注目のスタートアップ

腸内細菌研究にもとづいた医療・創薬を推進する「メタジェンセラピューティクス」が23.2億円調達

company

2025年9月8日、メタジェンセラピューティクス株式会社は、総額23億2000万円の資金調達を発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は42.6億円となりました。

メタジェンセラピューティクスは、「腸内細菌叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)」の社会実装を通じ、腸内細菌医療を届けることを目指しています。

2025年4月に、腸内細菌ドナーによる便提供のための「つるおか献便ルーム」を山形県鶴岡市に開設しました。

また、2025年5月に「FMT治験薬製造センター」を神奈川県川崎市に開設し、FMTのための日本発のマイクロバイオーム医薬品(FMT医薬品)の開発を進めています。

今回調達した資金は、現在開発を進めている潰瘍性大腸炎と対象とした「経口FMT医薬品」の開発加速、便調達や治験薬製造を中心としたサプライチェーンの強化、組織体制の強化、人材拡充などに活用します。


腸内細菌叢(腸内フローラ)は、腸内に共生する多種多様な細菌群を指します。近年の研究により、潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病をはじめ、糖尿病、肥満、アレルギー疾患、精神疾患、便秘、過敏性腸症候群など、さまざまな病態と腸内細菌叢のバランス異常との関連性が明らかになっています。

こうした知見を背景に、腸内細菌叢を積極的に再構築する治療法として注目されているのが、健康なドナーの便を用いる腸内細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation:FMT)です。海外では従来療法を上回る効果が報告され、革新的な医療技術として広がりつつあります。

日本でも2023年4月、潰瘍性大腸炎患者を対象に公的保険適用の先進医療として初めてFMTが実施され、既存治療との併用による安全性と有効性が検証されました。

今後FMTを普及させるには、ドナーの便を体系的に収集・管理する腸内細菌叢バンクの整備が不可欠です。メタジェンセラピューティクスはこのバンク構築を主軸に据えつつ、マイクロバイオームを活用した医薬品開発にも取り組んでいます。

企業・事業の大きな成長には戦略的な資金調達や提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ Fecal Microbiota Transplantation FMT FMT医薬品 FMT治験薬製造センター サプライチェーン つるおか献便ルーム マイクロバイオーム創薬 メタジェンセラピューティクス リバーストランスレーショナルリサーチ 創薬 医療 医薬品 株式会社 治験 潰瘍性大腸炎 研究 研究開発 腸内フローラ 腸内細菌 腸内細菌医療 腸内細菌叢 腸内細菌叢バンク 腸内細菌叢移植 臨床研究 資金調達 開発
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

自由診療クリニック特化型DXツールを提供する「B4A」が資金調達
2025年7月9日、株式会社B4Aは、資金調達を発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は13.2億円となりました。 B4Aは、自由診療クリニック特化型DXツール「B4A(ビーフォーエー)」を…
定額制美容皮膚科「HADA LOUNGE クリニック」のプロデュース事業などを展開する「Neautech」が6億円調達
2022年5月23日、株式会社Neautechは、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Neautechは、定額制美容皮膚科「HADA LOUNGE クリニック」のプロデュース事業や、…
卸売・仕入ワンストップ取引を実現するBtoBコマースプラットフォーム「グッズ」を提供する「goooods」が4億円調達
2024年9月17日、goooods株式会社は、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 goooodsは、卸売・仕入がワンストップで完結するBtoBコマースプラットフォーム「グッズ」を提供…
開業・経営支援サービス「CLINIC Support」において無料の診療圏データ「クリニック開業マップ」がリリース
2019年12月13日、メドピア株式会社は、「CLINIC Support」において「MedPeerクリニック開業マップ」機能を提供開始したことを発表しました。 「CLINIC Support」は、開…
「ライナフ」が遠隔からスマート・ロック/エントランスを操作・管理できる「スマートブッキング」をリニューアル
2020年5月15日、株式会社ライナフは、「スマートブッキング」をリニューアルして提供開始したことを発表しました。 「スマートブッキング」は、遠隔からスマート・ロックやスマート・エントランスを操作・管…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集