注目のスタートアップ

「NanoGAS」(高機能ナノバブル)を利用した腸内フローラ移植用菌液精製の技術を持つ「シンバイオシス」が資金調達

company

2022年8月24日、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社は、シンバイオシス株式会社に投資を実行したことを発表しました。

シンバイオシスは、「NanoGAS」(=高機能ナノバブル)の特性を利用した腸内フローラ移植用菌液精製の特許技術を保有しています。

便の処理にウルトラファインバブル水を使用することで、本来であればIgA(免疫グロブリンA)等の自己免疫機能に阻まれ、うまく生着できない他人由来の腸内細菌を、効果的に移植できることが期待されています。

また、腸内フローラの移植にあたっては大腸内視鏡によって投与されることが主流ですが、シンバイオシスではカテーテル注腸により速やかに定着させる技術を実現しています。

シンバイオシスは他に、液体中に長期間バブルを安定させられる独自技術「NanoGAS」を保有しており、「NanoGAS」発生装置の開発・製造も展開しています。

ウルトラファインバブルとは、大きさが0.001mm以下の気泡のことです。

あまりに小さいため、無色透明であり、浮力が小さく浮上せずに長期残存することを特徴としています。

すでにさまざまな産業で活用されており、洗浄効果の向上、農業における作物の品質向上、養殖業における成長促進、美容領域での保湿力向上などの効果が確認されています。

シンバイオシスは、このウルトラファインバブルを腸内フローラ移植において応用しています。

腸内フローラとは、健康や病気の発症に深く関わりを持つ腸内細菌群のことです。

この腸内細菌のバランスが崩れてしまうと健康に影響が出ることがわかっています。さらに、健康な人の腸内フローラを移植することで、病気の治療や予防に役立つことがわかっています。

腸内フローラ移植の対象疾患は世界中で研究が進められています。

すでに移植が行われた疾患には、潰瘍性大腸炎、クローン病、自閉スペクトラム症、過敏性腸症候群などがあります。また関連性が示されているものとして、アトピー・アレルギー、がん、糖尿病、精神疾患などがあります。

腸内フローラ移植の課題としては、生着率(腸内フローラが腸内に住み着く確率)やその速度が挙げられます。

シンバイオシスの腸内フローラ移植用菌液精製は、この生着率・生着速度の向上が期待されており、さらにカテーテル注腸で投与できるため、既存の移植手術よりも身体への負担が低いことが特徴です。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NanoGAS ウルトラファインバブル シンバイオシス フューチャーベンチャーキャピタル 技術 最近 株式会社 移植 腸内フローラ 腸内細菌 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

育児記録アプリ運営・育児サポートAI開発の「ファーストアセント」が資金調達
2020年1月27日、株式会社ファーストアセントは、資金調達を実施したことを発表しました。 育児記録アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」を運営しています。 赤ちゃんの行動や、身長・体重、病気、体温、予…
メタバース型Go To Earnアプリ「Massive World」を開発する「Super Massive Global」と「ピアズ」が資本業務提携
2023年2月9日、株式会社ピアズは、Super Massive Global株式会社と、資本業務提携したことを発表しました。 Super Massive Globalは、現実世界の位置情報と連動した…
AIによる野球のトレーニングの効率化と成果向上を目指す「Knowhere」が1億円調達
2022年6月16日、株式会社Knowhereは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、元プロ野球選手である斎藤佑樹氏が設立した株式会社斎藤佑樹、株式会社デジタルガレージが設…
レアメタルを使用した次世代エネルギーデバイス向け高性能触媒製品を開発する「AZUL Energy」が1.4億円調達
2024年1月31日、AZUL Energy株式会社は、総額1億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 白金などレアメタルの代替として利用できる高性能触媒製品を開発する東北大学発スター…
廃棄素材を使用したクラフトジンの生産などの蒸留ベンチャー「エシカル・スピリッツ」が1.4億円調達
2021年6月16日、エシカル・スピリッツ株式会社は、総額1億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所の運営を行っています。 日本酒…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】