作りたい場合、プロトタイプをスピーディーに作り直せる優秀なエンジニアが必要です。またお客様の声を確実に拾ってプロダクトに反映することができる、企画タイプの人材もいると良いかも知れません。

例えばある有名な経営者は、アイディア創出が非常に得意でした。Webサービスのアイディアは溢れてくるけれども、プログラミングスキルが追いつかない。そこで大手Webサービス会社のエンジニアを二番手として採用しました。結果、彼らの作ったサービスは成功し、現在数十億の価値がついています。

スタートアップ採用のノウハウを聞く

採用にはどのような方法があるか

一般的な採用手法として、人材紹介・求人広告・ダイレクトソーシング・採用イベント・リファラルが挙げられます。コストの観点から、人材紹介を利用する会社は極めて少ないです。大抵は少し会社が大きくなると、「Wantedly」などの比較的安価な求人広告(彼らはビジネスSNSと打ち出しています)を利用するケースが多いようです。
私のおすすめは、自社の社員に人材を紹介・推薦してもらうリファラル採用です。どうしても周囲に欲しい人材がいない場合は、コストパフォーマンスを考えると「Linkedln」や「Twitter」などのSNSを利用するのが良いと思います。

採用をはじめる流れについて

まずは採用要件を定義します。上述したように、ビジネスを伸ばすためにはどんな能力が自社に不足していて、どんな人材が欲しいのかをよく考えます。それから「募集チャネル」「見極め方法(面接・食事など)「アトラクトの仕方(自身が考えているビジョンや会社の方向性を共有するための手段)」を順に決めていきます。

採用活動の準備、用意するものは?

採用ピッチ資料(会社の紹介資料)にお金をかける必要はありませんが、候補者に自社の魅力を正しく伝えるための武器は必要だと思います。
会社が大きくなり人員が増えてきたら、ある程度会社の基準が確立するでしょう。その基準を言語化することで、全社員の意識が採用へと向かうことを期待します。

スタートアップ採用側の心得

面接官、リクルーターはどういう人が向いていますか?

もちろん、創業者は必ず面接に参加するべきですね。その他の面接官は、(多少仕事ができなくても)とにかく自社を愛する人が良いでしょう。候補者が「この面接官は会社のことが大好きなんだな」と感じると、会社自体に好感を持ってくれるはずです。

さらに言うと、スタートアップでは全社員がリクルーターという意識を持たなければならないと思います。リファラル採用で優秀な人材を獲得している会社は、この意識がとても強いです。
現在社員数が1000名を超えている某人材企業では、いまだにリファラル採用を頑張った社員が、年度の総会で一番輝かしい表彰を受けているそうですよ。

面接官の心得、初心者面接官のイロハ。ーこうやって面接を進めようー

面接は相互にとって見極めの場です。絶対に上から目線ではいけません。まだまだ駆け出しな我が社を選び、応募してくれたことに感謝、面接に来てくれたことに感謝。懇切丁寧に面接をすることが大切です。

面接でこちら側の誠意を伝えることができれば、採用を見送りにした候補者からも新たな人材を紹介してもらえるかもしれない。そんなレベルを目指すイメージです。

選考のコツ

一問一答式ではなく、会話形式で情報を聞き出すのがコツです。採用チェックシートを見ながら、どんな会話でどんな情報を聞くのか準備をしておくと良いと思います。一つの質問・回答に対して自然に深掘りしていけば、相手にプレッシャーを与えることなく、知りたい情報を聞き出すことができます。

欲しい人材に選ばれるコツ

まず候補者に対し、「なぜあなたが欲しいのか」を明確に伝えることが重要です。
「●●みたいなことをしてみたいけど、うちでは△△のスキルが足りない。ぜひ、あなたの経験を活かして欲しい。そうすれば当社の強みである□□がこんな風に伸びると思うんだ」という具合でしょうか。

そしてもう一つ、そもそもスタートアップに応募する人材は、拝金主義ではなく仕事を楽しみたい人です。候補者には「どれほど面白い仕事があるか」「なぜあなたに任せたいのか」をセットで伝えるのが良いと思います。

まとめ

起業家、スタートアップにとって採用業務とは?
  • プロダクト以上に重要なこと!
  • スタートアップ時の採用によって、ビジネスの拡大スピードが大きく変わる!

創業手帳では、高精度な構造化面接をラクに再現できる、現役スタートアップ採用担当・社労士監修の「採用チェックシート」を無料で差し上げます。是非ご活用ください。

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(取材協力:山本 スタートアップで人事制度構築を複数経験。ジョインしたスタートアップの上場も経験している。)
(編集: 創業手帳編集部)

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