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2022年8月18日再生医療ベンチャーの「ひろさきLI」が「サイバーダイングループ」と資本業務提携
2022年8月17日、ひろさきLI株式会社は資金調達を実施したことを発表しました。
引受先は、CYBERDYNE株式会社と同社子会社が運営する「CEJファンド(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン 1 号投資事業有限責任組合)」です。
ひろさきLIは、青森県弘前市を拠点とする再生医療ベンチャーです。
コラーゲン加工技術をベースとした自家細胞培養による再生医療等製品の研究開発を行っています。
神戸医療産業都市推進機構との共同研究によって開発したヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート「サクラシー」は、2022年1月に製造販売承認を取得しており、2022年9月1日に保険収載が予定されています。
「サクラシー」は、眼表面の癒着を伴う角膜上皮幹細胞疲弊症を対象とした新たな治療法です。
患者から採取した口腔粘膜上皮細胞を、ヒト羊膜から調整した羊膜基質上に播種・培養して製造する細胞シートです。眼表面に移植することで眼表面の異常を修復し、癒着を軽減することを目的としています。
また、自己軟骨培養細胞含有コラーゲンマトリックス「開発名:IK-01」については、神戸医療産業都市推進機構と神戸大学医学部附属病院による医師主導治験を引き継ぎ、製造販売承認を受けるため、企業治験「外傷性軟骨損傷を対象とした検証的治験」を実施しています。
「IK-01」は、患者の自己軟骨細胞を培養し移植することで、膝関節の軟骨の損傷部位を修復する再生医療等製品です。
今回の資金調達により、変形性膝関節症の患者に対する根治療法を目指して開発を進めます。
CYBERDYNEは、身体機能を改善・補助・拡張・再生する装着型サイボーグ「HAL(Hybrid Assistive Limb)」の開発・提供と、「HAL」を活用した「サイバニクス治療」を展開しています。
「サイバニクス治療」は、脊髄損傷・脳卒中・神経筋難病疾患の患者を対象とした、「HAL」を用いた機能改善・機能再生医療です。
ひろさきLIはCYBERDYNEとの提携により、「IK-01」とサイバニクス治療で培った知見を融合し、革新的な再生医療等製品を開発します。
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変形性膝関節症とは、加齢や筋肉量の低下などによって膝の軟骨がすり減り、痛みが生じる病気です。
時間をかけて進行し、徐々に症状が重くなっていきます。重い症状となると関節の軟骨がなくなり、骨同士が直接ぶつかるようになります。安静時でも痛みを感じ、さらに歩く・座る・しゃがむといった動作が困難となり、日常生活に大きな支障をきたします。
治療法としては、症状が軽い場合はヒアルロン酸の注射や、大腿四頭筋のトレーニング、リハビリテーションなどを行います。
これによって治る場合もありますが、もし治らなかった場合は外科手術が検討されます。骨を切って変形を矯正するものや、人工関節に置換する手術などがあります。
病状が進行すると人工関節にするケースが多いのですが、人工関節には、感染が起こりやすい状態になること、手術によって血栓症を発症する確率が高いこと、耐用年数があるため再置換手術が必要となることといった課題があります。
国内において変形性膝関節症の自覚症状がある人は約780万人、潜在的患者数は約2,530万人と推定されています。さらに高齢化によって患者は増加しています。
また、変形性膝関節症における人工関節手術件数は年間約9万件となっています。
ひろさきLIの「IK-01」は、軟骨の損傷部位を修復する再生医療等製品であるため、今までの手術による治療よりも身体に負荷をかけることなく変形性膝関節症を治療することが可能になると考えられます。
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