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マンガに特化したローカライズ支援ツールを開発する「オレンジ」が29.2億円調達

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2024年5月7日、株式会社オレンジは、総額29億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

オレンジは、マンガに特化したローカライズ支援ツールを開発しています。

AIによってマンガの外国語版データのベースを生成し、その後プロフェッショナルの翻訳家/写植家が仕上げを行い、効率的にマンガの大量翻訳を実現します。

このシステムにより、翻訳出版量を従来の10倍から100倍に増加させることを目指しています。

また、2024年3月に米国法人の設立を完了しており、2024年夏から翻訳した作品を広めるための電子マンガストア「emaqi」の運営を行う予定です。

「emaqi」は、新旧問わず幅広いジャンルの作品を取り扱うマンガ専門の電子ストアです。レコメンド機能により新たな作品との出会いを創出すること、ファンによるキュレーション機能、マニア・作者による作品紹介などを特徴としています。

今回の資金調達により、自社ツールを用いたマンガ翻訳の規模を拡大し、月間500冊の翻訳を目指します。


公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、2023年のコミック市場の市場規模は、約6,900億円(前年比2.5%増)となりました。

また、媒体別では、紙が約2,100億円(前年比8.0%減)、電子書籍が約4,800億円(前年約7.8%増)となり、電子書籍の成長がうかがえます。

日本のマンガ・アニメ作品は海外でも高い評価を受けていますが、実際に公式に翻訳されて出版されている作品は限られています。一方で、有志によって翻訳され、海賊版として出回っている作品はそれ以上に多く、出版業界において損失が発生していることが課題となっています。

しかしながら、近年はアニメ業界でローカライズ配信の取り組みが推進され、海外市場の獲得に成功し、アニメ市場の拡大につながっているという現状があります。

このような背景から、漫画業界でもローカライズの推進が求められているのですが、漫画はその表現(手書きフォント・独特な口語・複雑な文脈・右開き・縦書きなど)により、通常の翻訳よりも時間とコストがかかるという特徴があり、翻訳量を増加させることが難しいという課題を抱えています。

オレンジはこの課題を解決するため、マンガに特化したローカライズ支援ツールによりマンガの大量翻訳の実現を目指しています。

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