「TBM」が使用済みLIMEX製品やプラスチック製品の資源循環をコーディネートするサービス「MaaR」を発表

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2022年3月28日、株式会社TBMは、「MaaR(マール)」を発表しました。

TBMは、プラスチックの代替となる、石灰石などの無機物を主原料とした新素材「LIMEX」を開発・製造・販売しています。

今回発表したサービス「MaaR」は、使用済みのLIMEX製品やプラスチック製品の資源循環をコーディネートする一般消費者・事業所向けサービス(群)です。

第1弾として、オフィスなどの事業所を対象とした法人向けの資源循環サービス「MaaR for buisness(マール・フォー・ビジネス)」の提供を開始します。

導入企業のオフィスで使用されたLIMEX製品やプラスチック製品を回収し、導入企業にはオフィスで活用可能な環境配慮型製品に交換できるチケットを付与する月額10,000円のサービスです。

この「MaaR」と、2022年秋頃に神奈川県横須賀市内で竣工予定の国内最大級のマテリアルリサイクルプラント(自社プロデュース)を通じ、使用済みLIMEX製品を含むプラスチック使用製品のマテリアルリサイクルを促進していきます。

石油を原料として作られる従来のプラスチックは、石油という限られたエネルギー資源を利用していること、海洋汚染を引き起こすことなどの課題から、環境負荷の低いものへの転換が求められています。

一方でプラスチックは安価・取り回しがいい・性質の幅が広い・軽くて強い・腐食しない・絶縁体であるなど様々なメリットがあり、これらの特性を備えた新素材をプラスチックと同程度のコストで生産することは至難の業となっています。

そのため、現状ではプラスチックをすべて新素材に代替するのではなく、紙などの天然素材に代替する“脱プラスチック”、微生物が分解する素材を使った“生分解性プラスチック”、プラスチックを再活用する“再生プラスチック”の利用促進などに並行して取り組んでいくことが重要です。

TBMは石灰石を主原料とした新素材「LIMEX」で有名な企業ですが、今回の「MaaR」の発表により、顧客のニーズにあわせた環境配慮型製品の開発支援事業により資源循環にも取り組んでいくようです。

2022年4月からは「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」が施行されます。事業者・消費者・自治体・国が各々の役割のもとで積極的にプラスチックの資源循環に取り組むことが定められています。TBMの新サービスがどのように展開されていくのか注目が必要です。

株式会社TBMのコメント

このニュースを受けまして、株式会社TBMよりコメントが届きました。

・今回の新サービスの売りは何ですか?

・「オフィス」を対象にすることで、身近なところで燃やされているゴミを、資源に変える行動をとることができる従業員参加型のサービスである
・サービスの中に、環境配慮素材であるLIMEX及び資源循環で生まれたサステナブルなオフィスで利用する商品の提供が含まれており、「環境配慮型商品の利用」という体験を通じて環境意識向上を醸成することができる
・1事業所あたりのサービス利用料金が月額1万円と、手軽に始められる

・今後の展望を教えてください。

1. サービス拡大展望
・まずはすでにLIMEXをご利用頂いているユーザー様を中心にサービスへの加入を計画
・その後は、資源循環と環境意識向上を輪を広げるべく、提携頂けるパートナーと共にサービスの拡大を狙う

2. サービス自体の強化
・従業員向けの環境教育資料を提供予定(すでに4半期に一度提供することを決めています)
・本サービスを利用することで達成した資源回収量やCO2排出量等の削減効果を確認できるダッシュボードも提供予定
・回収対象品目や「チケット」で交換可能な環境配慮型製品を順次拡大予定

・読者へのメッセージをお願いします。

工場等と比較して忘れがちなオフィスでの資源循環と環境意識醸成を、気軽にかつ従業員参加型で始められるサービスです。ウィズコロナの世の中となり、少しずつ従業員の方々が戻り始めているオフィスにて、「MaaR for buisness」をご利用いただき、サステナブルな活動を始めて頂ければと思います。
(サービス担当者の資源循環イノベーション部 部長 大場健太郎氏より)

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