注目のスタートアップ

革新的核融合炉の実現を目指す「LINEAイノベーション」が17.5億円調達

company

2025年6月2日、株式会社LINEAイノベーションは、総額17億5000万円の資金調達を発表しました。

LINEAイノベーションは、中性子を出さず安全でシンプルな革新的核融合炉の実現を目指しています。

燃料には、軽水素とホウ素11(p-11B)を用い、これにより中性子を出さない先進燃料核融合(p-11B核融合)の研究開発に取り組んでいます。

今回調達した資金は、開発を進める中性子を出さない先進燃料核融合(p-11B核融合)において、FRCミラーハイブリッド方式による早期の反応実証に向けた研究開発の推進と体制強化に活用します。

中期的には、2030年代初頭までに発電実証を完了し、商業化への移行を目指しています。


SDGs(持続可能な開発目標)の推進により、世界的にクリーンエネルギーの実現が重要な課題となっています。

そのなかで、注目を集めているのが原子炉の一種である核融合炉です。

現在広く利用されているのは、ウランやプルトニウムの核分裂反応を利用した核分裂炉ですが、核融合炉は水素やヘリウムの核融合反応によってエネルギーを得るもので、仕組みが根本的に異なります。

核融合炉には、エネルギー効率の高さ、重大事故のリスクが低いこと、燃料として海水中の重水素が利用できること、高レベルの放射性廃棄物を出さないこと、CO2を排出しないことなど、多くの利点があります。

ただし、その技術は非常に高度で、これまで実用化には長い年月と莫大な資金が必要とされてきました。しかし近年では、クリーンエネルギー分野への投資が活発になり、核融合炉の実現を目指すスタートアップも登場しています。こうした動きを背景に、核融合技術は世界的に大きな注目を集めつつあります。

一方、核融合炉は、クリーンエネルギーの実現と安全性の観点から、中性子による放射化・廃棄物の発生という課題を抱えています。

核融合炉、とくにDT(重水素–トリチウム)反応では、高エネルギーの中性子が大量に発生します。この中性子が炉内の構造材料に衝突すると材料が放射化(放射能を帯びること)します。つまり、放射性廃棄物が発生するため、将来的な廃炉やメンテナンスに制限が生じます。

この課題を解決するためLINEAイノベーションは、中性子を出さない革新的な核融合炉の実現を目指しています。

革新的な技術を実現するには資金調達を成功させることが重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ LINEAイノベーション p-11B核融合 エネルギー クリーンネルギー 先進燃料核融合 株式会社 核融合炉 次世代エネルギー 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

介護施設向け医療相談・夜間オンコール代行サービス提供の「ドクターメイト」が10億円調達
2022年5月23日、ドクターメイト株式会社は、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ドクターメイトは、オンラインでの医療相談サービスと夜間オンコール代行サービスを組み合わせた、介護施…
モノの貸し借りサービス「Alice.style」などを展開する「アリススタイル」が資金調達
2024年11月18日、株式会社アリススタイルは、資金調達を実施したことを発表しました。 アリススタイルは、モノの貸し借りアプリ「Alice.style(アリススタイル)」や、手ぶら旅行事業「Alic…
出世払い型(ISA)テックセールス養成スクール「TECH SALES CAMP」開発の「WorX」が4,000万円調達
2021年7月29日、WorX株式会社は、総額約4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 出世払い型(ISA)テックセールス養成スクール「TECH SALES CAMP」を開発しています…
健康管理システム「Carely」を開発・運営の「iCARE」が15億円調達
2020年12月9日、株式会社iCAREは、総額15億円の資金調達を実施したことを発表しました。 健康管理システム「Carely」を開発・運営しています。 健康診断・ストレスチェック・長時間労働対策と…
植物性卵(プラントベースエッグ)「UMAMI EGG」を開発する「UMAMI UNITED」が2.4億円調達
2023年8月23日、UMAMI UNITED JAPAN株式会社は、総額2億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 UMAMI UNITEDは、BtoBを対象に加工度が低い原料素材と…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集