注目のスタートアップ

調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi」を提供する「カケハシ」が18億円調達

company

2023年3月29日、株式会社カケハシは、総額約18億円の資金調達を実施したことを発表しました。

これによりシリーズCラウンドでの資金調達は終了し、合計の調達額は約94億円となりました。

カケハシは、調剤薬局向け電子薬歴システム「Musubi(ムスビ)」、薬局向けデータプラットフォーム「Musubi Insight」、患者フォローアップアプリ「Pocket Musubi」、医薬品在庫管理・発注システム「Musubi AI在庫管理」を提供しています。

「Musubi」は、タブレット端末を見ながら患者と一緒に服薬指導をすることで、その場で薬歴のドラフトを自動作成し、患者の健康状態・生活習慣に応じたアドバイスを提示する電子薬歴システムです。電子薬歴による業務効率化だけでなく、患者への提供価値向上も実現しています。

今回の資金は、開発体制強化に向けたエンジニア採用、サービス導入支援・カスタマーサポート体制の強化、新規事業を推進する子会社の立ち上げに充当する予定です。


国内の医療では、薬剤の処方を医師が行い、処方箋にもとづいて調剤・薬歴管理・服薬指導を薬剤師が行う医薬分業が制度として定着しています。

医薬分業は、医師と薬剤師の役割を明確に分業することで、不適切な投薬などを防ぐほか、患者に具体的で継続的な服薬指導を行えるというメリットがあります。

一方、国内の医薬分業は形骸化している側面があります。たとえば、調剤薬局は病院の近くに店舗を構え、薬剤の調製といった対物中心の業務を行うだけで事業が成り立っていました。

近年は高齢化の進展もあり、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築の実現が急務となっています。

そして、薬剤師・調剤薬局も医療・介護・予防の一翼を担い、医療において適切な役割を果たしていくことが求められています。

こうした中、政府は2015年あたりから、患者ファーストの医薬分業の実現のため、かかりつけ薬剤師・薬局を推進しています。

具体的な取り組みのひとつとしては、診療報酬改定により、特定の医療機関からの処方箋の割合が大多数だった場合、調剤報酬が引き下げられるようになりました。これにより調剤薬局はより多様な患者に向けたサービスの提供が必要となっています。

より多様な患者に向けたサービスの提供のためには、薬歴などを記録・活用するためのシステムが必要です。これが電子薬歴システムや服薬指導支援サービスのニーズが高まっている要因のひとつです。

カケハシは、電子薬歴システム「Musubi」などを通じ、薬局の業務効率化、経営管理に役立つ各種データの可視化、アプリによる服薬のフォロー、来客促進など、薬局DXを推進しています。

創業期はなにもない状態からはじまるため、最新のシステムを導入するのにうってつけです。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ DX Musubi カケハシ システム デジタルトランスフォーメーション ムスビ 在庫管理 服薬指導 株式会社 業務効率化 薬剤師 薬局 薬局DX 調剤 調剤薬局 資金調達 電子薬歴
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

オフショアを活用したゲーム開発・3DCG受託・ゲームエンジン開発を手がける「Indigames」に「コンフィデンス・インターワークス」が出資
2023年9月7日、株式会社コンフィデンス・インターワークスは、株式会社Indigamesに出資を実行したことを発表しました。 Indigamesは、ハイパーカジュアルゲーム・ライブゲーミング・NFT…
エッジAIのアルゴリズムを提供する「エイシング」が4億円調達
2020年3月24日、株式会社エイシングは、総額約4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 エッジAIにおいて、導入機器側でのリアルタイムな自律学習・予測を可能にするAIアルゴリズム技術「Aii…
コーヒーコミュニティアプリを開発する「KOHII」が2,750万円調達
2022年8月16日、株式会社KOHIIは、総額2,750万円の資金調達を実施したことを発表しました。 スペシャルティコーヒーの魅力を届けるアプリサービス「KOHII」を開発・運営しています。 オリジ…
保育業界向けのタレントマネジメントツール「KatagrMa」提供の「カタグルマ」が資金調達
2021年9月24日、株式会社カタグルマは、資金調達を実施したことを発表しました。 保育業界向けのタレントマネジメントツール「KatagrMa(カタグルマ)」を提供しています。 保育施設の施設・人材マ…
クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」提供の「アンドパッド」が122億円調達
2022年9月14日、株式会社アンドパッドは、総額約122億円の資金調達を実施したことを発表しました。 アンドパッドは、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供しています。 現場の…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集