注目のスタートアップ

顕微鏡検査へのAI活用による病気の早期発見や治療の精密化を目指す「CYBO」が4億円調達

company

2023年6月14日、株式会社CYBOは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。

CYBOは、細胞画像をAIで解析して目的細胞を分取する画像活性セルソーター「ENMA」や、病理医や細胞検査士の業務を支援するAI医療機器「SHIGI」を開発しています。

基盤技術である高速イメージング、リアルタイムAI、高速メカ制御を強みとし、高速撮像や細胞解析AIなどの技術を駆使して顕微鏡検査を効率化するソリューションを開発しています。

今回の資金は、「SHIGI」をベースとしたAI医療機器の開発・事業化の推進に充当します。


顕微鏡は肉眼では見えない小さいものを見えるようにする装置であり、科学や医学の基本的な道具のひとつです。

臨床の現場では顕微鏡によってさまざまな検査が行われています。疾患の原因を特定することに重要な役割を果たすこともあります。

たとえば、がんの確定診断においては、検体を採取し、病理診断によって病気を確定します。病理診断とは、人体から採取された標本を顕微鏡で観察し、病変の有無や種類を診断するものであり、専門的な知識を持つ病理専門医が主に担当します。

一方、こうした顕微鏡検査は担当する専門家のスキル・経験に依存する部分が多く、クオリティや効率化に課題を抱えています。

CYBOは、この課題を解決するため、顕微鏡検査においてAIを活用したソリューションを開発しています。

また、顕微鏡検査は臨床だけでなく、創薬などの探索研究においても重要であり、CYBOのソリューションは、研究開発の高度化・効率化にも役立ちます。

株式会社CYBOのコメント

このニュースを受けまして、株式会社CYBO 代表取締役社長 新田尚氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

当社は細胞を高速でデジタル撮像してAI解析する技術を持ち、これを子宮頸がん検診などへ応用するための技術開発を進めています。

今回調達した資金で、この技術を医療機器として製品化し、実社会でお役に立てることを目指します。

・今後の展望を教えてください。

細胞の解析技術を極めて、がんや脳梗塞、心筋梗塞の予防診断をはじめ、社会に役立つ事業を育てたいです。

さらに、病気に国境はないので、日本で培った技術を世界に展開していきたいです。

・読者へのメッセージをお願いします。

会社を立ち上げてから5年間、なかなか期待通りにいかないこともたくさんありましたが、今回の調達で次ステップへチャレンジする機会を頂けました。

様々な方々とのご縁を大切にして、あきらめずに事業を進めてきたことが、この結果に至った要因と考えています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ AI医療機器 CYBO イメージング セルソーター 医療機器 画像 画像活性セルソーター 病理医 細胞 細胞検査士 細胞画像 顕微鏡 顕微鏡検査
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

医療用画像処理ソフトウェア「Holoeyes MD」や医療VRサービス提供の「Holoeyes」が資金調達
2021年11月5日、Holoeyes株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 医療用画像処理ソフトウェア「Holoeyes MD」を提供しています。 CT・MRIなどから得られた画像情報を…
便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療の研究開発を行う「イノバセル」が7億円調達
2022年5月9日、イノバセル株式会社は、総額7億円の資金調達を実施したことを発表しました。 イノバセルは、切迫性・漏出性便失禁、腹圧性尿失禁を治療するための細胞治療薬の研究開発を行っています。 たっ…
自身の外見をAIで置き換えリアルタイムにトラッキングして動かす「xpression camera」を開発・提供する「EmbodyMe」を支援プロジェクト「Hybrid Technologies Capital」の第17弾支援先として選定
2023年8月24日、株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、スタートアップの事業成長を目的として出資とエンジニアリソースの提供を行う支援プロジェクト「Hybrid Technologies Capit…
汗中の乳酸濃度を測定できるウェアラブルデバイス開発の「グレースイメージング」が2億円調達
2021年8月27日、株式会社グレースイメージングは、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 汗中の乳酸濃度を測定・可視化できるウェアラブルデバイスである汗乳酸センサを開発しています。 …
病理AIソフトウェア「DeepPathFinder」を提供する「biomy」が「新日本科学」と資本業務提携
2024年7月18日、株式会社biomyは、株式会社新日本科学と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 biomyは、病理画像のAI解析を駆使し、個別化医療の実現を目指しています。 プロダクト…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集