【第二回】博報堂出身新渋谷区長・長谷部健、ベンチャーの街渋谷からの挑戦

創業手帳
※このインタビュー内容は2015年07月に行われた取材時点のものです。

博報堂出身敏腕プロデューサー長谷部健氏インタビュー

(2015/05/01更新)

新渋谷区長・長谷部健氏に、区長になるまでのいきさつと渋谷区の創業支援のビジョンについてお話を伺いました。従来の政治家のイメージが180度覆される様な、自然体でフランクな印象を受ける長谷部氏ですが、渋谷区から日本を変えていきたいという思いは並大抵ではない。そんな熱い思いを持つ長谷部健氏のこれからのビジョンと創業者へのメッセージをお届けします。

【前回の記事】【第一回】博報堂出身新渋谷区長・長谷部健、ベンチャーの街渋谷からの挑戦

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長谷部健(はせべけん)
長谷部健(渋谷区議会議員/NPO法人グリーンバード代表理事)
1972年東京都渋谷区生まれ。大学卒業後、株式会社博報堂に入社。LAWSON、JT、TOWER RECORDなどを担当した後、2002年に博報堂を退社。2003年1月、ゴミ問題に関するNPO法人グリーンバードを設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨て対策プロモーション活動を開始。同年4月、渋谷区議会議員選挙でトップ当選を果たし、計3期区議をつとめ渋谷区長に。

見えない大多数の意見にこそ耳を澄ませる

ー渋谷区議会議員になってから様々な改革をされてきたと思うのですが、それは何故実現できたのでしょうか?

長谷部:何で様々な企画が上手くいったのかというと、サイレントマジョリティにフォーカスした企画を打ち出すことができたからだと思っています。

一般的に区議会議員なら支援者の意見に応えるのが精一杯だったり、役所は文句を言ってくる人への対応に時間を割かれてしまったりするんですね。

その結果、サイレントマジョリティへのマーケティングが不足してしまいますが、私は、その人たちの声にこそ耳を澄ませるようにしました。

これが色々うまくいった要因の一つだと思っていますし、前の区長もこの点を評価してくれていたと感じています。

全てに通じることですが、何事もネガティブに言わないで、こうしたら上手くいくのではないか、こう改善していこうと呼びかけるようにしました。

ゴミ拾いも同じで、「捨てるな!」ではなく「ポイ捨てってかっこ悪いよね」って言われると心が開いたりすると思います。

ー渋谷区にはITを始めとするベンチャーが集まってきていると思うのですが、渋谷区の創業事情と支援体制のビジョンについてお伺いできますでしょうか。

長谷部:区として様々な支援はしています。

元々渋谷区には、成り上がろうとしているお金と意欲がある人たちが集まる風潮がありましたが、今はそんなこともなくて、最近はシェアオフィスとかが増えて、新しいことを生み出すような空気ができてきたと思います。

ただそれは基本的に民の力で盛り上がってきたことなので、区としてもそれを後押ししていきたいですね。

積極的に支援しようと思ったらもっとお金をかけなければならないと思っています。

しかし、税金が使える範囲が限られているので、これからはシェアオフィスやコワーキングスペースの支援を積極的に進められたらなと思っています。

行政が規制などで邪魔することなく、民の意見を積極的に聞いて、積極的に支援していきたいと思っています。

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発信力がある渋谷から改革を起こし全国へ

ー創業手帳も渋谷区始め全国の様々なシェアオフィスに置いてあるので、何か協力できることがあればよろしくお願いします。

長谷部:こちらこそ宜しくお願いします。

私も、最初はゴミ拾いを表参道という発信力がある土地で始めたからこそ注目されて、今では全国70か所と海外にまで広げることができたのだと思います。

要するに、この街から始めると色んな所に広まっていくということを、身をもって実感しました。

今回のパートナーシップ条例も、渋谷区から始めたら色んなところに広まっていきそうだなと思います。

本気で渋谷が変われば、東京も変わると思うし、その結果日本が変わるかもしれない。

最初から本気で日本を変えようと思ったら難しいと思ってしまうけど、渋谷区からならできるかもしれないと感じています。

ー期待しています。社会起業家を含めた起業家に向けてアドバイスやメッセージがあればお願いいたします。

長谷部:僕もまだ起業途中なので偉そうなことは言えないですけど(笑)

願わくば、一緒に渋谷に来て一旗あげようよ、という想いはあります。

ー最後に、渋谷区のビジョンについてお聞かせください。

長谷部:抽象的だけど、パリ・ロンドン・ニューヨーク・渋谷って言われるような街にしたいです。

一言で語るのは難しいけど、教育と福祉が大きな柱に来ると思います。

そこの水準の日本一は当然で、新しい渋谷モデルと言ってもらえるような提案をしていきたいです。

ただ、今までやってきたことを否定するつもりは全くなくて、良いところを上手く継承しながら発展させていくということを実現させていければいいなと思います。

お年寄りにも優しく、子育てママにも優しい渋谷区にしていきたいです。

これからはもっと民間と組んで、渋谷区が持っているリソースを区民だけでなく色んな人とシェアしていこうと考えています。

その結果、区内外にとって良い循環を生んでいければいいなと思っています。
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(編集:創業手帳編集部)

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