注目のスタートアップ

株式会社Easpe 平塚智博|障害児通所施設向けの業務支援システム開発事業が注目の企業

障害児通所施設向けの業務支援システム開発事業で注目なのが、平塚智博さんが2019年に創業した株式会社Easpeです。

療育が必要な児童数は年々増加しており、令和元年度にはその5年前の平成26年度に比べ約2.3倍に増加しています。またそこにかかる費用も同時に増加しており、同年比で2.8倍の約5000億円に達するかという域にまで来ています(厚生労働省調べ)。
中でも障害児通所サービスの費用は毎年10%を上回る増加率で推移しており、他制度よりも大きな増加率となっているのが実情です。

「情緒障害」「自閉症」「学習障害」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」といったキーワードを良く見聞きされるようになりましたが、これらを抱える児童の通所が近年多くなっているのです。

もっとも、過去にもこうした課題を抱えた子どもたちは今と同じように一定数いたのだと思います。
が、今ほど認知されていなかったがゆえに、今になって急増しているように見えているだけなのかもしれません。

とはいえ、先行き不透明で複雑化した現代社会、核家族化や個人主義のが強くなり、地域内連携等も希薄な現代社会において、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化し、子どもたちの心や情緒に与える影響も多様かつ複雑に変化してきていることは否めません。

こうした状況を的確に把握し、個々人に合わせた適正な療育を進めていける取り組みが急務だと言えます。
実際にこうした子どもたちの診療現場位において、心理検査を行う数が増えてきており、まさに今、子どもの心理・発達に関する特性把握の需要が年々増加しているというわけです。
つまり、限られた支援機関の中で、子どもたち一人一人に寄り添った療育を推し進めていくための仕組みづくりが求められています。

こうした課題に向き合い、支援機関の業務や費用負荷の軽減と適正な療育サポートを行えるようバックアップするサービスに、今注目が集まっています。

株式会社Easpeの障害児通所施設向けの業務支援システム事業の特徴は、データドリブンなアプローチで、各人の特性を見極めたサービス提供を提案・支援できる、という点です。

株式会社Easpeの平塚智博さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・この事業の特徴は何ですか?

療育にまつわるあらゆる業務をデジタル化し、日々の支援を効率的に設計・実施・モニタリングすることができる点が特徴です。
またABAをベースにした記録方法、グラフ化を標準で備えているため介入記録のビジュアライズも手間なく実施できます。
※応用行動分析のこと。行動の<きっかけ>と<結果>に注目することで、子どもに対する理解を深めていく手法。

・どういう方にこの事業を知ってもらい、活用してもらいたいですか?

お子さんに対して、最適な支援を提供し、ご家族や本人の抱える課題を解決することを目的としてサービスを提供されている皆様にご利用いただきたいと考えております。

・この事業の解決する社会課題はなんですか?

現在、日本だけでなくグローバルにみても発達障害、ないし発達特性を持つ方への支援リソースが大幅に不足しています。
我々は、ご家族や当事者の課題を解決しようとする方々をテクノロジーを用いて最大限バックアップすることで、自分に合ったサービスを受けることができないという課題を量、質共に解消します。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

学術的なバックグラウンドがある領域ではなかったため、信用を得ることや実現可能性を示すことが大変でした。
志に共感してくださる大学の先生方や、我々の取り組みを理解し共に推進しようとしてくださる事業者の方々の協力を経て現在も課題解決に取り組み続けられています。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

我々のビジョンは誰もが自己実現できる社会の創出です。不条理な状況にある方々の課題を一つずつ解きほぐし、事業者としてできることを積み上げ、今ある不幸や不安が解消された社会を次の世代に渡していくことができるような会社でありたいと考えています。
サービス自体も、解決する課題の種類に応じて拡大し、療育業務だけでなく、研究促進や、保護者の方のケア、社会人となってからの生活など拡大していきたいと考えています。

・今の課題はなんですか?

人手が足りていません。我々の取り組む課題や実現したい世界観に共感いただける方からのご連絡を是非お待ちしております。

・読者にメッセージをお願いします。

今できることを実行し、未来を作っていきましょう!

会社名 株式会社Easpe
代表者名 平塚智博
創業年 2019年
事業内容 障害児通所施設向け業務支援システムの開発および提供
サービス名 Easpeモニタリングシステム
所在地 大阪府大阪市中央区本町4-2-12東芝大阪ビル8F
代表者プロフィール 東北大学 教育学部特別講師 エンジニア
U-25 kansai pitch contest salesforce賞
東北大学ピッチコンテスト最優秀賞
RBT基礎研修 日本財団ソーシャル・チェンジ・メーカーズ第4期採択
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ aba DX Easpe 平塚智博 療育 療育システム 発達障害
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

自社ブランドの立ち上げ・育成や共創型M&Aを展開する「MOON-X」が34億円調達
2022年12月1日、MOON-X株式会社は、総額34億円の資金調達を実施したことを発表しました。 MOON-Xは、自社ブランド事業、他社ブランドの成長支援・DX支援事業、共創型M&A事業を展開してい…
新規事業やサービスの企画・推進をはじめとするITコンサルティングサービスを提供する「GC」に「ジャフコ グループ」が出資
2023年6月30日、ジャフコグループ株式会社は、管理・運営するファンド(ジャフコBO7投資事業有限責任組合及びジャフコSV7-S投資事業有限責任組合)を通じ、GC株式会社に対し戦略的パートナーとして…
電話DXサービスを展開する「IVRy」が13.1億円調達
2023年3月29日、株式会社IVRyは、総額13億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、AI音声認識機能(β版)とChatGPTを活用した通話音声要約機能(β版)を提供開始し…
「IT導入補助金2023」の「通常枠(A類型・B類型):6次締切」「セキュリティ対策推進枠:6次締切」「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型):9次締切」補助事業者が採択
2023年11月6日、独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業生産性革命推進事業として実施中の「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)2023」において、補助事業者を採択したことを…
上場企業の取締役会をDXするツール「michibiku」を提供する「ミチビク」が3.5億円調達
2024年2月14日、ミチビク株式会社は、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ミチビクは、上場企業の取締役会の運営効率化と見える化を同時に実現するツール「michibiku…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】