注目のスタートアップ

株式会社グローバル・カルテット 城みのり | ビジネス調査を手助けするナレッジシェアプラットフォーム「ProSession」で注目の企業


ビジネス調査を手助けするナレッジシェアプラットフォーム「ProSession」で注目なのが、城みのりさんが2018年に創業した株式会社グローバル・カルテットです。

分からないことや気になることがあると、スマートフォンなどで簡単に情報を手に入れられる時代になりました。簡単に検索して情報を得られる一方で、たくさんある情報の中から取捨選択し、本当に必要な正しい情報を得ることが重要となっています。

市場調査をはじめとする様々なビジネス調査をする上で、情報の正確性や根拠、誤情報を正しく見極めることは特に重要です。しかし、ビジネス調査の情報収集や取捨選択の判断をするためには、専門的な知識や経験が必要になり、膨大な作業工程や時間がかかります。

また、ビジネス調査の経験が少ない場合や入社して間もない場合など、初歩的な質問をしたくても上司や先輩に聞きづらかったり、誰に質問したらいいか分からない場合もあると思います。その場合、通常より作業に時間がかかり、効率が悪くなってしまいます。

このような課題を解決すべく作られたのが、株式会社グローバル・カルテットのナレッジシェアプラットフォーム「ProSession」です。

「ProSession」は、気軽にプロに質問できるプラットフォームサービスで、スレッド形式で質問を投稿でき、迅速に回答を得られるのが特徴です。回答をするのは、様々な分野において高い専門性を有するプロのリサーチャーやコンサルタントなので、各々が得意とする業界の調査に関して基本的なことから専門的な部分まで幅広く、正確かつ迅速に回答する仕組みになっています。

初歩的なものから専門的なものまで気軽に質問することができるため、一人で悩んだり調べる時間が減ることが期待でき、限られた時間を有効に活用することが可能となります。

「ProSession」は気軽に相談できる、仕事をする上での頼れるパートナーのような存在になると思います。

株式会社グローバル・カルテットの城みのりさんに、「ProSession」の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

当社は創業以来、クライアントから受託した市場調査などの業務を当社と契約している複数のフリーランスのリサーチャーでチームを組成して対応してきました。チーム体制とすることで、幅広くかつ質の高いアウトプットを迅速に提供してまいりました。

このように市場調査をはじめとする様々なグローバル調査を専門とするプロのリサーチャーやコンサルタントが活躍する当社では、もともと当社が中心に受託していたヘルスケア業界に限らず、それぞれ得意とする領域が非常に幅広く、多彩なメンバーが徐々に増えていきました。とても優秀なメンバーたちなのでこの能力をぜひクライアントの課題に対して発揮してほしいと思い、2021年10月にリリースしたのが、双方をマッチングさせるサービス「ProSession(プロセッション)」β版です。

企業活動のあらゆる場面で欠かせないビジネス調査ですが、データ等の情報ソースは全世界・多言語で数多く存在し、その正確性や根拠、また誤情報を正しく見極めるには高い語学力や経験、専門的な知識が必要になることもあり、若手や未経験者がゼロから対応するには難易度が高く、膨大な工数を費やすことになります。

「ProSession」は、このようなビジネス調査に関して、基本的なことから専門的な壁打ちまでスレッド形式で気軽に質問を投稿でき、調査の精度を高めるナレッジシェアプラットフォームです。投稿いただいた質問には当社で活躍するプロのリサーチャー・コンサルタントが直接、回答させていただきます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

経営企画や事業計画、商品開発、マーケティングなどデータを扱う部門に所属するすべてのビジネスパーソンに活用いただきたいと考えていますが、その中でもビジネス経験やリサーチ経験の浅い若手社員には特におすすめしたいと考えています。

ちょっと先輩に聞けば良いことでも仕事の邪魔になりそうで聞きづらい、検索すれば見つかるかもしれないけど正しい情報か判断できない。このように感じることがあれば「ProSession」で気軽に質問をいただければ、当社のコンサルタントが迅速かつ正確、そして丁寧に回答させていただきます。

「ProSession」で回答するのはコンサルティングファームやシンクタンク、調査会社出身者などを中心としたリサーチやコンサルのプロです。幅広い領域をカバーしており、信頼性の高い内容を検索エンジンで探すよりはるかに速く回答させていただきます。

また、若手社員が「ProSession」を通じて基礎を学ぶことで、ナレッジをためてスキルを高めていくことができれば、上司や先輩社員がイチから教える手間も省けるので、教育時間の短縮にも役立てていただけるかと考えています。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

ビジネス調査を正確かつ迅速に進めるには専門的な知識や経験が必須になりますが、若手社員がその能力を身につけるには相応の時間が必要になります。もちろん、若手社員を一人前にするまで上司や先輩社員が費やす時間も並大抵ではなく、通常業務と並行してOJTで教育を手がける現場ではかなりの負担になっています。この両者の課題を「ProSession」を活用することで解決したいと考えています。

また、外部に調査を委託する場合、調査の背景やゴール、仮説などから逆算した要件定義が必要になりますが、新規事業の企画策定の段階では調査課題や仮説が明確になっていないことも多く、要件定義自体が難しいことも少なくありません。これまで複数のクライアントから「課題設定の段階から相談にのってほしい」というご要望があり、お受けしたところ大変感謝された経験もあります。

このように、そもそも課題設定や要件定義で苦戦されている方は実はが非常に多いのではないかと考えており、そのような調査初期の場面で迷いや悩みを解決するサービスにもできたらと思っています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

実は創業4年目で初のプロダクトとなる「ProSession」をリリースしましたが、思えば、これまでは比較的順調な経営であったように思います。それもすべては当社で活躍するプロのコンサルタントのおかげといえます。当社で活躍するコンサルタントはみんな経験、スキル、知識などあらゆる面で超一流のプロであり、かつホスピタリティといった人間性も兼ね備えています。だからこそクライアントの多くにご評価いただけるアウトプットが提供し続けられたのではないかと考えています。

そして、こういったコンサルタントに支えられリリースした初のプロダクト「ProSession」ですが、β版を半年前にリリースしたばかりで、まだまだサービスのブラッシュアップ中で試行錯誤の段階です。そんな今がまさに創業してもっとも大変といえますが、悩みを投稿するお客様にとって、そして回答するコンサルタントにとって、最適なプラットフォームとして活用いただけるよう今が踏ん張りどころ。心身ともに折れそうになることも少なくありませんが、事業開発や成長上、要ともいえる調査で悩まれる方々にホスピタリティをもって対応するコンサルタントという一流のプロの仲間たちに支えられて、諦めることなく前進できているように思います。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

調査といっても手法も範囲も極めて広範であり、完璧にすべてを教えられる人はほとんどいません。プロの中でも専門性がわかれるという特殊な職種です。

繰り返しになりますが、若手からしたら上司や先輩に聞くということは分からないなりにも自分で調べて精度を上げてからでないと怒られるから、例えばデスクトップリサーチで検索してたかだか3ページあたりで見つからずにいきなり聞くということができない。一方で、通常業務に追われる上司や先輩は「調べつくしてから聞きにくるべき(初歩的なことを教える時間がない)」という状況もあるかと思います。上司や先輩の感情はまったく持ってその通りで、基礎を教える時間があるなら本来のコア業務(企画や事業開発)に集中すべきです。

なので、基礎から分からないという若手社員の皆さんは「ググってもピンポイントに情報収集できない」または「判断がつかない」そんな時は「ProSession」でささっとにプロに聞いて解決していただければと思います。こうすることで若手社員の早期立ち上がり、かつ上司・先輩社員のコア業務集中を後押しし、ひいてはお客様の事業支援に貢献していければと考えています。

・今の課題はなんですか?

まずは収益化でしょうか。現在提供しているβ版は無償で、認知および利用拡大のフェーズとしています。利用実績を増やし、よりサービスをブラッシュアップすることで、マネタイズの仕組みを完成させて本格的なリリースを目指していきたいと考えています。

また、認知および利用拡大期である今は、システム費用、マーケ費用、そして人件費と湯水のごとくコストがかかります。より精度高いサービスを実現するためにも原資となる資金調達も足元の課題と捉えています。

・読者にメッセージをお願いします。


昔から言われている経営資源「ヒト・モノ・カネ」。少し次元が違うかもしれませんが、同じくらい無視してはならないものとして「時間」があると思っています。資金や人、そしてモノについては厳格に管理するのに、それに比べて時間はどうでしょうか?

特に日本では、働く時間=生産性についてあまり重要視されない傾向があり、後輩は教育するのが当たり前、新人は自分で時間を惜しまずに調べるのが当たり前という感覚が少なくないかと思います。新人ではなくても、気づいたら何時間も検索エンジンで調べ物をしていた(それでもほしいデータが見つからない)、このようなことは誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

調べる時間も、教育する時間も1日の限られた勤務時間の一部です。資金と同じくらい限りある時間。社員ひとりひとり、1日1日の勤務時間をどう有効に活用するかは経営にとってとても重要かと思います。「グーグル先生に聞けば分かる」といって何時間も検索を続けたり、「教育は先輩がするべき」といって丁寧に後輩の質問に回答したりする時間は必ず短縮できます。

「ProSession」はそんなビジネスパーソンの限られた貴重な時間をより有効にしていただくためのツールにしたいと考えています。

回答者プロフィール 株式会社グローバル・カルテット 代表取締役 城みのり
米国にて起業→事業譲渡の後帰国し、コンサルティングファーム、マーケティングリサーチ会社にてヘルスケア企業のリサーチを担当後フリーランスとして独立。
最大の強みである巻き込み力を活かし「フリーランスだけのチームで調査プロジェクトにコミット」を構築し、現在、世界中から100名以上のフリーランスコンサルタントが集まっている。
●Microsoft for Startups 採択
●EY×マイクロソフトアクセラレータープログラム第4期(2022年)採択
●愛媛銀行×KPMGジャパン共催 愛媛アクセラレータープログラム採択(2022年)
●東京都女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」第6期(2021年)採択
●リコー主催アクセラレータープログラム「TRIBUS2020」採択
●パソナ主催「Queen Award for Startups」ファイナリスト(2020年)
会社名 株式会社グローバル・カルテット
(Global Quartet Inc.)
代表者名 城 みのり
創業年 2018年
住所 〒105-0004
東京都港区新橋2丁目20-15
新橋駅前ビル1号館6階 ビステーション新橋内
資本金 550万円
サービス名 「ProSession(プロセッション)」
事業内容 市場調査、 マーケティングリサーチ
カテゴリ 有望企業
関連タグ コミュニケーションテック ナレッジシェア リサーチ 城みのり 女性 市場調査 株式会社グローバル・カルテット
創業手帳woman
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

卵子凍結サービス「Grace Bank」などを提供する「グレイスグループ」が2.8億円調達
2022年4月1日、株式会社グレイスグループは、総額約2億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 グレイスグループは、卵子凍結サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」や、女性…
資本市場における女性の活躍状況の『見える化』と女性活躍情報を中心とした非財務情報の投資における活用状況に関する調査報告書
内閣府男女共同参画局は、平成27年度事業「資本市場における女性の活躍状況の『見える化』と女性活躍情報を中心とした非財務情報の投資における活用状況に関する調査報告書」を発表しました。 企業における女性の…
企業の新規事業・研究開発に特化したテクノロジーリサーチ「Memory AI」を提供する「MEMORY LAB」が9,000万円調達
2024年1月24日、株式会社MEMORY LABは、総額約9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 MEMORY LABは、企業の新規事業・研究開発に特化したテクノロジーリサーチ「Me…
日本公庫北陸3県の融資件数が3%減 女性・若者向けは増加
日本政策金融公庫は、北陸3県の6支店(富山、高岡、金沢、小松、福井、武生)での創業企業への2015年度の融資実績を発表しました。 融資企業数は429件で、14年度から3%減少しました。融資金額は31億…
【9/15開催】「ウーマンズビジネスグランプリ in 品川2026 キックオフサミット」
「ウーマンズビジネスグランプリ in 品川2026 キックオフサミット」のご案内です。 今年で15回目を迎える「ウーマンズビジネスグランプリ」のキックオフとして、全国の自治体、支援機関、女性起業家が一…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集