注目のスタートアップ

廃棄漁具のアップサイクルにより新たな製品を作る「amu」が7,500万円調達

company

2024年4月4日、amu株式会社は、総額7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

amuは、漁業者の負担を軽減しながら、廃棄漁具が海に流出する前に回収し、再資源化することを目指しています。

2028年までに1,000トンを目標に全国で漁具の回収を進めています。今年中に漁具からアップサイクルしたナイロン素材ブランド「amuca(アムカ)」を完成させる予定です。

今回の資金は、「amuca」の製造、マーケティング、漁具の回収、新規事業検証、海外展開、チームメンバーの強化などに充当します。


現代社会にとってなくてはならない存在であるプラスチック製品は、自然環境では数百年程度分解されずに残ってしまうことが問題視されています。

とくに海は多くのゴミが最終的に行き着く場所であり、プラスチックによる海洋汚染が世界的に問題となっています。

こうした海洋中にあるプラスチックゴミは、海洋生物が餌と間違えて食べてしまったり、海洋生物に巻き付いてしまったりなど、さまざまな問題の原因となっています

現在、世界の海に存在しているといわれるプラスチックゴミは、計1億5,000万トンであり、年間800万トンが新たに流入していると推定されています。

そして日本における海洋プラスチックのうち、多くの割合を占めるのが、商業用漁網やロープなどの漁具であるという試算があります。

したがって漁業における環境対応を進めて行くには、廃棄漁具を回収し、適切に処理をすることが求められています。

しかし近年は、海洋環境が大きく変化しており、日本はこの影響を受け、過去30年の間に漁業生産量がほぼ半減しています。厳しい経営環境におかれている漁業者において、廃棄物処理は大きな負担としてのしかかってきています。

また漁具は、ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン・テトロンなど、複数の素材でつくられており、利用された漁具は塩分を含んでいることから、リサイクルするためのインフラは整備されていないという課題を抱えています。

このような背景のもとamuは、廃棄漁具を回収し、その再資源化を目指しています。

amu株式会社のコメント

このニュースを受けまして、amu株式会社よりコメントが届きました。

加藤広大(かとう・こうだい)
amu株式会社 代表取締役
1997年、神奈川県小田原市生まれ。
東京都内の大学中退後、株式会社サイバーエージェントに入社。
2019年6月気仙沼に移住し、地域おこし協力隊制度を活用しながら事業の種を探す。
廃棄漁具を回収、資源化するamu株式会社を2023年に設立。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

廃漁具からできたナイロン素材ブランド「amuca」の製造費、より全国的に漁具を調達する回収費、新しいチームメンバーを加えるために使用したいと考えております。

・今後の展望を教えてください。

廃棄漁具のリサイクルといえばamuというポジションを確立していきたいと考えております。

そのためには現在回収しているナイロン製の漁具だけでなくあらゆる素材の漁具を資源化してまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

私たちamuは環境問題にアプローチしていると考えられることが多いですが、実は「廃棄漁具が素材になった方が面白い」を愚直に信じてビジネスを行っているだけです。

きっと廃棄漁具由来の素材が面白いと認められたら環境問題も解決の方向に向かっているはずです。

こんな考え方をしている私たちですが、現在全方面で採用強化中ですので少しでも興味を持ってくださったらご連絡いただけると大変嬉しいです。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ amu amuca BtoB アップサイクル アムカ ナイロン素材 リサイクル 再資源化 回収 廃棄漁具 廃棄物 廃漁網 株式会社 漁具 漁業 漁網 産業廃棄物 製品 資源 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

EC事業者と譲受ブランドの売上最大化を実現する「ACROVE」が20億円調達
2024年9月12日、株式会社ACROVEは、総額20億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ACROVEは、CX(コマーストランスフォーメーション)事業や、ECロールアップ事業を展開しています…
人的資本/ウェルビーイング経営支援の「ラフール」が資金調達
2024年5月20日、株式会社ラフールは、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は30億円となりました。 ラフールは、適性検査ツール「テキカク」や、組織改善サーベイ「…
クラウド郵便受取サービス「atena」提供の「N-Technologies」が1億円調達
2021年9月13日、株式会社N-Technologiesは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 クラウド郵便受取サービス「atena(アテナ)」を提供しています。 クラウド住所を発…
成長企業向け法人カードを提供する「UPSIDER」が資金調達
2024年11月20日、株式会社UPSIDERは、資金調達を実施したことを発表しました。 シリーズDラウンドにてエクイティ55億円、2024年初からの累積デット調達99億円を含む、総額154億円の資金…
検査AIのノーコード開発ツール「MENOU-TE」など提供の「MENOU」が2.5億円調達
2022年1月11日、株式会社MENOUは、総額約2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 検査AIのノーコード開発ツール「MENOU-TE」や、検査AIの総合的な導入支援サービス「…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集