「ゴールを決めるためには、要らないものは捨てろ」元グーグル ピョートル・クジバチから起業家へ(インタビュー後編)

創業手帳

“ここが変だよ日本の仕事”自分の価値を上げる本当の働き方改革

(2018/01/15更新)

前編では、「経営改革によって会社を理解することが成果UPの出発点」と話していただいた、「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのかー グーグルの個人・チームで成果を上げる方法」著者 ピョートル・クジバチ氏。
後編では、具体的に成果UPのためにやっておきたい方法や、「自分自身の市場価値を上げる」ことの重要性について、お話を伺いました。

前編はこちら→「日本の働き方は効率が悪すぎる!」元グーグル ピョートル・クジバチの圧倒的成果を上げる仕事術(インタビュー前編)

インタビュアー:創業手帳(株) 創業者 大久保幸世

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ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)
元グーグル人事担当者
プロノイアグループ株式会社 代表取締役 / モティファイ株式会社 取締役 チーフサイエンティスト
ポーランド生まれ。ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日。2011年よりグーグルにて、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。現在は、独立して2社を経営。プロノイア社では、国内外の様々な企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティングを行なう。2社目のモティファイは新しい働き方といい会社づくりを支援する人事ソフトベンチャー。多国籍なメンバーやパートナーとともに、グローバルでサービスを展開している。日本在住16年。合気道や禅にも詳しい。

「捨てる勇気」を持て

大久保:先ほどのお話にもあった「社員の時間に無駄遣いがある」、「もともとの仕事が多すぎる」といった問題点を解決するためには、自分たちが本来やりたい仕事以外のものを※アウトソーシングしていくことも必要かもしれませんね。

※アウトソーシング:作業を外部委託すること。

ピョートル:そうですね。スウェーデンでは「時給2500円以下」の仕事は自然に淘汰されてしまいました。海外アウトソーシングや自動化されたのです。そしてクリエイティブな人間が本来やるべき、やりたい仕事に集中できるようになりました。

つまり、仕事を捨てることがとても重要です。任せられる仕事は外部の方に任せる、ということですね。

日本は人材の使い方があまり上手ではありません。自動化できるものや、外部に依頼できるようなものも、社員が抱え込んでしまっています。

例えば、アメリカの企業だと、単純作業はアジア諸国に依頼しています。途上国に仕事を与えることによって、その国の経済発展に貢献することができ、アメリカの企業は本来の仕事に集中できます。
「海外に仕事を奪われてしまう!」と懸念する人がいるかもしれませんが、実際は、本国に高度な仕事が残るので、心配いらないと思います。単純作業を外に出して、高度な仕事に集中すると、経済は伸びるんです。

日本はここでもハンデを負っています。日本人の多くは日本語しか話せないので、外国に業務を依頼できないのです。この事実が、日本経済の足を引っ張っています。

日本人は、高い時給の自分たちがやるまでもない仕事を抱え込んでしまっているので、グローバルなビジネスの流れに乗り切れないでいます。

海外が難しければ、せめてクラウドソーシングなどで、日本の地方に仕事を分配していくべきです。地方だと都会と比べて給料が安いですし、アウトソーシングするために業務を再定義するので効率化が進みます。これが本当の地方創生になるはずです。

「起業したら長時間労働が当たり前」どう対処する?

大久保:起業した人って実際、仕事が多いですよね。ものすごい量の仕事を抱えることになると思います。働き方改革とか言っても、どうしても仕事を優先しないといけないという状況のスタートアップは多いはずです。

ピョートル:そうですね。特に一人だけの会社はそうなってしまいがちです。なので、その状況を早く脱するために、会社を早く成長させていくことです。

そのためには、1週間に1回くらいの頻度で仕事を合理的に見直すことが必要です。その際に学び直すことと、忘れてもいいものを決めていきましょう。知識の棚卸しということですね。

会社を大きくして経済的な規模、体制にしていかないと、必要な収益は上げられません。何より効率が悪い状況が続きますので、一刻も早く上のステージに行くことに集中しましょう。

大久保:いきなり社員を増やせないというスタートアップが多いのではないでしょうか。正社員ですと固定費になり、急に減らせません。

ピョートル:そういう場合には、得意な人に部分的にでもアウトソーシングしていくことですね。周りの人たちに協力を仰ぐことも大切です。

ただし、アウトソーシングする際は、頼もうと思っている作業を1回くらい自分でやってみることをお勧めします。自分でもできるようにして、仕事を定義してからお願いするとコストを抑えられますよ。

自分の市場価値を上げる努力は必須

大久保:逆に言うと「アウトソーシングを積極的に行う」といった方法を、自主的に考えて行動すれば、チャンスが生まれてくるということでしょうか?

ピョートル:その通りです!日本のサラリーマンは保守的です。社会や家族、はたまた会社や個人に対しても、保障を求めたがる傾向にあります。

ですが、それらの保障を得るには、自分の市場価値を上げないといけません。「売上を向上する実力をつける」とか、「社内で役に立つシステムを作る」といったことですね。会社の外に出て、セミナーや座談会に参加することも良いですね。

大久保:自分の市場価値が低い人が集まってしまうと、ゆくゆくは会社が傾いてしまいますよね。

ピョートル:そうですね。退職、独立しても活躍していけるようになって欲しいです。日本は人材の流動性、個人の多様性の意識がまだまだ足りません。「自分に価値があるから、会社が無くなってもなんとかなる!」というのが本当に保証されている、ということなんじゃないでしょうか?

大久保:自分は昔ライブドアにいたのですが、当時のライブドア社員って、会社がああいう状況になっても、すぐ仕事が見つかっていました。困ったっていう人をあまり見なかったので、日々働きながら自分の価値を高めていった人が多かったんだと思います。

ピョートル:そうだったんですね。要するに、実力があると分かれば、他の会社は放っておきませんし、自分で会社をやっても良いですよね。心地よい会社に安住するのではなくて、個人のブランドを作って欲しいです。

大久保:なるほど。では、最後に起業家に一言お願いします!

ピョートル:まずは「頑張れ!」です(笑)。
日本の会社はこのまま行くと、どんどん減ってしまいます。特に地方ですね。私はその状況を解決したいと思っています。皆さんも、ムダを無くし、価値を上げることで、この問題を解決してもらえればと思います。

(取材協力:プロノイア・グループ株式会社 / モティファイ株式会社 / ピョートル・フェリクス・グジバチ)
(撮影:オープンコラボレーションスペース「LODGE」)
(編集:創業手帳編集部)

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