注目のスタートアップ

小型SAR(合成開口レーダー)衛星を開発・運用する「QPS研究所」が10億円調達

company

2023年3月9日、株式会社QPS研究所は、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。

QPS研究所は、小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行っています。

従来のSAR衛星の1/20の質量、1/100のコストを実現した100kg台の高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功しています。

2023年3月現在、2機の衛星を運用しています。

今後は、衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星のコンステレーションを構築し、平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指します。


世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2010年に約27兆円だったものが、2019年には約40兆円にまで成長しています。また、2040年代には100兆円以上の市場規模へと成長することが予測されています。

宇宙ビジネスの成長は、打ち上げコストが低くなる超小型衛星が実現されたことが要因のひとつです。

こうした衛星の小型化により世界の人工衛星の打ち上げ数は増加しており、2011年に129機だったものが、2021年には1,809機となっています。2030年頃までには年間4,000機以上になるとも予測されています。

衛星は地上のさまざまな情報をリアルタイム・準リアルタイムに取得することができます。

インターネット環境のない場所(海上・広大な農地・森林など)でもデータが取得でき、さらにその範囲が広いことから、今後データ活用が世界的に重要となっていく時代において重要なサービスとなることが予測されています。

QPS研究所が開発するの衛星は、SAR(合成開口レーダー)を搭載しています。

衛星に搭載されている従来のカメラ(光学レンズ)は夜間や天候不良時には地上の撮影が難しいという課題を抱えています。

この課題解決にはレーダーの利用が考えられますが、雲を貫通しつつ光学レンズ並みの解像度を実現するには、大型のアンテナを必要とするため、小型衛星には搭載しにくいという課題があります。

そこで近年は、衛星が移動しながら電波を送受信し、小さなアンテナでも仮想的に大きなアンテナと同様な画像が得られる、SAR(合成開口レーダー)という技術が注目されています。

最新技術を活用したプロダクトの開発には豊富な資金が必要です。シリーズ発行累計200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ QPS研究所 SAR 合成開口レーダー 宇宙 宇宙ビジネス 小型 株式会社 衛星 衛星コンステレーション 衛星サービス 資金調達 超小型衛星
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

契約業務を変革するサービス「MNTSQ CLM」を提供する「MNTSQ」が10億円調達
2023年9月19日、MNTSQ, Ltd.は、10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 出資者は、ALL STAR SAAS FUNDです。 MNTSQは、契約業務を変革するサービス「MNT…
言語学習サービス「LANGX」を手がける「エキュメノポリス」が資金調達
2024年8月5日、株式会社エキュメノポリスは、資金調達を実施したことを発表しました。 エキュメノポリスは、言語学習サービス「LANGX(ラングエックス)」の開発・提供などを行っています。 「LANG…
エッジAI技術を提供する「Tokyo Artisan Intelligence」が11.1億円調達
2025年6月4日、Tokyo Artisan Intelligence株式会社は、総額約11億1000万円の資金調達を発表しました。 Tokyo Artisan Intelligenceは、エッジA…
解体工事の一括見積もりWebサービスを運営する「クラッソーネ」が資金調達
2023年2月15日、株式会社クラッソーネは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、朝倉祐介氏が代表を務めるアニマルスピリッツ合同会社です。 クラッソーネは、解体工事の一括見積もりWebサ…
終活支援サービス「追憶の木立」やVR事業展開の「CLASSIX」が1.6億円調達
2022年1月31日、CLASSIX株式会社は、総額1億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 メモリアルサロン「追憶の木立」や、VR(バーチャルリアリティ)事業を展開しています。 「…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集