確定申告を税理士に依頼する際の状況別費用相場は?メリットなどもご紹介!

創業手帳

費用はかかるが確定申告を税理士に依頼するメリットは大きい!


個人事業主や経営者は毎年確定申告を行い、所得税を納める必要があります。
確定申告の書類作成や手続きは個人的にできますが、税理士に代行してもらうことも可能です。
税理士に依頼するとなると費用がかかってしまいますが、大きなメリットもあります。

そこで今回は確定申告を税理士に依頼する際にかかる状況別の費用相場と、依頼するメリットについて詳しく解説します。
税理士に依頼するべきかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

創業手帳では、確定申告について多くの方がつまづくポイントについてわかりやすくまとめた「確定申告ガイド」をリリースしました。税理士への依頼が費用面でなかなかハードルが高いという人もいるかと思います。ですが、自分で確定申告をやるにはよくわからないという人のために、確定申告の基本から、青色申告や白色申告の違い、また消費税の確定申告についてもわかりやすく解説しています。無料でお読みいただけるものなので、是非参考書としてご使用ください。

さらに、税理士に相談する前に節税のコツが知りたい方向けに「税金チェックシート」もリリースしました。各種税金の種類や節税ポイントなどを分かりやすく解説。ぜひご一緒にご活用ください。




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税理士が確定申告を依頼する際の大まかな費用相場


税理士の報酬は事務所ごとに異なり、さらにどの範囲まで業務を依頼できるか、顧問契約か単発契約かなど様々な要素で変動します。
詳しくは後述しますが、個人事業主と法人でも報酬は異なるため注意が必要です。

確定申告に関する依頼を行った場合、一般的な費用相場は数万円~30万円になります。譲渡所得など個人の申告も同様の相場です。
相続税の申告を依頼する場合、遺産相続の0.5~1%が目安になります。
また、顧問契約では毎月顧問料に加えて、決算や確定申告の業務は別途で費用を支払うケースが一般的です。
顧問料は月2万~3万円、決算・確定申告の業務にかかる費用は月額顧問料4~6ヶ月分(約10万~15万円)が相場になります。

個人事業主と法人で異なる?税理士の確定申告依頼費用


税理士に確定申告の業務を依頼する際にかかる費用相場は、個人事業主と法人で細かな違いがあります。続いては、事業形態別に税理士の依頼費用をご紹介します。

個人事業主の場合

個人事業主が確定申告の業務を税理士に依頼した際にかかる費用は、数万円~20万円が相場です。費用は売上高に応じて変わり、売上高が高くなるほど報酬も高くなります。また、依頼する業務内容によっても変動します。

依頼する業務内容 費用相場
帳簿や確定申告書類の作成 売上高500万円未満:数万円~10万円
売上高500~1,000万円未満:15万円~
売上高1,000万円以上:20万円~
確定申告書類の作成 数万円~10万円

確定申告書類の作成に加えて帳簿作成も依頼する場合、業務量が増えることから売上高に応じて費用が変動します。
事業規模が数千万円になれば、20万円以上の費用がかかる可能性があります。確定申告書類の作成のみであれば、数万円~10万円程度が相場です。

法人の場合

法人が確定申告の業務を税理士に依頼した場合、かかる費用相場は10万~30万円です。
個人事業主と比べると事業規模が大きくなるため、費用負担も大きくなります。こちらも売上高に応じて税理士の報酬額が変動します。

売上高 費用相場
1,000万円未満 10万~20万円
1,000~3,000万円未満 20万~25万円
3,000~5,000万円未満 25万~30万円
5,000~1億円未満 23万~35万円
1億円以上 税理士と要相談

このように、売上高が高くなれば税理士に支払う報酬も高額になります。年商1億円にもなる大規模な法人は、税理士と相談して費用を決めるケースがほとんどです。
事業規模が大きい法人ほど経理が複雑になるため、税理士と顧問契約をするケースが多くみられます。その場合、顧問料の支払いも必要です。

【状況別】確定申告を税理士が依頼する際の詳細な費用相場


確定申告の業務を税理士に依頼する際にかかる費用は、状況に応じても大きく異なります。こそで、状況別にかかる費用相場をご紹介します。

1.確定申告だけ依頼する場合

確定申告の業務だけ対応してもらいたい場合、単発で依頼するケースが多いです。
このケースでは、税理士に年1回だけ報酬を支払うことになるので、顧問料のかかる顧問契約よりも費用を安く抑えられます。
オプションサービスが付帯される際は、確定申告の依頼に対する料金にオプション費用がプラスされるので注意しましょう。
決算・確定申告のみ依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。

個人事業主 数万円~20万円
法人(小規模) 10~30万円

事業規模や依頼したタイミング、会計作業の進捗度などに応じて金額は変動します。
また、不動産や株式売買などの収入があると、業務が増えるので追加料金が発生する場合もあります。

2.顧問契約を結んで依頼する場合

税理士と顧問契約を結ぶと、税金に関する申告・申請の代行や税務調査の立ち合い、税務相談、会計指導・給与計算・年末調整など経理業務全般をサポートしてもらえます。

顧問契約を結ぶ場合にかかる費用の内訳は、顧問料+決算申告・確定申告料金(年1回)です。オプションサービスが付帯される場合、そのオプション費用も追加で発生します。
顧問料は月額での支払いが一般的で、業種や売上高、税理士の訪問頻度、会計処理済みかどうかによって異なります。顧問料の相場例は以下のとおりです。

売上高 顧問料の料金相場
1,000万円未満 4~6ヶ月に1度の訪問:月1万円~
決算のみ:年10万円~
1,000~3,000万円未満 2ヶ月に1度の訪問:月2万円~
3~4ヶ月に1度の訪問:月15,000円~
決算のみ:年12万円~
3,000~5,000万円未満 月1度の訪問:月25,000円~
2ヵ月に1度の訪問:月2万円~
3~4ヶ月に1度の訪問:月15,000円~
決算のみ:年15万円~
5,000万円~1億円未満 月1度の訪問:月3万円~
2ヵ月に1度の訪問:月25,000万円~
3~4ヶ月に1度の訪問:月2万円~
決算のみ:年20万円~
1億円以上 税理士と相談

訪問頻度が年に数回ではなく、決算のみであれば年額で報酬を支払うことになります。
そして、顧問料と別途で支払う決算・確定申告の費用は、月額顧問料の4~6ヶ月分の金額が相場です。

3.記帳代行を依頼する場合

記帳代行とは、帳簿作成の業務を代行してくれるサービスです。顧問契約した際に、オプションサービスとして提供されているケースが多いでしょう。
記帳代行でかかる費用の内訳で大半を占めるのが、人件費です。その他に帳簿の郵送料やデータ管理料などの雑費が含まれています。

細かい料金設定は事務所ごとに異なりますが、月間の仕訳数(領収書や伝票の数)によって金額が変動します。仕訳数別の費用相場例は以下のとおりです。

仕訳数 費用相場
100件 月8,000円~12,000円
100~200件 月15,000~2万円
200~300件 月18,000~24,000円
300~400件 月25,000~3万円
400件以上 月3万円~

4.サラリーマンが依頼する場合

会社に勤めるサラリーマンは、年末調整があるので基本的に確定申告は不要です。
しかし、副業で年間20万円以上の所得がある、また医療費控除や寄付金控除など年末調整で対応できない控除があるような状況次第では、サラリーマンでも確定申告が必要です。
年末調整を行っているサラリーマンであれば所得税は納税済みなので、副業の所得やその他の取得の申告を税理士に依頼することになります。

費用相場は、副業の事業内容や売上高、副業以外の所得の有無などによって変わりますが、数万円~10万円が相場です。売上高別の相場例は以下のとおりになります。

売上高 費用相場
100万円未満 5万円~
100~500万円未満 8万円~
500~1,000万円未満 10万円~

5.不動産所得や不動産売却の確定申告を依頼する場合

不動産の貸し付けで所得を得ている、または不動産を売却して所得を得た際も確定申告が必要です。
税理士に確定申告する際にかかる費用相場は10万円からが一般的ですが、経営する賃貸物件の数や所得金額によって費用は変わります。

所得・売却額 費用相場
5,000万円未満 10万円~
5,000万円~1億円未満 15万円~
1億円以上 20万円~

また、青色申告をする場合は白色申告よりも業務が煩わしくなるため、費用がアップする傾向にあります。

確定申告を税理士に依頼するかの判断基準


確定申告を税理士に依頼するかどうかは、経理作業の手間や予算から判断を検討するのがおすすめです。
経理作業に時間をかけることで、本業に支障が出てしまう可能性があれば税理士に依頼したほうが良いと言えます。
しかし、税理士を利用する場合は費用がかかります。年間でどれ程度の予算が必要になるのか検討した上で、税理士と顧問契約や確定申告の依頼をしなければなりません。

例えば、年間の顧問料が20万円、決算・確定申告の費用10万円で顧問契約をした場合、少なくとも40万円の費用が発生します。
記帳代行や経理処理なども任せることになるとオプション費がかかるので、さらに数万円~数十万円の予算がプラスされます。
毎年数十万円の依頼費用を支払えるのか、慎重に検討して税理士に依頼することが大切です。
会計ソフトを使い自社で経理処理が可能であれば、比較的安価で決算・確定申告の書類作成のみ依頼する手段がとれます。

確定申告を税理士に依頼するメリット


自分で確定申告をすれば、費用はかかりません。しかし、費用を支払ってまで税理士に依頼することには様々なメリットがあります。そのメリットは以下のとおりです。

正確な申告ができる

確定申告に関する作業は多く、書類作成でミスすることがあります。特に経費に関しては、どこまで計上できるのか、判断に悩んでしまうケースが多いです。
税理士は税務に関する専門知識を持っているので、悩みがちな経費の判断も適切に行い、正確な内容が記された確定申告書を作成できます。
添付する明細書や証憑などに関するアドバイスを受けることも可能です。

また、確定申告書に税理士が署名することがあります。
その場合、誰が作成した確定申告書なのかが明確になり、もしも税務局から申告内容に関する質問があった場合、依頼した税理士に対応してもらえます。

作業の手間を省ける

確定申告に関わる書類の作成を依頼できるので、作業の手間を省けることも税理士に依頼するメリットです。

税理士によっては、帳簿の記帳から決算書・確定申告書の作成まで任せられます。
日々の取引の記帳や確定申告書の作成には、時間と手間がかかります。これらの作業は重要なものでありながら、利益を生むものではありません。
税理士に記帳や書類作成を依頼すれば、申告の準備にかけていた時間を本業に充てることができます。
本業に集中できる環境が整うことで、売上げの向上につながる可能性も高まります。

節税効果が高まる

税理士に確定申告を依頼すれば、経費の計上や各種控除の適用も正しく行われます。
経費計上や控除により所得金額が減れば、支払う所得税が減り、大きな節税効果に期待できます。
また、源泉徴収されている収入がある場合、所得税を払い過ぎている可能性が高いです。
税理士に正確な確定申告書を作成してもらえれば、払い過ぎている所得税の還付もミスなくスムーズに行われます。

確定申告を税理士に依頼するデメリット


税理士に確定申告の依頼をすることには、デメリットもあります。主なデメリットは以下のとおりです。

費用がかかってしまう

税理士に依頼する大きなデメリットは、費用がかかるという点です。出費が増えてしまうので、小規模で売上高も少ない個人事業主や法人は特に負担を感じやすいと言えます。
その費用には大まかな相場がありますが、実際に支払う金額は税理士事務所や依頼内容などによって変動します。
そのため、どのくらいの予算が必要なのか、明確なイメージが持てない人も少なくありません。

実際に税理士に依頼する際は、複数の事務所に相談したり、見積もりをとったりして比較することが大切です。
実績やサービス内容も含めて比較した上で、無理なく支払える料金設定の事務所を選んでください。

ビジネス的な金銭感覚を磨けない

税理士に確定申告を依頼した場合、ビジネス的な金銭感覚を養えないこともデメリットです。確定申告の準備を進める中で、記帳や会計など税務知識が磨かれていきます。
税務知識が養われると、売上げを出す以外で利益を上げていくヒントを得られることもあるでしょう。

一方、何から何まで税理士に任せきりと、会計や税務知識を身につけられません。
税理士に依頼して確定申告の手間を省きながらもビジネス的な金銭感覚を磨きたいのであれば、会計処理は自社で行う、全てを依頼する際は決算や申告状況を説明してもらうなどの工夫が求められます。

打ち合わせなどのコミュニケーションが必要不可欠

確定申告書が完成するまで、税理士とは頻繁に打ち合わせや連絡をとることになります。それが煩わしいと感じる人も少なくありません。
しかし、正確な確定申告書を作成してもらうためには、税理士と密にコミュニケーションをとり、必要な情報を伝える必要があります。
依頼するからには面倒と思わず、誠実に対応してください。

まとめ

税理士に確定申告の業務を依頼すると、それなりに多額の費用がかかります。
しかし、確定申告の作業の手間を省いて本業に集中できる、正しい内容で書類を作ってもらえるなどのメリットは大きいです。
予算に余裕があれば、税理士に依頼してスムーズに確定申告を済ませることをおすすめします。




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(編集:創業手帳編集部)

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