インボイス制度導入の登録方法って?ぜひ覚えておきたい手続きについて徹底解説!

創業手帳

インボイス制度導入には、2023年3月までに登録が必要。きちんと登録するための手続きを解説します。


2023年10月1日より、インボイス制度(適格請求書保存方式)が施行されます。
インボイス制度により仕入税額控除に影響が出ることから、現時点で免税事業者であっても、課税事業者として登録することが必要になるかもしれません。
そして、しかるべき登録方法を取らなければ、取り引きする会社が不利益を被ることも考えられます。
今回は、インボイス制度導入にかかる登録方法について解説します。

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インボイス制度の概要について


まずは、インボイス制度とはどのようなものかを説明します。

インボイス制度とは何か

インボイス制度とは、請求を行う側が規定された事項を記載したインボイス=適格請求書を発行する制度のことです。
この場合のインボイスは、軽減税率の適用により発生しがちな混乱を避け、正確な税率を示すためのものです。
そして、適格請求書発行事業者として登録された事業者が発行することで、請求される側が適切に消費税の支払いを行えるようにします。

インボイス(適格請求書)に記載すべき事項

従来発行されていた区分記載請求書には、以下の項目を記すことが義務付けられています。

  • 発行者の氏名か事業者名
  • 取引きを行った年月日
  • 取引きした内容
  • 売上の中で適用した税率と合計額
  • 受領者の氏名か事業者名

適格請求書では、上記に加えて記載すべき項目があります。

  • 軽減税率8%を導入した場合、適用した商品などの名称
  • 適用した税率
  • 適用した税率10%、8%ごとに区分した消費税の合計額
  • 適格請求書発行事業者の登録番号

 
以上を満たしていない場合は、適格請求書と認められず、インボイス制度の対象外となります。

インボイス制度と仕入税額控除の関係


インボイス制度の導入にあたっては、仕入税額控除の仕組みが深く関わっています。

仕入税額控除について

仕入税額控除について説明すると、例えば、A社からB社が商品を仕入れ、その商品をB社がC社に販売したとします。
この時、B社はA社に預けた消費税を、B社がC社から預かった消費税から差引いた差額のみを税務署に納めれば良いことになっています。
これが、仕入税額控除の大まかな仕組みです。

インボイス制度導入後、A社がB社に適格請求書を発行しない場合、B社は仕入税額控除の対象から外れてしまいます。

仕入税額控除について詳しくはこちらの記事を>>
消費税の仕入税額控除とは?インボイス制度導入に深く関わる仕入税額控除を徹底解説

適格請求書を発行しないとどうなるか

適格請求書を発行しない取引先と取り引きをするにあたり、課税事業者と免税事業者それぞれに影響が出てきます。

課税事業者は仕入税額控除が受けられなくなる

課税事業者は、対象となる特定期間中に税抜きの売上げが1,000万円を超えた場合は、課税事業者として消費税を納めることが義務です。
同時に、課税事業者は適格請求書を発行することが義務付けられ、インボイス制度を導入することが求められます。

しかし、前述のようにインボイス制度を導入しない取引先から仕入れを行う場合、これまでの仕入税額控除が受けられなくなるでしょう。
その結果、預かった消費税の全額を納付しなければならなくなり、売上げを圧迫してしまいます。

免税事業者は消費税の納付義務が発生する

反対に、対象となる特定期間の税抜き売上が1,000万円以下であれば、免税事業者となり消費税の納付を免除されます。
しかし、消費税を納付しない免税事業者は適格請求書発行事業者になれないため、インボイス制度の導入ができません。
つまり、インボイス制度の導入ではおのずと課税事業者になることが条件となり、今後は消費税を納付しなければならなくなります。

さらに、取引先に適格請求書を発行できないことから、取引先は仕入税額控除を受けられなくなり、損を被ります。
その結果、取引先からの取り引きを渋られる恐れも出てくるかもしれません。

インボイス制度の導入に必要な登録方法


こちらからは、インボイス制度導入にかかる登録方法について解説します。

インボイス制度登録申請において提出が必要な書類

インボイス制度の導入には、登録申請が必要であり、下記のような書類を提出します。

適格請求書発行事業者の登録申請書

適格請求書発行事業者として、税務署に登録を申請する書類です。
この書類は、免税事業者が課税事業者となりインボイス制度を導入するために必要であるほか、課税事業者も提出する義務があります。

インボイス制度の施行は2023年10月1日からですが、この時点でインボイス制度を導入するためには、2023年3月31日までの提出が求められています。
上記の期限までに書類を提出しなかった場合、インボイス制度の導入は翌年の事業年度期首からとなり、その間は適格請求書の発行ができません。

・書類を提出すると国税庁により登録情報が公表される
適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、インボイスを発行する事業者として登録されると、事業者の情報および登録番号が公表されます。
登録情報は、国税庁の専用サイトから登録番号で検索可能です。

そして、発行された適格請求書に記載された登録番号から、取引時点で失効などしておらず適切な手続きを行っているかなどを調べられます。
事業者が、すでに適格請求書発行事業者の登録申請書を提出している場合、国税庁適格請求書発行事業者公表サイトで確認できるようになっています。

消費税課税事業者選択届出書に関する注意点

従来は、課税事業者になるためには、消費税課税事業者選択届出書を税務署に提出する必要がありました。
しかし、適格請求書発行事業者の登録申請書の提出を2023年3月31日までに行った場合、経過措置が適用され消費税課税事業者選択届出書の提出を免除されます。
ただし、以下のようなパターンでは、消費税課税事業者選択届出書を別途提出することが求められます。

  • 適格請求書発行事業者の登録申請書の提出が2023年3月31日を過ぎた場合
  • インボイス制度が施行される2023年10月1日以前から適格請求書発行事業者として取引きしたい場合
  • (この場合は、例えばその年の事業年度の期首から適用したい場合などが該当します。)

インボイス制度導入までのスケジュール

上記の説明から、インボイス制度ま導入までのスケジュールを整理します。

①2021年10月1日より適格請求書発行事業者の登録申請書を受付開始

②2023年3月31日までの1年6カ月間が受付期間

③適格請求書発行事業者の登録申請書を提出した後に登録番号の発行

④受付期限から6カ月後の2023年10月1日よりインボイス制度導入

※②で受付期限までに適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しなかった場合

③適格請求書発行事業者の登録申請書を提出した後に登録番号の発行

⑤翌年の事業年度の期首(例として、4月1日を期首とする場合は2024年4月1日以降)からインボイス制度導入

インボイス制度の書類提出方法について

インボイス制度の登録方法の概要は上記で説明しました。そして、登録の手続きは2022年1月現在で受付がすでに行われています。
ここで、インボイス制度の導入にかかる登録方法として、必要書類の提出方法を見ていきます。

e-Taxを利用する

登録申請については、確定申告などで使用するe-Taxを利用できます。
e-Taxの利用には、以下の3つの方法があります。

  • e-Taxソフトをダウンロードして手続きを行う
  • e-Taxソフト(WEB版)により、ブラウザから手続きを行う
  • e-Taxソフト(SP版)でスマホやタブレットから手続きを行う

上記3つでは、上に記載したものがセキュリティにおいてより安心できる登録方法、下に記載したものがより簡単な登録方法です。

・e-Tax利用にあたり用意するもの
マイナンバーカード
マイナンバーカードをカードリーダーで読み込み、情報を登録することで電子証明書の発行を行うため、マイナンバーカードは必須です。

利用者識別番号
利用者識別番号は、マイナンバーとは別に個人や事業者を特定するために発行されるもので、これによりインボイス制度とそのほかの税関係の手続きを紐づけることができます。
利用者識別番号の発行は、各種e-Taxソフトで受けることが可能です。

e-Taxで書類を作成する手順

以下では、マイナンバーカードを持っており、以前にもe-Taxを利用して利用者識別番号の発行を受けていると仮定して進めていきます。

・ログインする前に推奨環境をチェックする
e-Taxにログインする前に、正常に動作するための推奨環境をまずチェックします。2022年1月現在では、推奨環境は以下のように記されています。

【Windows】
  • OS:Windows8.1もしくは10
  • ブラウザ:Internet Explorer・Microsoft Edge (Chromium)・Google Chrome
  • PDF閲覧:Adobe Acrobat Reader DC
【Mac】
  • OS:mac OS10.13・10.14・10.15・11
  • ブラウザ:mac OS10.13の場合→Safari13.1
  • それ以外の場合→Safari14.0

  • PDF閲覧:Adobe Acrobat Reader DC

ログイン前に、利用環境が適切なものかどうかのチェック画面が表示されるため、そちらを参照しても良いです。

・マイナンバーカードの読み取り、もしくは利用者識別番号、暗証番号を入力する
次画面で、マイナンバーカードの読取りもしくは利用者識別晩報および暗証番号を入力できるようになっています。
ここで、どちらかを選択してログインしてください。

・次画面で「申告・申請・納税」をクリックする
ログイン後、メインメニュー画面に遷移し、3つのメニューが表示されます。その中央の「申告・申請・納税」をクリックします。
次に、利用者情報が表示されるため、誤りがないかチェックし、誤っていれば「変更」をクリックして正しい情報を入力します。

・「新規作成」を選び「操作に進む」をクリックする
次画面で、書類の新規作成・作成再開・作成済みデータの取得を選択可能です。今回は、新規作成を選んで「操作に進む」をクリックします。

・適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)(令和3年10月1日~令和5年9月30日)を選ぶ
次画面にて、「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)(令和3年10月1日~令和5年9月30日)」を選択して次に進みます。

・必要事項を入力する
次画面にて、適格請求書発行事業者の登録は課税事業者であること、また、免税事業者はこの書類で課税事業者になる旨の留意事項が表示されるため、「OK」をクリックしてください。
次に、事業者情報や納税先などの入力画面に遷移し、ここで必要事項を入力します。

・「作成」を選びクリックする
次に、「帳票入力」画面が表示され、作成する帳票を選んで「作成」をクリックします。

・公表する氏名を入力する
適格請求書発行事業者の情報公開のために、公開時の氏名を入力してください。

・納税地を入力する
次に、納税情報の入力画面に遷移します。ここで、納税地の事業所情報を入力します。
また、画面下部に納税地と住所が同様であるかを尋ねる項目があり、「はい」か「いいえ」を選択します。

・確認事項にチェックを入れる
次画面では、課税事業者であるか否かを尋ねる画面になるため、こちらでも「はい」か「いいえ」を選択してください。
その次に、確認すべき事項が表示され、その内容をよく読んで右側のチェックボックスにチェックを入れます。

・その他登録情報の確認、選択項目の回答を行う
チェックが終了すると、登録する時期について2023年10月1日か、10月2日以降かを尋ねる画面になり、「はい」か「いいえ」を選択します。
選択が終了すると、申請内容の入力画面になり「次へ」をクリックして順に登録情報を入力してください。
さらに、作業が進むごとに選択項目がいくつか出てくるため、当てはまるものにチェックを入れます。

・「作成完了」をクリックし、電子署名を付与する
すべての過程が終了して「作成完了」をクリックすると、「帳票入力」画面に戻ります、ここで「次へ」をクリックします。
作成した帳票名が表示されたら「帳票表示」をクリックし、問題がなければ電子署名を付与しましょう。

この画面では、電子署名について「カードタイプ」か「上記以外」を選択できます。
マイナンバーカードを持っていれば、カードリーダーに差し込んだあとに「カードタイプ」を選択してください。
カード情報が正確に読み取れたら、電子署名の付与ができます。

・送信する
次画面で電子署名が「署名済」になっていることを確認し、「送信」をクリックすれば終了です。

登録通知をメールで受け取るには

上記の登録方法が終了すれば、インボイス制度の導入が可能になります。
登録申請が処理されるまでには2週間ほどかかりますが、正確に処理されたことを知るために、登録されたことを通知するメールを受け取ると便利です。
登録通知データに関しては、e-Taxに格納されていますが、メールアドレスを登録していれば、すぐに手元にデータを受け取ることができます。
そのため、e-Taxへのログインがなくとも手続きの終了を確認することが可能です。

・登録通知データをメールで受け取るメリットとは
登録通知データがすぐにメールで受け取れると、確認において税務署の手続き終了からのタイムラグがほぼありません。

また、取引先に登録を知らせるにあたっても、データをそのまま送れば良く、各所への連絡の手間が大幅に省けます。
さらに、登録通知データを受け取った取引先は、データをそのまま保存することができるほか、税務署からの認証を受けたデータであることが証明されているため、安心です。

郵送で書類を送る

適格請求書発行事業者の登録申請書については、納税地を管轄する国税局に郵送する登録方法もあります。
管轄する国税局については、国税庁ホームページを参照してください。

税務署に直接提出する

そのほか、最寄りの税務署に直接提出する登録方法もあります。この時、書類にマイナンバーを記載するとともに、本人確認書類のコピーが必要です。

会計ソフトがインボイス制度に対応しているか

現時点で、税務処理などを会計ソフトで行っている場合、そのソフトがインボイス制度に対応しているかどうか確認してください。
ソフトによっては、適格請求書発行事業者の登録申請書をそのままデータで送付することもできます。
対応していないソフトであった場合、インボイス制度への対応も難しいケースが考えられるため、アップデートやソフトの移行などが必要になるかもしれません。

適格請求書発行事業者になったら


インボイス制度の導入にかかる登録方法を踏襲したあと、実際に適用を受けるために準備しておきたいことがあります。

販売者の準備項目

・フォーマットの見直し
適格請求書の発行においては、必要事項をすべて記載している必要があります。
そのため、会計ソフトやシステムの確認に加え、自社で請求書のフォーマットを作っている場合は、作成し直さなければなりません。

・発行する書類の種類
適格請求書と認められるものは、仕入税額控除にかかる書類であれば、請求書やレシート、納品書などの書類でも問題ありません。
これらの書類の中で、どれをインボイスとして発行するかについても決めておくようにします。

・業務手順の整理
これからインボイス制度を導入するにあたり、適格請求書の発行方法や保存方法などについて、従来とは異なってくるはずです。
さらに、受発注システムやレジを使用している事業者は、その操作方法についても新しい作業が発生します。
このような業務手順については、改めて整理するとともに従業員に周知・教育する機会を作るべきです。

購入者の準備項目

・適格請求書の内容をチェック
販売する側から受け取った適格請求書について、記載すべき内容がきちんとそろっているかを確認する作業は、購入する側に必要です。
そのため、改めて適格請求書の必要事項について把握しておくべきです。

・取引先が適格請求書発行事業者を確認する
適格請求書の発行を受けた時、先方が適格請求書発行事業者であるかどうかの確認も行います。
もし登録方法の誤りや不備があり登録が漏れている場合、仕入税額控除の対象から除外されるため、注意が必要です。

・受け取る適格請求書の種類を知る
前述のように、販売する事業者によってどの書類を適格請求書とするかが異なります。
そのため、どの取引先が何の書類を適格請求書として発行するのか、それぞれに確認してください。

まとめ

インボイス制度は、消費税の取扱や業務が大幅に変化する制度です。これにいち早く対応するために、今から準備を進めても早すぎることはありません。
まずは、仕入税額控除の仕組みと事業者への影響を、よく把握しておきましょう。
それを踏まえ、インボイス制度の登録方法に準拠し、書類提出期限までに手続きを終わらせるようにしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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