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2025年6月11日自然由来のカーボンプロジェクトのためのdMRVソリューションを開発する「Archeda」が資金調達

2025年6月10日、株式会社Archedaは、資金調達を発表しました。
Archedaは、森林・農業・ブルーカーボンなどの自然由来のカーボンクレジット創出プロジェクトにおいて、モニタリング・報告・検証(MRV)プロセスの信頼性向上と効率化を革新する、衛星データとAIを利用したdMRVソリューションを開発しています。
衛星データとAI解析を活用し、プロジェクト対象地の環境変化、炭素吸収量のモニタリング、適地選定・適格地調査、ベースライン評価などを高精度かつ効率的に実施できるシステムを開発・提供しています。
現在、アジア地域を中心とする複数のパイロットプロジェクトで実証や技術提供を進めています。
今回調達した資金は、解析エンジン・プロダクトの開発加速、事業開発人材の採用強化、リモートセンシングデータ解析エンジニアの採用・体制構築、管理部門の人材拡充などに活用します。
MRVとは、「測定(Measurement)・報告(Reporting)・検証(Verification)」の頭文字を取ったもので、カーボンクレジットなどの気候変動対策において、排出削減量や吸収量を正確に把握し、透明性をもって報告し、その内容を第三者が確認する一連のプロセスです。
MRVは、カーボンプロジェクトの効果を適切に示すために欠かせない仕組みです。排出削減や吸収量がどれだけ実現されたかを明らかにすることで、プロジェクトの環境貢献を正確に評価できます。また、信頼性の高いMRVがあることで、クレジットの取引が成立しやすくなり、投資家や関係者からの信頼を得ることが可能になります。
従来のMRVには、いくつかの課題があります。データの収集や算定が手作業で行われることが多く、人的なミスや恣意的な操作が入りやすい点が挙げられます。また、報告形式の標準化が不十分なため、プロジェクト同士の比較が難しい場合があります。さらに、第三者による検証には多くの時間と費用がかかるため、小規模なプロジェクトにとっては大きな負担となっています。こうした要因が、MRVの信頼性や実施効率を下げる要因となっています。
dMRV(デジタルMRV)は、これらの課題をテクノロジーの活用によって解決しようとする取り組みです。衛星データ、IoTセンサー、ブロックチェーン技術などを活用することで、データの取得や処理を自動化・効率化することができます。これにより、測定の精度が高まり、報告の透明性も向上します。また、デジタルデータは改ざんが困難であり、共有も容易なため、検証作業の迅速化やコスト削減にもつながります。dMRVは、今後のカーボンクレジット市場において、信頼性と拡張性を両立するための重要な手法となっています。
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