注目のスタートアップ

生殖補助医療の自動化システムを開発する「アークス」がNEDO DTSU STSフェーズに採択

company

2023年9月21日、株式会社アークスは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)が実施した、2023年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)/STSフェーズ」(NEDO DTSU STS)に係る第1回公募において、採択されたことを発表しました。

アークスは、AIやロボット技術を活用した、生殖補助医療(ART)の自動化機器を開発しています。

今回の資金調達により、生殖補助医療の自動化システム開発の研究開発を加速させます。


国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査」(2015年)によれば、夫婦のうち不妊を気にかけたことがある、または現在心配している夫婦の割合は35.0%であり、子供のいない夫婦の場合、この割合は55.2%にも上ります。

さらに、実際に不妊検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%であり、子供のいない夫婦に焦点を当てると、この割合は28.2%に達します。これは、おおよそ5組に1組が不妊検査や治療の経験があることを示しています。

少子化は日本や先進国における深刻な問題のひとつです。したがって、子供を望みながらも妊娠できないという「不妊」に関する医療のニーズは今後も高まることが予想されます。

2022年4月からは、国内で一般的な不妊治療に対する保険適用が始まり、これには人工授精などの「一般不妊治療」、体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療」が含まれます。今後も保険適用される不妊治療の増加が見込まれています。

国内でもっとも実施されている生殖補助医療のひとつは体外受精です。以前は公的医療保険の対象外であり、1回あたりの費用は約50万円と高額でしたが、日本は世界で体外受精の実施件数がもっとも多く、2019年には14人に1人(約6万人)が体外受精によって誕生しました。

一方で、生殖補助医療においては、クオリティや成功率の向上に課題を抱えています。

生殖補助医療には胚培養士と呼ばれる専門家による一連の作業が必要であり、顕微授精などの高度な技術が多くの工程で求められます。このため、胚培養士のスキルによって受精率などが変動するという問題があります。

アークスはこの課題を解決するため、生殖補助医療の自動化機器を開発しています。

事業の拡大には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ AI ART BtoB NEDO NEDO DTSU STS アークス ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)/STSフェーズ ロボット ロボティクス 不妊治療 体外受精 採択 株式会社 生殖補助医療 自動化 資金調達 顕微授精
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

農業支援・青果卸売事業展開の「Happy Quality」が1億円調達
2020年2月28日、株式会社Happy Qualityは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 農業における社会課題を、テクノロジーで解決するため、データドリブン農業の研究開発を行って…
自律走行型ロボットで野菜を作る「レグミン」が1億円調達
2019年1月22日、株式会社レグミンは、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 葉物野菜の播種(種まき)から収穫までの作業を自動化するロボットを開発しています。 ロボットは障害物や野菜の位置…
決裁者マッチング支援SaaS「ONLY STORY」運営の「オンリーストーリー」が13億円調達
2021年4月14日、株式会社オンリーストーリーは、総額約13億円の資金調達を実施したことを発表しました。 登録している決裁者と直接マッチングできるSaaS「ONLY STORY」を運営しています。 …
NFT検索プラットフォーム「NFT iD」開発の「Masentic」が資金調達
2022年3月16日、株式会社Masenticは、資金調達を実施したことを発表しました。 NFT検索プラットフォーム(NFTソーシャルエクスプローラー)「NFT iD」を開発しています。リリースは3月…
メタバースでの士業サービスを展開する「Robot Consulting」が資金調達
2023年5月29日、株式会社Robot Consultingは、資金調達を実施したことを発表しました。 Robot Consultingは、人事労務・助成金申請の補助システム「労務ロボ」の提供、メタ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集