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ロボット義足を開発・販売する「BionicM」が3.7億円調達

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2023年1月31日、BionicM株式会社は、総額3億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

BionicMは、創業者であり義足ユーザーでもある孫小軍氏が東京大学でヒューマノイドロボット技術を応用して開発したロボット義足をコアテクノロジーに、2018年に設立されたスタートアップです。

下肢切断者のモビリティを向上させるロボット義足「Bio Leg」は、2021年から日本・中国において販売を開始しています。

「Bio Leg」は、独自開発のモータードライバー技術を搭載しており、動力によって幅広い動作をアシストすることが可能なロボット義足です。

また「Bio Leg」では、搭載された複数センサーにより装着者の動作データを場所・時間を問わずに取得することが可能であり、今後この日常生活の動作データをリハビリ分野や歩行動作解析の研究などでの活用を検討していく予定です。

今回の資金は、「Bio Leg」の販売拡大、ロボット義足の次期モデルや、要素技術としての動作センシング技術や動作アシスト技術などの研究開発、組織体制の強化などに充当します。


義足は下肢切断者の脚の機能の一部を代替する福祉用具です。

多くの下肢切断者にとって日常生活を送るために必要不可欠な道具として利用されています。

一方で、日常用として普及している機械制御式の義足にはいくつかの課題があります。

たとえば、膝折れと呼ばれる、膝が急激に曲がり転倒につながってしまう危険な現象が起きる可能性があり、膝折れを起こさないような歩き方を覚え丁寧に歩く必要があるほか、階段では一段ずつ両足を使って上り下りしなくてはならないといったことが挙げられます。

これらの課題は義足ユーザーにとって大きなストレスとなっており、この課題を解決することを目的とした膝継手(膝関節部分の機構)をコンピューター制御することで膝折れを防ぐコンピューター制御式の義足も登場していますが、この義足は重量が重く、さらに100万円以上と高価であるという課題を抱えています。

BionicMは、より高機能で、義足ユーザーが快適に日常生活を送ることができるよう、動力アシスト機能を搭載したロボット義足「Bio Leg」を提供しています。

またロボット義足で培った技術は他のロボット分野への応用もできるほか、動作データの活用も検討しているため、今後の事業の広がりにも注目が必要です。

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