注目のスタートアップ

電動キックボード・電動自転車のシェアリングサービスを展開する「Luup」が「サンケイビル」から資金調達

company

2022年5月20日、株式会社Luupは、株式会社サンケイビルから資金調達を実施したことを発表しました。

Luupは、電動キックボードや小型電動アシスト自転車などの電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」を展開しています。

サンケイビルは、フジサンケイグループの不動産デベロッパーです。オフィスビル・商業施設、分譲マンション・賃貸レジデンス・ホテルなどの事業を展開しています。

今回の資金調達により、サンケイビルグループが保有する物件へのポート設置を進め、「LUUP」の利便性の向上と、サンケイビルグループ保有の物件の不動産価値の向上、街の活性化を図っていきます。

電動キックボードは、道路交通法では原動機付自転車(原付)に分類されており、公道を走る際は原付以上の運転免許とヘルメットの着用が必要となります。しかしこのヘルメットの着用義務は、電動キックボードシェアリングサービスの普及を妨げる要因のひとつでした。

シェアリング事業者による働きかけにより、2021年4月23日付で「新事業特例制度」が認定され、シェアリング事業者の電動キックボードのみを小型特殊自動車とみなし、公道でのシェアリングサービス方式による実証実験が認められました。

この実証実験ではヘルメットの着用が任意となっており、電動キックボードシェアリングサービスの普及が一歩前進した形となります。

また、2022年3月4日、政府は道路交通法の改正案を閣議決定しました。この案が成立されれば、最高速度が時速20キロ以下の電動キックボードが特定小型原付自転車となり、免許も不要となります。またヘルメットの着用も努力義務になるため、電動キックボードが大きく普及するきっかけとなるでしょう。

一方で、日本の道路は自動車を前提に設計されているところがほとんどです。

たとえば、自転車も軽車両なので車道を走らなくてはならないのですが、道路の環境・状態から自転車が車道を走るには危険な箇所がいたるところにあります。

また、自動車ユーザーの意識についても、車道は自動車の走行するものであり、自転車などが車道を走らなくてはいけないということを知らない場合もあります。

そのため自動車が自転車や電動キックボードが走行しているという前提で運転をしてくれているとは限らず、それが日本において新たなモビリティが普及することの大きな課題となっています。

マイクロモビリティのシェアリングサービスの事業者は、政府などへの働きかけによって法律の改正といった規制緩和を勝ち取っています。

一方で、前述の通り、規制緩和だけでは、マイクロモビリティが車道を安全に走行できるようになるわけではありません。この部分をどうするのかが、今後の普及の鍵となってくるでしょう。

新たなビジネスでは、自治体や他社との連携が必要となる場合があります。「冊子版創業手帳」では、人脈を作るためのノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Luup サンケイビル シェアリング フジサンケイグループ マイクロモビリティ モビリティ ループ 小型 株式会社 自転車 資金調達 電動 電動キックボード
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ライブ配信コンテスト「MODECON」を運営する「KIRINZ」が4.5億円調達
2023年3月13日、株式会社KIRINZは、総額4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 KIRINZは、ライブ配信コンテスト「MODECON」の運営を中心に、イベントプロモーショ…
ケーキ専門通販サイト運営の「Cake.jp」が2.6億円調達
2020年7月30日、株式会社Cake.jpは、総額2.6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ケーキ専門通販サイト「Cake.jp(ケーキジェーピー)」を運営しています。 全国の洋菓子店と提…
永続的な保有を前提とした事業承継・株式譲受により中小企業を支援する「中小革新基盤株式会社」が資金調達
2022年10月11日、中小革新基盤株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、シヤチハタ株式会社、霞ヶ関キャピタル株式会社などです。 中小革新基盤は、永続的な保有を前提とした事業承…
CO2排出量可視化・削減クラウドサービス「アスゼロ」提供の「アスエネ」が総合商社の「兼松」と業務提携
2022年6月22日、アスエネ株式会社は、兼松株式会社と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 アスエネは、温室効果ガス排出量管理クラウドサービス「アスゼロ」、再エネ100%&地産地消クリーン電…
「ハウスコム」が入居者とオーナーの双方を一括でサポートする「ハウスコム スマート管理」をスタート
2020年7月7日、ハウスコム株式会社は、「ハウスコム スマート管理」の提供を開始したことを発表しました。 「ハウスコム スマート管理」は、入居者(賃借人)とオーナー(賃貸人)の双方を一括でサポートす…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集