注目のスタートアップ

蚕由来タンパク質を用いたヒト・動物用の経口ワクチンを開発する「KAICO」が2.9億円調達

company

2024年1月19日、KAICO株式会社は、総額2億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

KAICOは、蚕でつくったタンパク質抗原を用いて、ヒト用・動物用の経口ワクチンを開発しています。

2023年9月、KAICOの「ブタ用経口ワクチン・飼料添加物の事業化に伴う製造基盤技術開発」事業が、NEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業」に採択されています。

今回の資金調達により、ベトナムにおいてブタ用経口ワクチンを飼料添加物として販売開始します。また、ベトナムを足がかりとしてアジアを中心とした他国への横展開を目指します。

ブタ以外にも養殖魚や愛玩動物向けの経口ワクチンについても開発を行っており、それぞれ実証実験フェーズに進んでいます。


医薬品の中には、微生物や動物細胞の機能を利用して発酵や培養などの手法で製造されるバイオ医薬品というものがあります。

バイオ医薬品は従来の医薬品と比較して、高い薬効、低い副作用、治療対象の拡大といったメリットがあり、世界的に研究開発が進められています。

KAICOは、一部のカイコ由来タンパク質において、経口摂取してもアミノ酸に分解されないものがあることを発見し、経口ワクチンの開発と社会実装を目指しています。

ワクチンは感染症を予防するもっとも重要で効率的な手段です。

一方で、ワクチンは注射によって投与されるものがほとんどです。

注射は、注射時の緊張やストレスなどによって失神などを引き起こしてしまう血管迷走神経反射が起きる可能性があります。ほかにも医療従事者による投与が必要となる、管理に冷蔵庫等が必要であり、ドラッグストアなどに置くことができない、といった課題を抱えています。

ワクチンが経口投与されないのは、消化管内の食べ物や他の薬の存在などによって、薬の吸収量や吸収速度が左右され、その効果にばらつきが生じてしまうためです。

したがって、経口投与でも効果が低減したりしないワクチンの開発が求められています。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ KAICO ウイルス カイコ タンパク質 ディープテック バイオ医薬品 ヒト ブタ ワクチン 創薬 動物 医療 実証実験 株式会社 経口ワクチン 資金調達 難発現性タンパク質
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

特定技能管理クラウドサービス「SMILEVISA」を提供する「CROSLAN」が資金調達
2023年7月19日、株式会社CROSLANは、資金調達を実施したことを発表しました。 CROSLANは、特定技能管理クラウドサービス「SMILEVISA」を提供しています。 クラウド上で特定技能外国…
船舶の自動運転技術を開発する「エイトノット」が地域金融機関から資金調達
2022年12月19日、株式会社エイトノットは、広島ベンチャーキャピタルを引受先としたJ-KISS型新株予約権方式によるエクイティファイナンス、および池田泉州銀行から借入によるデットファイナンスを組み…
1on1支援サービス「Ando-san」や組織開発コンサルティングなどを提供する「シンギュレイト」が4481万円調達
2025年2月26日、株式会社シンギュレイトは、総額4481万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シンギュレイトは、1on1支援サービス「Ando-san」や、組織診断「イノベーション・サーベ…
C向けセールアンドリースバックサービス「CASHARi」運営の「ガレージバンク」が1億円調達
2021年10月13日、ガレージバンク株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 C向けセールアンドリースバックサービス「CASHARi(カシャリ)」を開発・運営しています。 ファ…
システムマネジメント事業を主軸とするMSP事業者「アイティーエム」が「テリロジーホールディングス」と資本業務提携
2023年5月25日、アイティーエム株式会社は、株式会社テリロジーホールディングスと、資本業務提携を締結したことを発表しました。 アイティーエムは、さくらインターネットグループの事業会社で、MCSSP…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集