創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2023年3月10日オカザキ・UD Planning 株式会社 岡﨑租乃子|ユニバーサルデザインの企画提案事業が注目の企業
ユニバーサルデザインの企画提案事業で注目なのが、岡﨑租乃子さんが2019年11月に創業したオカザキ・UD Planning 株式会社です。
ダイバーシティやインクルーシブといったキーワードが当たり前のように飛び交う時代になりました。多様性を認め合い、誰もが思うように快適に生きていける社会、誰も取り残さない社会創りを目指して、様々な分野でこのキーワードが取り上げられています。
そんな社会を作り上げる上で大事な要素となるのが「ユニバーサルデザイン」です。
単に見た目がかっこいい、クールということではなく、そのデザインを見たり使用したりすることで、年齢や国籍、性別、障碍などによらず、すべての人がそのものの価値や意味を理解し、安心安全・快適さを享受できるデザインのことを指します。
以前に比べると、公共施設や都心部を中心にユニバーサルデザインの概念が取り入れられ、環境が整ってきているのを感じます。その一方で、地方都市や中小規模施設などにおいてはまだまだ立ち遅れているのが実情です。
SDGsが提唱され、誰も取り残さない社会の実現を目指して世界規模で活動が進む今、ますます世界との交流が活発になり、ジェンダーや障碍の壁がなくなってきています。また、子供や高齢者の安全安心な生活環境が担保されていくためにも、日本におけるユニバーサルデザインの理解浸透とその普及は欠かすことのできない大切なことのひとつとなっています。
そんな中、人々の生活活動におけるバリアをなくし、誰もが自由に好きな場所に行ける社会を目指して活動を続けているある起業家の取り組みに、今注目が集まっています。
オカザキ・UD Planning 株式会社の岡﨑租乃子さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・この事業の特徴は何ですか?
ユニバーサルデザイン(UD)は米国のロナルド・メイス氏が1985年に「UDの7原則」を提唱したのが始まりです。内容は(1)どんな人でも公平に使えること (2)使う上での柔軟性があること(3)使い方が簡単で自明であること(4)必要な情報がすぐに分かること(5)簡単なミスが危険につながらないこと(6)身体への過度な負担を必要としないこと(7)利用のための十分な大きさと空間があること、を掲げています。概念的なものですが、日本では汎用性と多様性があることから、日本では2020東京オリンピック・パラリンピックの新国立競技場で本格的に導入されました。広い競技場で分かりやすいサインで目的場所に誘導したり、施設を使いやすくする案内をレイアウトし、国籍や言語を問わず誰もが利用しやすいような表記になっています。現在は空港・駅・商業施設など多くの施設に導入が始まっています。
参考写真:新国立競技場
・どういう方にこの事業を知ってもらい、活用してもらいたいですか?
障害者や高齢者を対象にしたバリアフリーよりも多様性を持たせたユニバーサルデザインは、子供・身障者・高齢者・シニア・ファミリー・外国人の方などを対象にしており、導入施設も医療施設・商業施設・フードコート・観光施設・大型レストランなどに導入が可能です。
また事業者にとっても見やすく分かりやすいサインは利用者の好感度や満足度を高め、リピーターを増やし、施設の付加価値を高めることにつながります。
・この事業の解決する社会課題はなんですか?
弊社は人々の生活活動におけるバリアをなくし、誰もが自由に好きな場所に行ける社会を目指しています。日本ではバリアフリーが浸透し、空港や駅などのインフラ施設、ショッピングモールなどの大型施設では整備が整ってきています。ただ、社会全体ではユニバーサルデザインの情報や専門家が少ないことから、大型の施設以外にはまだ取り込めてはいません。このためにユニバーサルデザインのメリットや導入方法など拡げていければと考えています。国籍や言語、年齢を問わず高齢者やハンディキャップを持つ人を含め、多くの人が利用できるような環境を作りたいと思っています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
創業直後にコロナ期に入り、東京オリンピック・パラリンピックも無観客で実施されましたのでユニバーサルデザインを知ってもらったり、PRできる機会が困難になりました。その間も営業活動を継続してきましたが、皆さんと同じように大変厳しい状況でした。
ただ、前職で携わったユニバーサルデザイン導入のショッピングモールに、海外から多くの視察の方が来られアテンドをした経験から海外にも目を向けるようになり、昨年秋から海外HPを立ち上げ、海外の方にも知って頂けるように活動を続けています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
弊社はSDGsのプラットフォームに参画し、11.「住み続けられるまちづくり」で次世代に繋げられるための住みよい環境づくりを目指していきたい思っています。
また事業者にもユニバーサルデザインを役立ててもらうため、施設の付加価値を高める提案も行っています。ユニバーサルデザインを顧客満足度につなげ、リピーターを増やす、新しい顧客をつくる、従業員の業務軽減をはかる、など事業者側でユニバーサルデザインに携わってきた経験から、コスト面や導入時期の分散化、既存施設の課題を解決するために役立つような事業者目線での提案を行っていきます。
・今の課題はなんですか?
海外への提案は試行錯誤の連続ですが、日本のやり方でなく様々な国の状況や文化などを踏まえて提案することが求められると考えています。
・読者にメッセージをお願いします。
多くの方が起業する前のイメージとその後の現実にギャップを感じるかと思いますが、何かを乗り越えると見えてくるものがあるので失敗を恐れずチャレンジしてください。
会社名 | オカザキ・UD Planning 株式会社 |
---|---|
代表者名 | 岡﨑租乃子(おかざき そのこ) |
創業年 | 2019年11月 |
資本金 | 300万円 |
事業内容 | 施設におけるユニバーサルデザインの企画、提案 |
サービス名 | ユニバーサルデザインの企画提案 |
所在地 | 142-0041 東京都品川区 |
代表者プロフィール | 日本マクドナルドの設計管理部、イオンリテールの建設部などで環境デザインを数多く担当。越谷レイクタウショッピングセンターでユニバーサルデザインに携って以来、多くの物件でユニバーサルデザインの実績を重ねる。 |
カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | SDGs オカザキ・UDPlanning 岡﨑租乃子 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2022年6月17日、e-dash株式会社は、栃木銀行と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 e-dashは、三井物産株式会社の100%子会社で、CO2排出量可視化サービス「e-dash」を提…
2023年12月26日、国際協力機構(JICA)は、2023年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の採択を決定したことを発表しました。 合計68件の採択を決定しました。68件中57件が中小・中堅企…
2021年12月14日、アイグッズ株式会社は、株式会社みずほ銀行が発行する社債「SDGsサポート私募債」を通じ、無担保で総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 アイグッズは、法人・行政機関…
2022年2月4日、株式会社ゼロボードは、東芝デジタルソリューションズ株式会社と、製造業や電力会社などの企業や自治体を対象にしたGHG(温室効果ガス)排出量算定・可視化サービスの協業開始について基本合…
2021年3月15日、株式会社ファーメンステーションは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 独自の発酵・蒸留技術を用いてエタノールやサステナブルな化粧品原料を開発・製造しています。 原…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…