注目のスタートアップ

サブサハラアフリカの小規模農家の所得向上を目指す「Degas」が9.7億円調達

company

2023年12月13日、Degas株式会社は、総額9億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Degasは、モバイルアプリなどのプロダクト、現地オペレーションを活かしたデータ収集、AIを駆使した与信判断により、アフリカの小規模農家向けにファイナンスを提供しています。2023年度は27,000件にファイナンシングを行っています。

2022年からネスレ社と提携し、アフリカ版リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の手法確立を目指し、検証実験を実施しています。投下肥料量を減らすことで生産コストを下げると同時に、質の高いカーボンクレジットとして小規模農家に新たな追加収入源を生み出します。

また、構築した農家ネットワークに第三者機関からの融資機会や、追加収入の機会を提供する事業にも着手しています。今期は、欧州系マイクロファイナンス機関と提携し、形成した与信をもとに農家への融資の誘致を行っています。

今回の資金調達により、既存の農家ファイナンス事業を拡大させるとともに、開発したプラットフォームを展開し、脱炭素事業のスケール化、マーケットプレイス形成事業に注力します。


2015年9月の国連サミットで全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、「飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」が目標として掲げられました。

2021年時点での世界の栄養不足人口は約7億人から約8億人と推計され、その蔓延率は9.8%に上昇しています。

コロナ禍は各国間および国内の格差を悪化させ、世界の飢餓問題は一層深刻化しています。2030年に向けても、依然として約6.7億人が飢餓に直面すると予測されています。

世界の栄養不足人口割合ランキングでは、トップ10のうちアフリカ諸国が6か国ランクインしており、その中で最も栄養不足人口割合が高いのは中央アフリカ共和国で、その割合は59.6%に達しています。

サブサハラアフリカにおける飢餓の主な要因は紛争や気候変動であり、これらの課題を解決するためには、先進国による支援が不可欠です。

近年は、SDGsの推進やESG投資により、アフリカでも社会課題を解決する事業に資金が注がれるようになっています。

こうした中、Degasは、テクノロジーと現地オペレーションを活かしたデータ収集などにより、これまで一般的な金融機関の融資対象にならなかったアフリカの小規模農家向けにファイナンスを提供し、事業の成長をサポートしています。

食糧危機など大きな社会課題を解決するためには、政府やNGOなどの取り組みだけでなく、ビジネスにより持続的に利益を上げられる仕組みを構築することも重要です。しかし社会課題解決型ビジネスはビジネスとして成立させるために大きなハードルがあります。「冊子版創業手帳」では、社会課題の解決を目指すさまざまな起業家のインタビューを掲載しています。先人がどのように困難を乗り越えてきたかを知ることは、ビジネスの成長につながるはずです。

また、事業を成長させるには資金調達も重要な要素です。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ DX アフリカ カーボンクレジット サブサハラアフリカ ファイナンス リジェネラティブ農業 小規模農家 株式会社 環境再生型農業 脱炭素事業 資金調達 農家 農業 農業資材
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

デザイン思考のITサービスを展開する「Freewill」が音声のメタバースを開発する「Audio Metaverse」と業務提携
2022年9月10日、株式会社Freewillは、Audio Metaverse株式会社(旧:株式会社ドキドキ)と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 Freewillは、ICTエンジニアリン…
ハンドメイドマーケットプレイス「Creema」運営の「クリーマ」が「浜松磐田信用金庫」と業務提携
2022年8月26日、株式会社クリーマは、浜松磐田信用金庫と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 クリーマは、ハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」や、「Creema」と連…
飲食店と卸売業者をつなぐ受発注プラットフォーム「クロスオーダー」提供の「クロスマート」が2.7億円調達
2021年2月22日、クロスマート株式会社は、総額2億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 飲食店と卸売業者をつなぐ受発注プラットフォーム「クロスオーダー」を運営しています。 受発注…
住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営する「MFS」が12億円調達
2022年11月18日、株式会社MFSは、総額約12億円の資金調達を実施したことを発表しました。 MFSは、住宅ローン提案サービス「モゲチェック」、オンライン不動産投資サービス「INVASE(インベー…
サポート付き貸し農園「シェア畑」など運営の「アグリメディア」が3.5億円調達
2021年3月10日、株式会社アグリメディアは、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 アグリメディアは、サービス・サポート付きの市民農園「シェア畑」などの農地活用事業や、農業…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集