注目のスタートアップ

超小型人工衛星向け水推進機を開発する「Pale Blue」が3億円の研究開発支援Go-Tech事業に採択

company

2022年7月5日、株式会社Pale Blueは、中小企業庁の令和4年度「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」(最大補助額:3億円)に補助事業として採択されたことを発表しました。

Pale Blueは、水を推進剤として用いた小型人工衛星用推進機(プラズマエンジン)を開発しています。

今回採択されたのは「水を用いた人工衛星用電子源の大電力化に向けた研究開発」です。

今後、需要が高まっている50-100kg級人工衛星向け水推進機に向けた推進機の提供を拡大していきます。

世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2010年に約27兆円だったものが、2019年には約40兆円にまで成長しています。また、2040年代には100兆円以上の市場規模へと成長することが予測されており、大きく注目されている市場です。

宇宙ビジネス市場でもっとも大きな割合を占めているのが、衛星の打ち上げや衛星から得られたデータを活用する衛星サービスです。

これまで民間企業は主にコストの問題で宇宙ビジネスへの参入が難しかったのですが、衛星開発の進展によって小型衛星が実現され、民間企業でも参入可能な程度に低コスト化が図られました。

衛星の小型化のメリットには、一度により多くの衛星を打ち上げられることによる低コスト化、衛星を打ち上げるためのロケットの小型化・低コスト化が挙げられます。

現在は主に大型ロケットに複数の小型衛星を同時に搭載して打ち上げることで低コスト化を図っていますが、将来的には民間企業による小型ロケットの打ち上げサービスが提供され、柔軟な打ち上げが実現されると考えられています。

一方で、小型衛星ではコストや重量の関係で推進機を搭載しないケースが多くなっています。

そのため多くの小型衛星は軌道を変更・維持することができません。また、推進機が搭載されていないことで、役目を終えた小型衛星はそのままの軌道で漂うことになります。

こうした宇宙に漂うゴミのことをスペースデブリと呼びます。スペースデブリは宇宙機と衝突して重大な事故を起こす可能性があるとして、これ以上増加しないようにする仕組みや除去する仕組みが求められています。

もし小型衛星に推進機が搭載されれば、役目を終える際に大気圏に再突入させたり、無害な軌道へと移動させることが可能となり、スペースデブリを削減できます。

また、運用中に軌道の変更・維持ができるため、これまでよりも柔軟な運用が実現されます。

スケールの大きなビジネスには、多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウについて詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ Go-Tech Pale Blue プラズマ・エンジン 小型 成長型中小企業等研究開発支援事業 推進機 水を用いた人工衛星用電子源の大電力化に向けた研究開発 水推進機 研究開発 衛星
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

医療機関向け臨床現場即時検査(POCT)機器など提供の「ジーニアルライト」が2.4億円調達
2020年7月6日、ジーニアルライト株式会社は、総額2億4,030万円の資金調達を実施したことを発表しました。 小型・高感度・低ノイズの光センサーの研究開発・製造技術を持ち、医療機関向け臨床現場即時検…
バーチャルヒューマンのプロデュースやバーチャルヒューマンに関する基礎技術の研究開発などを行う「Aww」が9.6億円調達
2024年7月8日、株式会社Awwは、総額9億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Awwは、「imma」「plusticboy」「Ria」など複数のバーチャルヒューマンのプロデュー…
【10/20締切】三菱UFJ技術育成財団「研究開発助成金」第2回公募
公益財団法人三菱UFJ技術育成財団が実施する「研究開発助成金」(第2回公募)のご案内です。 技術指向型の中小企業の新技術、新製品等の研究開発に対する助成金事業です。 対象者 原則として設立後もしくは創…
量子インターネット実現を目的とした量子中継器・量子通信システム・関連技術を開発する「LQUOM」が「東芝」から資金調達
2023年5月9日、LQUOM株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社東芝です。 LQUOMは、量子インターネット実現を目的に、量子通信システム・量子中継器・関連技術の開…
製造業の業務プロセスの標準化を促進するSaaS「WALL」など提供の「SUPWAT」が1.5億円調達
2022年2月24日、株式会社SUPWATは、総額約1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 製造業における研究開発・設計・生産領域において蓄積されたデータを活用し、業務プロセスの標…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集