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プラスチック燃料を用いた人工衛星用推進系(エンジン)を開発する「Letara」がNEDOの支援事業に採択 2.4億円の助成

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2023年9月14日、Letara株式会社は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のディープテック・スタートアップ支援事業に採択され、約2億4,000万円の助成を受けることが決定したと発表しました。

Letaraは、プラスチック燃料を用いた人工衛星用推進系(エンジン)を開発する北海道大学発ベンチャーです。

北海道大学で20年以上にわたって研究されてきた技術を応用したプラスチックを燃料にした高推力・安全・安価な人工衛星用推進系を開発しています。

今回の助成金を活用し、超小型人工衛星向けハイブリッド化学推進の開発などを進めます。

2025年以降の製品化・販売開始を目指しています。


2010年における世界の宇宙ビジネス市場規模は約27兆円でしたが、2019年には約40兆円にまで成長しました。今後、2040年代には市場規模が100兆円以上に達すると予測されています。この成長の一因は、超小型衛星の開発が進んだことにあります。

従来の中大型人工衛星は、数百キログラムから数トンの重量がありましたが、現在は1キログラムから数十キログラムの小型の人工衛星が実現されています。小型化により、打ち上げコストの低減やロケットの小型化・低コスト化などのメリットが生まれています。このため、世界の人工衛星の打ち上げ数は増加しており、2011年に129機だった打ち上げ数は、2021年には1,809機に達しています。

現在打ち上げられている多くの小型人工衛星は、衛星の軌道や姿勢を制御するための推進系を搭載していません。

これは、高い推進力を得られる燃料(主に液体燃料)は爆発性・可燃性があり安全管理にコストがかかること、安全な燃料は充分な推進力を得られないことが理由です。

もし小型衛星でも軌道を変えることができれば、より幅広い衛星サービスなどを実現することが可能となります。

Letaraは、小型衛星のこの課題を解決するため、プラスチック燃料を利用した推進系を開発しています。

プラスチック燃料は素手で扱えるほど安全な燃料であるほか、廃プラスチックなどを活用することで安価を実現できるという特徴があります。

研究開発を続けるには、多くの資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、創業期の資金調達について詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
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