注目のスタートアップ

位置情報AIと衛星インテリジェンスの「LocationMind」が11.6億円調達

company

2022年9月9日、LocationMind株式会社は、総額11億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

LocationMindは、位置情報ビッグデータとIoT機器を活用した位置情報分析、人流の推定・分析・可視化、測位衛星システムを用いたGNSSセキュリティサービスなどを展開しています。

ツールとしては、人流分析ツール「LocationMind xPop」、IoT人流分析ツール「LocationMind xTraffic」を提供しています。

今回の資金は、「LocationMind xPop」の拡大、「LocationMind xTraffic」の開発、人材採用に充当します。

ほとんどのスマートフォンにはGPSが搭載されており、GPS衛星によって位置情報を取得しています。

従来GPSの精度は誤差10m程度となっていましたが、2018年11月に日本版GPS「みちびき」が打ち上げられ、誤差10cm程度の精度を実現しています。「みちびき」は現在4機で運用されていますが、2023年には7機体制へと拡充し、さらに精度が向上する見込みです。

GPSでは、ユーザーの緯度・経度を測定し、測位の際には測位日時や誤差などの情報を取得しています。このデータを用いることで、人が移動した軌跡を把握することが可能です。この位置情報と地理情報と結びつけることで、ビジネスに役立つさまざまな分析が可能です。

国内においても誤差10cmという高精度の位置情報の取得が可能になったため、さらに位置情報の活用が進んでいくと考えられています。

位置情報はユーザーの行動の予測や、自然災害の被害予測、需要予測、販売促進、物流などにおけるルートの最適化などで活用されています。

物流においては、大型倉庫内におけるルートの最適化、作業員・ロボットの位置の把握など屋内での活用も進んでいます。

一方で、GPSは屋内や地下の位置情報の把握が苦手という課題を抱えています。

店舗マーケティングにおいて位置情報を活用する場合、ユーザーが何階のどの場所にいるのかといったことを把握する必要がありますが、GPSだけでは店舗内の位置を特定することは困難です。

そのため、屋内ではIoT機器などによるGPSを補完するような位置情報の収集方法が利用されています。

LocationMind株式会社のコメント

このニュースを受けまして、LocationMind株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

一言で表すと、「最先端技術」を用いた事業拡大が目的です。当社の特徴的な成長分野として、以下4つが挙げられます。

1. トラックプローブのビッグデータを活用した「物流革新」
2. スタートアップとして他に類を見ない「宇宙事業」
3. 人流分析ツール「LocationMind xPop」
4. IoT人流分析ツール 「LocationMind xTraffic」

これら4つを重点的に発展させてまいります。

・今後の展望を教えてください。

私たちが構築した「位置認証」という世界最先端の衛星技術は、数百兆円規模とも言われる位置情報産業の健全な発展と、数えきれない程の技術革新のきっかけとなると私たちは考えています。

位置情報が真正性を持つようになるという利点だけでなく、衛星測位が位置情報と同時に提供する時刻情報は、時刻の実質的な基準としても幅広く利用されており、通信システムなどの根幹を支えています。

その意味で、「位置認証」の貢献は大規模なものになると確信しています。この世界最先端の星技術で、次世代の社会システムを提案したいと思います。

・読者へのメッセージをお願いします。

近年の新型コロナウイルスの流行を踏まえ、「人流」に対する人々の関心はこれまで以上に高まっています。

空間情報科学は、社会をまるごとデジタルツインできる、未来を担うテクノロジーです。これにより、現実世界のさまざまな問題の見える化や解決を加速させることができます。

この度の資金調達で、これまでの膨大な研究成果を社会に還元する準備が整いました。是非私たちのソリューションにご注目いただき、応援いただければ嬉しいです。

デジタル化は単なる効率化だけでなく、データの活用も目的としています。テクノロジーの発展によって従来は難しかった分析も可能となっているため、こういったものも積極的に取り入れていくことが企業の成長につながるでしょう。「冊子版創業手帳」では、創業期の社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI IoT LocationMind LocationMind xPop LocationMind xTraffic セキュリティ ビッグデータ 人流 位置情報 分析 可視化 株式会社 活用 測位 衛星
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

遠隔操作・人工知能ロボットを開発する「Telexistence」が230億円調達
2023年7月6日、Telexistence株式会社は、総額約230億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Telexistenceは、遠隔操作・人工知能ロボットの開発と、それらを使用した事業を…
東急不動産と鹿島建設による「旧九段会館」の保存・復原プロジェクト「九段会館テラス」が10/1に開業
東急不動産株式会社と鹿島建設株式会社による「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」が2022年10月1日(土)に開業しました。 「九段会館テラス」は、登録有形文化財建造物である旧…
ゼロコードAI製品を提供する「RUTILEA」が3億円調達
2023年9月11日、株式会社RUTILEAは、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 RUTILEAは、ゼロコードAI製品を開発・提供しています。 AIの導入プロセスのうち、障壁となる…
バーチャル・スペース提供の「oVice」が1億円調達
2020年12月21日、oVice株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、12月12日に株式会社NIMARU TECHNOLOGYから、oVice株式会社に社名を変更して…
飲食店向け音声AI接客サービス「LUNA」を手がける「Food AI Lab」が4000万円調達
2024年12月26日、株式会社Food AI Labは、総額4000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Food AI Labは、飲食店向け音声AI接客サービス「LUNA」を開発しています…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集