【第三回】気鋭の女性起業家・ビザスク端羽社長「知識と経験の流通を変える」

創業手帳woman

「株式会社ビザスク」代表取締役社長 端羽英子氏インタビュー(3/3)

【第二回】注目の女性起業家が実現する「誰でもプロに簡単に相談できるサービス」ビザスク

「結婚」「出産」「育児」。日本の女性がキャリアを築いていく中で、大きな障害となるこれら3つの要素。そのすべてを20代で経験し、キャリアを形成してきた端羽さんは、自身の体験をもとに「スキルを有効活用できるサービス」を展開する。私たちの働き方は、これからどのように変わっていくのか。キャリアの変遷から創業時の苦労まで幅広く伺った内容を、全3回にわたってお送りする。

前回を見逃したかたはこちら>>
【第一回】端羽英子社長「ボストン子連れ留学からの起業」資金調達ここだけのハナシ
【第二回】注目の女性起業家が実現する「誰でもプロに簡単に相談できるサービス」ビザスク

2015-03-04 17.31.50川本修正

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端羽 英子(はしば・えいこ)
東京大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。投資部門にて企業ファイナンスを担当する。退職後は米国公認会計士の資格を取得し、日本ロレアルに入社。ボストン留学を経てMBA(経営学修士)を取得。投資ファンドのユニゾン・キャピタルにて企業投資を5年間経験し、株式会社ビザスク(旧:walkntalk)を設立。グロービス・マネジメント・スクール講師という顔も持つ。

前回の内容
「子供を連れてボストン留学から帰国し、起業した端羽社長。女性起業家としての意外な壁にぶつかりながらも、誰でも簡単にプロに相談できるサービスのビザスクを立ち上げた。ビザスクが実現する知識と経験の流通を変える社会とは」

プライバシーポリシーより大切なこと

ービザスクを利用した方の成功事例があればお聞きしたいのですが。

端羽:たとえば、水産物を加工したベビーフードを考えられた方が、フード業界の方からアドバイスを受けたという事例があります。アドバイスを提供した人がもともとお菓子業界に携わっていたということもあり、販売先や卸業者などに関する情報を提供し、実際にサービスの展開へと結びつきました。

また、これは私自身が行ったアドバイスなのですが、CtoCのサービスを考えられている方で、プライバシーポリシーに関するアドバイスを求められました。ただ、そこではプライバシーポリシーについて考えるよりも、そのサービス自体がどうなのかということについて考えるべきでは、という話になりました。たとえば「カミングスーナーズ」などのサービスを使って反応を見てみるなどですね。起業を検討する場合には、プライバシーポリシーを気にする前に、まず需要があるかどうかを確かめてみる必要があると思ったのです。

その他にもフェイスブックページをつくったり、あるいは広告を打つこともできますよね。それほどお金をかけなくても顧客の反応をみる方法はあるわけです。先ほどの話で言うと、Yahoo!知恵袋は質問に対する答えがほぼ一定ですが、我々のサービスの場合1時間みっちり話すので、もっと話がふくらみます。結局、サイトを作る前にそういった需要の部分を確認するということで落ち着きました。周りに起業経験者がいなかったので聞けて良かったと言っていただけました。

やっぱり誰しも、自分の失敗談を語って納得していただけると嬉しいですよね。同じ失敗をしてもらいたくないですし。私だって最初の一年ぐらいは本当に何も知らなかったので、失敗の連続でした。

ー一般的なコンサルティングよりも、気軽に相談できますね。

端羽:そうですね。「◯◯総研」とかですと、一般的な起業家の人はなかなか頼めないじゃないですか。高いですし。ですので、気軽に使えるというのは強みですね。安価なものだと3千円規模からありますし。士業の方から専門的なことを聞くのもいいですが、起業経験者から聞けるというのはなかなか無いのではないでしょうか。

一度起業してしまえば、自分のネットワークをたどって聞くことは可能です。ただ、起業するかどうか迷っている人たちに対しては、弊社のサービスによって有益な情報を提供できると思います。そういった方々は、どこに相談すればいいのか分からないということが多いので。「スポットコンサル」のようなものですね。本を読んで学んでもいいのですが、人から聞くということも大切だと思います。

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「人材業」と「情報サービス」の違い

ーかなり珍しいサービスですが、競合企業はいますか?

端羽:海外では結構あるようですね。国内ではぶつかるところはほとんどありません。しいて言えば、顧問サービスや人材系の会社が行っているサービスぐらいでしょうか。ただ、提供しているものが明確に異なります。我々は顧問サービスを提供しているのではなく、スポットでやる中でデータベースを構築したいと思っています。顧問サービスの場合は現職の方が多いのですが、弊社の場合は必ずしもそうとは限りません。ゴールに顧問契約や人材紹介があるのか、それともデータベースがあるのかによって、「人材業」と「情報サービス」という違いがあるのではないでしょうか。

ただ、社会の知見を使いたいという意味では近いですね。メリット・デメリットはありますが、その人に対して最初から最後までお願いしたいのか、それとも複数の方に軽い感じで相談したいのか、目的によって使い方は異なると思います。我々のサービスの場合は、ミニマムでも3人程度の人に聞かれる方が多いですね。比較して検討したいという方が大半です。

ーとくに、顧問契約だと重く感じてしまう人が活用しているのでしょうか?

端羽:1時間で5万円ほど費用がかかる場合もありますので一概にはそうだとは言えませんが、それでもやっぱり気楽ですよね。半導体のことを聞いて、次にヘルスケアについて訪ねたいという場合に、そのたびに顧問契約を結ぶのは大変でしょうから。もちろん、「この人と顧問契約を結びたい」という要望も聞かれますけどね。

ー近いサービスで、フリーランスの方にアドバイスをもらえるサービスもありますよね?

端羽:そうですね。あとはシニアの方でしょうか。我々は職に付いている方、つまり、副業規定に真っ向から挑んでいることになります。また、無料で運営されているサービスとも異なりますね。無料で運営しても、最終的にサービスに結びつければそれでいいという場合もあるでしょうけど。

我々はあくまでも有料でやる。知識には価値があって、お金を稼げるはずだと思っていますので。もちろん、なかにはお金を受け取れない人もいるので、寄付できるようにはしていますが、それでも、サービスの対価は分かるようにしています。

大きくならなきゃ意味が無い

ー将来的なビジョンについて教えてください。

端羽:サイバーエージェント・ベンチャーズさんを出てくるときに、一言「大きくなります」と書いてきました。私たちはビジョンで「知識と経験の流通の仕方を変える」と言っていますが、社会課題に取り組んでいる感があるので、大きくならなきゃ意味が無い。大きくならないと、社会を変えられるほどのインパクトは出ないと思っています。どんな企業でも課題をもっているし、どんな企業でも使えるし、仕事の経験があればどんな人でも活躍できる。そういったサービスへと育てていくつもりです。

これからは、働く人がどんどん減ります。ですので、一人あたりの生産性をあげていかないと、どう考えても日本は小さい国になってしまう。そうなると、ひとりひとりの働く力が増すか、あるいはひとりで解決できるものを増やさなければなりません。

ー最初からそのようなビジョンを持っていたのでしょうか?

端羽:最初はちょっと方向性が違っていて、女性向けのサービスを考えていました。アドバイザーさんとして、すごく優秀だけど子どもを産んで家庭に入ってしまっているような人向けに、短時間でも仕事ができるようなサービスを、と。でも、たまたま最初にお金をくれたのが経産省だったのです。「経験とスキルを成熟産業に流すプロジェクト」のようなものに認められて。

やっていくうちに、ヒアリングをしてみると、女性だけではないんですね。サラリーマンの人でも、会社の中で実力を100%発揮できず、それでも働いている。滞っているんですね。役職定年なども、本当にもったいないなと思っていて。まだまだ働き盛りなのに、引退しなければならないとか。そう考えると、女性向けのサービスだけではないな、と。それからは、どんどん男臭いサービスとなっていきましたね。

ーまったく新しいプラットフォームになる。

端羽:そうですね。こういう知識の使い方があったんだと思っていただけると嬉しいです。難しい領域に飛び込んでしまったとは思いますが、後戻りできないので頑張ります。

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(創業手帳編集部)

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