注目のスタートアップ

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンを開発する「KAICO」が2.6億円調達

company

2021年12月15日、KAICO株式会社は、総額2億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

九州大学のオリジナルカイコを利用し、難発現性タンパク質を大量生産できる生産プラットフォームを商業的に構築しています。

また、2021年4月に、KAICOが開発生産したワクチン抗原タンパク質が経口摂取によりワクチン効果があることを確認し、特許出願をしています。

今回の資金は、人用(新型コロナウイルス、ノロウイルスなど)・動物用としての経口ワクチンの実用化に向けた研究開発の加速に充当されます。

バイオ医薬品は、微生物や動物細胞の機能を用いて、発酵や培養などの手法によって製造されます。

従来の医薬品と比べて薬効が高い・副作用が少ない・これまで治療薬のなかった病気への効果があるなどのメリットがあり、世界的にメジャーなものとなってきています。

たとえば、田辺三菱製薬株式会社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの開発・臨床試験を行っていますが、このワクチンはタバコ属の植物の葉にウイルスの遺伝子を組み込み、葉の細胞でウイルスの構造を模倣した「VLP(ウイルス様粒子)」を生成することで製造されます。

このワクチンは、短期間の製造が可能であることや、2~8度程度の冷蔵保存でいいことなどがメリットとなっています。

このようにバイオ医薬品は従来の医薬品では考えられない特別な特徴を持ったものが生まれることがあります。

KAICOは、一部のカイコ由来のタンパク質において、経口摂取してもアミノ酸に分解されないものがあることを発見しました。

これにより、ワクチンを経口摂取しても免疫を獲得することができるようになります。

経口摂取ワクチンは、注射のための人材が不要になることや、常温管理が可能であるため輸送が容易で一般のドラッグストアに置くことも可能といったメリットがあります。

もし経口摂取ワクチンが実現されれば、世界中の医療において大きな革命がもたらされることになります。

研究開発型のビジネスは、資金調達が非常に重要です。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ KAICO ウイルス カイコ タンパク質 バイオ医薬品 ワクチン 創薬 医療 新型コロナウイルス 株式会社 経口ワクチン 資金調達 難発現性タンパク質
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

調剤薬局・零売薬局・訪問看護などを展開する「GOOD AID」が2億円調達
2021年8月11日、GOOD AID株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 調剤薬局「おだいじに薬局」や、零売薬局チェーン「セルフケア薬局」、訪問看護・訪問リハビリ事業「お…
愛犬のためのカスタムフードサービス「Buddy FOOD」など提供の「Buddycare」が資金調達
2022年4月25日、Buddycare株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 Buddycareは、愛犬のためのカスタムフードサービス「Buddy FOOD(バディーフード)」の提供や、…
不動産オーナーと管理会社をつなぐ業務支援システム「WealthParkビジネス」など提供の「WealthPark」が25億円調達
2021年3月22日、WealthPark株式会社は、25億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社です。 不動産オーナーと管理会社を…
宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指す「将来宇宙輸送システム」が5.5億円調達
2023年8月31日、将来宇宙輸送システム株式会社は、総額5億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 将来宇宙輸送システムは、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指しています。 …
メキシコを中心とした国々の青果類を取り扱う「カサナチュラル」が「綿半トレーディング」と資本業務提携契約
2023年1月27日、綿半トレーディング株式会社は、株式会社カサナチュラルの発行済普通株式200株(議決権比率20.0%)を取得するとともに、両社で資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 カサ…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集