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2019年7月8日 大久保の視点AI画像解析で栄養素を数値化する「カロミル」の運営元が1.7億円調達
ライフログテクノロジー株式会社は、総額1億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。
また、引受先の1社である、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントとは業務提携も締結したことも発表しました。
ライフログテクノロジーは、ヘルスケア・アプリ「カロミル」を開発・運営しています。
食品や商品のデータベースの中から検索して登録した食品の栄養素が自動で概算・記録される機能と、独自に開発した像解析AIを用いて、食べ物を写真撮影するだけで栄養素を記録できるアプリです。
<創業手帳の創業者・大久保幸世の視点>
健康系アプリのマネタイズはB2Bからは賢明な戦略
大手から資金調達したカロミル。健康系、カロリー系の見える化アプリの普及、データの蓄積はスケールさえすれば非常に多くの可能性がある。ただし、この手の健康系のアプリは、2C(個人向け)から入るケースが多い。個人の課題感の解決から入るためだ。ただし、健康系アプリは競合も多く、単価が低くなるのと、2C向けのプロモーションは体力がいる傾向があるので、メガヒットになれば知名度も高くなり、「あたればホームラン」の一方で、スケールするまで2C(一般消費者の市場)での勝負は苦戦しやすい。
今回、資本調達しているが、投資している顔ぶれを見ると2B(法人向け)での普及を意識しているように思える。
会社においては社員の健康管理は、経費でコストをかけうる領域で、かつ、個人の財布ではなく「会社の経費で落とせる」というのがポイントだ。
個人だと月額数百円のアプリでもためらうが、会社の経費の場合、桁が多くても導入するケースがあり、それは経営者の大きな課題である労務や健康管理、社員の生産性(会社の本質的な価値)とのトレードオフで判断するケースがあるからだ。
今回の健康系アプリは、2Cから入って、後から2Bにいくという事業展開ではなく、まず2Bで攻めて、データがストックされてから2Cに行こうとしているのではないだろうか。手近なマネタイズが読める2Bから事業を作っていく戦略は、現実的な良策と言える。
健康管理、体重・カロリーの見える化は広まるべき
以上は出資と戦略のついての所感だが、サービスの本質について言うと、余談だが、大久保は起業してから10キロ以上太ったが、ダイエットをして1年で17キロ減量した。ダイエット中は毎日体重を測った。カロリーや体重測定を見える化、測定するだけで、食べすぎない心理が働くので、当たり前のことのようで実はバカにならない効果がある。
体調管理は体重や食べ物の管理がかなり大きなウェイトを占める。継続にはは習慣化が必要。アシストするアプリが、どれだけ習慣的に使ってもらえるかは難易度が高い。人の行動を変える、という結構難しい課題を実現するプロダクトだが、今後の機能やサービスの進化、改善で実現できるかが成否、注目のポイントだ。
仕事自体だけでなく、生活習慣や睡眠、栄養管理は、仕事に大きな影響を与える。アスリートが体調管理をするのが当たり前なように、仕事には目を向けるが、体調に目を向けないサラリーマンがより体調を記録し、目を向けるようになると、日本は良くなるのではないか。
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解説者紹介
大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。