注目のスタートアップ

AI画像解析で栄養素を数値化する「カロミル」の運営元が1.7億円調達

company

ライフログテクノロジー株式会社は、総額1億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、引受先の1社である、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントとは業務提携も締結したことも発表しました。

ライフログテクノロジーは、ヘルスケア・アプリ「カロミル」を開発・運営しています。

食品や商品のデータベースの中から検索して登録した食品の栄養素が自動で概算・記録される機能と、独自に開発した像解析AIを用いて、食べ物を写真撮影するだけで栄養素を記録できるアプリです。

<創業手帳の創業者・大久保幸世の視点>
健康系アプリのマネタイズはB2Bからは賢明な戦略

大手から資金調達したカロミル。健康系、カロリー系の見える化アプリの普及、データの蓄積はスケールさえすれば非常に多くの可能性がある。ただし、この手の健康系のアプリは、2C(個人向け)から入るケースが多い。個人の課題感の解決から入るためだ。ただし、健康系アプリは競合も多く、単価が低くなるのと、2C向けのプロモーションは体力がいる傾向があるので、メガヒットになれば知名度も高くなり、「あたればホームラン」の一方で、スケールするまで2C(一般消費者の市場)での勝負は苦戦しやすい。

今回、資本調達しているが、投資している顔ぶれを見ると2B(法人向け)での普及を意識しているように思える。
会社においては社員の健康管理は、経費でコストをかけうる領域で、かつ、個人の財布ではなく「会社の経費で落とせる」というのがポイントだ。
個人だと月額数百円のアプリでもためらうが、会社の経費の場合、桁が多くても導入するケースがあり、それは経営者の大きな課題である労務や健康管理、社員の生産性(会社の本質的な価値)とのトレードオフで判断するケースがあるからだ。

今回の健康系アプリは、2Cから入って、後から2Bにいくという事業展開ではなく、まず2Bで攻めて、データがストックされてから2Cに行こうとしているのではないだろうか。手近なマネタイズが読める2Bから事業を作っていく戦略は、現実的な良策と言える。

健康管理、体重・カロリーの見える化は広まるべき

以上は出資と戦略のついての所感だが、サービスの本質について言うと、余談だが、大久保は起業してから10キロ以上太ったが、ダイエットをして1年で17キロ減量した。ダイエット中は毎日体重を測った。カロリーや体重測定を見える化、測定するだけで、食べすぎない心理が働くので、当たり前のことのようで実はバカにならない効果がある。

体調管理は体重や食べ物の管理がかなり大きなウェイトを占める。継続にはは習慣化が必要。アシストするアプリが、どれだけ習慣的に使ってもらえるかは難易度が高い。人の行動を変える、という結構難しい課題を実現するプロダクトだが、今後の機能やサービスの進化、改善で実現できるかが成否、注目のポイントだ。

仕事自体だけでなく、生活習慣や睡眠、栄養管理は、仕事に大きな影響を与える。アスリートが体調管理をするのが当たり前なように、仕事には目を向けるが、体調に目を向けないサラリーマンがより体調を記録し、目を向けるようになると、日本は良くなるのではないか。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。

解説者紹介

大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役

大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。

創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI アプリ プロダクト ライフログテクノロジー 大久保幸世 株式会社 業務提携 調達 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社と株式会社の違いサムネイル
合同会社とは?株式会社との違い、メリット・デメリットをわかりやすく比較
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ワークシェア・サービス提供の「タイミー」が20億円調達
2019年10月31日、株式会社タイミーは、総額20億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ​応募や面接不要で、すぐに働くことのできるワークシェア・サービス「タイミー」を展開しています。 201…
リモートセンシングで得られたデータを地理空間情報と時系列情報によって処理解析する「スカイマティクス」が13億円調達
2022年3月1日、株式会社スカイマティクスは、総額約13億円の資金調達を実施したことを発表しました。 リモートセンシングで得られたデータを、地理情報システム(GIS)技術によってWeb上に再現し、時…
「創業手帳」によるPR動画作成セミナー「動画の作り方体験講座」が1/22に開催 受講者募集中
創業手帳株式会社は「動画の作り方体験講座」を2021年1月22日(金)に開催することを発表しました。 「動画の作り方体験講座」は、簡単なPR動画を作成する方法を解説するオンライン・セミナーです。 スマ…
「インテリジェント・サーフェス」が「栃木精工」と資本提携
2022年6月29日、インテリジェント・サーフェス株式会社は、栃木精工株式会社と、資本提携を実施したことを発表しました。 インテリジェント・サーフェスは、生体親和性材料「MPCポリマー(MPCoat)…
クリニック・中小病院向けクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」提供の「ヘンリー」が7.3億円調達
2022年6月8日、株式会社ヘンリーは、総額7億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ヘンリーは、クリニック・中小病院向けクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry(ヘンリー…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集