創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2021年12月9日合同会社6L 矢野賞太|ユニバーサルデザインキッチンカーの事業展開が注目の企業
ユニバーサルデザインキッチンカーの事業展開で注目なのが矢野賞太さんが2018年に創業した合同会社6Lです。
2021年は日本でオリンピックが開催され、同時にパラリンピックも開催されました。中でもパラリンピックの競技内容に注目が集まった年でした。
各地で体験イベントが開催されたり、国や地域を超えて様々な特徴を持つパラリンピック選手たちの活躍に日本中が熱狂したことと思います。
このように、今では障がいは特別なものではなく一つの「個性」としてとらえられ、あらゆる人が自分のやりたいことに挑戦できる社会になりつつあります。
しかし、身近な現実にはまだまだ障がい者の生活やワークスタイルが限定されていたり、チャレンジの機会を逃してしまっている方々もいらっしゃいます。
そんな状況を変えていくプロジェクト「ユニバーサルデザインキッチンカー」に、今注目が集まっています。
合同会社6Lのユニバーサルデザインキッチンカー事業の特徴は、
環境面にバリア(障壁)があっても関係なく、障がいを持った方が新しいことややりたいことに挑戦できるきっかけを与える、という点です。
自身も大腿切断という障がいを持ちながら意欲的に活動を続けておられる合同会社6Lの矢野賞太さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
①障がいがあってもやりたいことがやれる働き方の選択肢、②パラスポーツ選手のセカンドキャリアとしての働き方の選択肢、③障がいがあってもボランティア支援に参加することが出来る、という3つを実現するという点です。
現在の身体障がい者の働き方として、「交通事故後の職業訓練を受けて就職した」「トライアル雇用をしていたから就職した」という働き方が主流になっています。
また、現在アスリート雇用をされている選手は、「アスリート雇用の期限が終わったら就職先を探さないといけない」状況にあります。
その働き方は、本当に自分のやりたい働き方なのでしょうか。障がいがあるから出来ないと思っているのではないかという疑問が出てきました。
『出来なくなったわけじゃない、やる機会がなくなっただけ』じゃないのでしょうか。
『障がいがあるから、新しいことにチャレンジするための一歩を踏み出す勇気がでない』のではないでしょうか。
上述したことより、『やりたいことがやれる』一つの選択肢として環境面にバリア(障壁)があっても関係なく働けるユニバーサルデザインキッチンカー事業の開業を決めました。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
障がいやハンディキャップがあってもチャレンジしてみたい方に使っていただきたいと考えます。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
障がいの理解や障がい者の雇用が課題として考えられます。
しかし、障がいを個性として、様々な人と関わることが出来るプロジェクトであるため、
障がいの理解や障がい者の新しい働き方になると考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
車いすで乗り降り出来て、作業ができるキッチンカーという前例が無かったため、本当に可能なのかという意見も多く頂きました。
しかし、作業療法士として15年以上働いてきた経験と知識を活かし、必ず出来ると信じていました。
通常のキッチンカーを製作することが出来る金額より、高額になってしまうため、資金調達の面の不安がありましたが、クラウドファンディングを行うことで、
130名の方から、約170万円もの応援を頂くことが出来ました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
当たり前のことが、当たり前に出来る社会になるように、物事を多面的に捉える視点を持った会社にしていきたいと考えています。
また、会社名6Lの由来でもある『Love the Life you Live、Live the Life you Love(自分の生きる人生を愛せ、自分が愛する人生を生きろ)』人生を生きろ』
の言葉を理念として、様々な人が自分の生きる人生を愛せて、自分が愛する人生を生きることが出来るように支援できる会社にしていきます。
・今の課題はなんですか?
障がいがあることで、逆に「助けてほしい」と言えないところがあるように感じています。
ノーマライゼーションの考え方がより身近なものになり、お互いが助け合える社会になることが、今の課題だと考えています。
・読者にメッセージをお願いします。
『そうぞう』×『行動』×『声に出す(発信する)』この3つをやり続けることで、0から1を作り出すことが出来ると考えています。
会社名 | 合同会社6L |
---|---|
代表者名 | 矢野賞太 |
創業年 | 2018年 |
事業内容 | 介護事業、キッチンカー、リラクゼーションサロン |
所在地 | 熊本県宇城市 |
矢野賞太氏 プロフィール | 1980年6月6日生まれ。リハビリテーション養成校作業療法学科を卒業後、総合病院に就職し、2年間医療分野で中枢疾患、整形疾患のリハビリに従事。 総合病院を退職後は、発達障がい児施設で療育に従事し、その後、介護老人保健施設に就職し、10年間地域リハビリテーションに従事。 また、認定資格シーティング・コンサルタントを取得(熊本県では唯一の有資格者)し、くまもとシーティング研究会を立ち上げ、医療・福祉従事者や地域の方向けに研修会等を実施。作業療法士であり、自身も右足大腿切断という障がい当事者であることから、障がいを持つということは、決してマイナスな要素だけだはなく、方法や手段を変えることで、よりよい生活を送ることができることを経験した。 |
カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | 6L kitchen キッチンカー クラウドファンディング みんなの家うき ユニバーサルデザイン 矢野賞太 社会課題 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2022年7月13日、READYFOR株式会社は、総額17億円の資金調達を実施したことを発表しました。 READYFORは以下のサービスを展開しています。 ・クラウドファンディングサイト「READYF…
2024年6月10日、株式会社eiiconは、資金調達を実施したことを発表しました。 eiiconは、オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」の運営や、新規事業創出支援コンサルティ…
2023年7月31日、Polimill株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 Polimillは、社会デザインプラットフォーム「Surfvote」を開発・提供・運営しています。 イシューと…
株式会社日本クラウドキャピタル(以下JCC)は、お申込みから入金までの資金調達の全プロセスをオンラインを活用して遠隔でも完結することができるよう体制を強化しました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて…
2021年6月17日、クリアル株式会社は、運営する不動産投資型クラウドファンディングサービス「CREAL(クリアル)」において、クラウドファンディングでの累計調達が100億円を突破したことを発表しまし…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…