電脳交通がJR西と資本提携!創業手帳が背景を解説

地方のIT企業がなぜ大手と組めるのか

徳島を本拠地としたベンチャー・電脳交通が、JR西日本と資本業務提携を開始しました。同社はほかにもNTTドコモ、Japantaxiなどと資本業務提携を結んでいます。地方のベンチャーがなぜ大手と組めるのか、創業手帳がさくっと解説します。

大手による積極的なオープンイノベーションが進んでいる

電脳交通のプロダクトは、中小のタクシー会社でも使えるタクシー会社向けのクラウド型コールセンターのサービスです。タクシー会社は配車などで、電話やコールセンターが不可欠であると同時に、効率的にタクシーが動いているかなど動態管理も必要になります。同社はそうしたタクシー会社向けのソリューションを展開しています。
代表の近藤洋祐氏は、アメリカ留学からのUターンで地元の小さなタクシー会社に勤務し、そこで培ったサービス、技術をベースにサービスを作り上げました。
同社が大手企業と次々と資本業務ができている背景について、出資元と該当企業に分けて分析してみましょう。

まず出資側の土壌として、大手企業がオープンイノベーションに取り組んでいる背景があります。例えばJRは東、西、九州などでオープンイノベーションを盛んに行っています。JR西日本でもecbo cloak(エクボクローク)を始めとするスタートアップとの協業が進んでいます。
Japantaxiも、川鍋一朗会長率いる大手の日本交通系のタクシーアプリであり、UBERの日本進出に対して善戦しています。投資に積極的な会社のオープンイノベーション、出資の土壌にスタートアップが上手くハマった例と言えるでしょう。

電脳交通は、もともと徳島の小さいタクシー会社を救うためにスタートしたプロダクトというところにも面白さを感じます。小さな一地方の会社なのに、という見方もある一方で、地方の小さな会社で成功すれば他でも成功する可能性が高いというモデルケースという見方もできるでしょう。
また、実際のニーズから作られた実用性の高さも強みと言えます。高額で高度なソリューションは地方の中小企業にはオーバースペックで使いこなせないケースがありますが、同社は、地方の現場から生まれたサービスであるがゆえの強さを持っています。

クラウドサービスも、現場に近いところを握っているサービスは時流に流されない強さがあります。

同社のアプリケーションの進化と、資本提携した、JR西・ドコモ・Japantaxi(及び日本交通)が地方中小のタクシー会社に商機を見い出しているということで、そこの戦略も気になるところです。

大手の地方への出資のモデルケースとしても注目の投資と言えそうです。

(編集:創業手帳編集部)

カテゴリ 便利なサービス
関連タグ クラウドサービス 地方創生 提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!

便利なサービスの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

まちごとホテル「SEKAI HOTEL」を展開する「クジラ」が1.5億円調達
2025年11月14日、クジラ株式会社は、総額1億5000万円の資金調達を発表しました。 クジラは、リノベーション起点のまちごとホテル「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」を展開しています。 商店…
ファッションアプリ「IQON」運営の「VASILY」がスタートトゥデイの子会社に
平成29年10月19日、株式会社VASILYは、株式会社スタートトゥデイの傘下入りに合意したことを発表しました。 スタートトゥデイは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」などを運営しています…
労務相談プラットフォーム「HRbase PRO」を提供する「Flucle」が2.3億円調達
2024年9月26日、株式会社Flucleは、総額約2億3000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Flucleは、労務相談プラットフォーム「HRbase PRO」を提供しています。 社会保…
マルチモバイル決済プラットフォーム「elepay」などを展開する「ELESTYLE」が「三井住友カード」と資本業務提携
2024年3月4日、ELESTYLE株式会社は、三井住友カード株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 モバイル決済ソリューションを中心としたFintechの領域の推進における協業につ…
ソーシャルギフト「giftee」の運営元が5.8億円調達!
平成30年4月2日、株式会社ギフティは、総額5億8,400万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ソーシャルギフトサービスの「giftee」や、法人向けのオリジナルギフトの販売システム「e-Gi…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集