「ベンチャー×大企業=新たなイノベーション」 グローバル・ブレイン・アライアンス・フォーラム参加レポート
グローバル・ブレイン・アライアンス・フォーラムの様子をお伝えします
(2018/12/07更新)
2018年12月7日に、都内で「グローバル・ブレイン・アライアンス・フォーラム(以下GBAF)」が開催されました。VC(ベンチャーキャピタル)事業を展開するグローバル・ブレイン(以下、GB)が毎年開催している、グローバルベンチャーと大企業のミートアップイベントで、800人以上が参加しました。熱い会場の様子をレポートします。
業種・規模を超えた提携が生むオープンイノベーション
グローバル・ブレインの百合本安彦代表による2019年の取り組みと今後の戦略についての講演に始まり、各企業の代表によるパネルディスカッションやスタートアップ企業のピッチコンテストが行われました。
「ブロックチェーンの社会実装」をテーマにしたディスカッションでは、ブロックチェーン(以下、BC)に関連する事業を展開するOmise Holdingsの長谷川潤氏やBUIDLの宇野雅晴氏らが登壇し、業界の現状と、BCを実際に社会に浸透させるためにどんな取り組みが進んでいるかについて意見を交わしました。BC事業は現在、実験段階から実用化の段階に入りつつあり、日本でも多くの業種で導入検討が始まっています。一方で、導入にあたり何から始めればよいのかわからないという企業も多く、社会に浸透させるためには技術の提供側と、実際に活用する企業との間にある様々なギャップを埋める必要があります。登壇者は、ブロックチェーンとビジネスの現場を結ぶために、自社が行っている取り組みや実例について共有しました。
「CVCの理想と現実。コーポレートベンチャリング/オープンイノベーションのあるべき姿とは?」と題したディスカッションでは、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル=大企業がベンチャーキャピタル事業を行うこと)を積極的に展開する企業4社の登壇者ら(KDDIの中馬和彦氏、ANAホールディングスの津田佳明氏、三井不動産の菅原昌氏、Forbes JAPANの高野真氏)がCVCに関わりながらオープンイノベーションを進める各社の取り組みを紹介しつつ、ディスカッションしました。
最近が日本でも大企業のCVC事業参入が進んでいますが、CVCの動向は景気の変動によって左右されます。景気動向に関わらずCVC事業の成果を上げるためには、CVCの結果だけでなく、プロセスを開示し、情報を共有しながらCVCのコミュニティを作っていくことが必要です。登壇者らは、時代はこれから「オープンイノベーション前提の社会」になっていくとして、大企業がベンチャー企業を支援するというスタンスよりも、共にビジネスパートナーとしてシナジー効果を上げる道を探る関係を結ぶ必要がある、という意見で一致しました。
他にも、CAMPFIREの家入一真代表、VALUの小川晃平代表、BASEの鶴岡裕太代表、LayerXの福島良典代表らが登壇し、「新しい経済の形」と題してクラウドファンディングやテクノロジーやサービスを使って個人のブランディングや経済活動がどのように変化していくかについて語るセッションや、Fintech部門でGBと提携したソニーフィナンシャルグループの代表取締役、石井茂氏によるパネルディスカッションなどが行われました。
ディスカッションに続く「Open Inovation Cases」というプログラムでは、人口衛星事業を展開するアクセルスペースと三井不動産、IoTネットワーク事業を展開するUnabiとソラコムなど、ベンチャー企業と大企業によるオープンイノベーションの実例と、どんな経緯・理由で出資に至ったかを双方の企業の代表が登壇して紹介しました。
後半は、スタートアップによるピッチコンテストが行われました。オフィスにお総菜を届けるBtoE(企業から従業員に向けて提供するサービス)事業を展開するオフィスおかんや、VR向けの触覚再現デバイスを開発するイクシー、仮想通貨を安全に管理するアプリを開発するGincoなど、ユニークな事業を展開する起業家による熱いピッチが繰り広げられました。
様々な規模・領域の企業が業種を超えて提携することで、新たなイノベーションが生まれる空気を肌で感じることができたイベントでした。
(編集:創業手帳編集部)