株主総会開催までのスケジュールはこう組もう!
余裕をもって行動するために必要な準備をまとめました
(2017/06/06更新)
初めての決算が終わったら、次は初めての定時株主総会です!定時株主総会は定款に「毎事業年度末日の翌日から3ヶ月以内に招集する」と記載している企業が多いのではないでしょうか。
ただでさえ忙しい本業の合間を縫って、定時株主総会開催に向けてどう予定を立てていけば良いのでしょうか。そこで、今回は、決算が終わった次の日から、株主総会開催当日まで流れをまとめました。
この記事の目次
株主総会はなぜ6月末に集中するの?
株主総会が6月に集中しやすい理由は、日本の会社は決算期を3月末日に定めている企業が多いからです。会社法によって、定時株主総会は毎事業年度ごとに開催しなければならないと定められています。一般的には決算日以降3ヵ月以内に招集される定時株主総会ですが、これは以下の条件があるためです。
- 会社法第124条2項により、ある日を基準日とする株主名簿の効力は3ヶ月と定められているため、事業年度期末日から3ヶ月を超える期日には招集できない。
- 有価証券報告書提出会社は、事業年度終了後3ヶ月以内に、有価証券報告書を提出しなければならないが、記載事項に、決算等の承認事項がある。
そのため、自ずと6月の下旬に定時株主総会が集中するケースが多くなります。テレビのニュースなどで、「本日は株主総会の集中日でした」と報道されたりするのには、そんな理由があるのです。
開催に向けたスケジュール
※非公開会社かつ取締役会設置会社で監査役設置会社の場合
1.事業年度末日
通常は定款で「毎事業年度末日の最終株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利行使すべき株主とする」と定めており、この日時点での株主が定時株主総会で権利行使できる株主となることが多いです。
2.計算書類等の作成
計算書類、事業報告、付属明細書を作成します。
3.監査役に計算書類・事業報告を提出
監査役に計算書類、事業報告、付属明細書を提出します。
取締役会までに監査報告が受領できるように提出時期を監査役に確認しておきましょう。
4.監査役による監査報告の作成
監査役が監査報告を作成しますので、その監査報告を受領します。
5.監査を受けた計算書類等の取締役会の承認
監査役の監査済みの計算書類等を取締役会で承認します。その他定時株主総会の招集や、必要があれば期末配当や定款変更など、株主総会で議決する内容を決定するための議案を追加します。
6.計算書類等の本店への備え置き
取締役会で承認された計算書類等を本店に備え置きします。定時株主総会の日の14日前から5年間備え置きする必要があります。(会社法第442条)
7.定時株主総会招集通知発送
非公開会社で電子・書面投票がない場合で定款において招集期間の短縮がされていなければ、通常は株主総会日の1週間前までに招集通知や議決権の代理行使を認めていれば委任状を発送します。
また、この時に計算書類・事業報告・監査報告を同封することが通常です。
8.定時株主総会
定款に定めのある開催期限にしたがって定時株主総会を開催します。
前述の通り税務申告の都合上2〜3ヶ月以内が通例。
9.役員変更・登記事項の変更等があった場合
取締役の選任・解任・再任などがあった場合は取締役会を開催し、代表取締役を選定しなおす必要があります。
その他登記事項に変更があった場合は株主総会後2週間以内に登記申請する必要があります。
10.決算広告
定款に定めた広告方法などで決算広告をする。(官報/日刊新聞/電子広告など)
小規模の会社では官報としていることが多いです。
11.確定申告
ここまで準備を整えたら、確定申告を行います。
スケジュール決定の際の注意点
定時株主総会のスケジュールは定時株主総会から逆算して各手続きのスケジュールを決定していきましょう。
まとめ
株主総会は、会社の方針や定款、取締役の決定など、様々な事項に携わる機関です。当然、書類作成や、諸々の審査には様々な人の目を通すこととなるので、時間がかかるもの。
余裕を持ったスケジュールと、早めの取り掛かりで、スムーズに定時株主総会に臨めるようにしましょう!
(執筆:創業手帳編集部)
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