銀行取引停止のリスクも! 知らなきゃヤバい「暴力団排除条項」を解説
トラブルを避けるために、予め対策をしておきましょう。
(2016/08/12更新)
多くの金融機関では、反社会的勢力との取引を無くすという観点から、「暴力団排除条項」を導入しているところが多くなっています。
さらに、平成23年、東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行されたことにより、全国47都道府県で同条例が実施されることになりました。
全国で条例が施行されてから5年たとうとしていますが、現在でもこの暴力団排除条例を甘く見ていたり、そもそも知らないという企業が多くあります。
これらの対応を十分にしていなかったことにより、銀行取引停止をされるという例もあります。
今回は、「暴力団排除条例」と「暴力団排除条項」の最低限の知識を解説します。
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この記事の目次
そもそも「暴力団排除条例とは」
まず、「暴力団排除条例」が何かということについてご説明します。
簡単にいうと、「暴力団との関わりを持たないことを奨励する」ための条例ということになります。
警視庁の暴力団排除条例を見てみましょう。
条例の目的は以下です。
この条例は、都及び都民等の責務を明らかにするとともに、暴力団排除に関する具体的施策を定めることにより、都民の安全で平穏な生活を確保し、事業活動の健全な発展に寄与するために策定されました。
条例の基本理念は以下です。
条例の基本理念 「暴力団を恐れない」 「暴力団に金を出さない」 「暴力団を利用しない」 + 「暴力団と交際しない」
全国同じわけではない
条例なので、全国で同じかというとそうではありません。
概要は国で定められたものをもとにして作られているので、大きく変わることはありません。
最近では、山梨県の条例が改正され、平成28年8月1日よりさらなる取締・排除強化の改正暴力団排除条例がとられるようになるようです。
ここではさらなる暴力団とのかかわりを遮断するための措置の方法などが多く盛り込まれています。
「暴力団排除条例」は何故あるのか
最初に述べたように、この条例は、暴力団とのつながりを遮断することが目的です。
この条例により、暴力団の資金源を断つなど、暴力団による被害を受けない環境作りを目指しています。
企業経営をしていく際にも、マネーロンダリングに供与することはもちろんのこと、暴力団とのかかわりを持たない・利益を与えない経営をすることが求められています。
暴力団との関わりがあるとどうなる?
企業経営において、暴力団との関わりがあると、どのような問題があるのでしょうか。
実際、銀行との関係において、暴力団関係者との取引が公表されたケースがあります。
これにより、銀行との取引の停止がされ、倒産したという事例もあるのです。
トラブルを起こさないために
では、トラブルが起きないために、どんな手が打てるのでしょうか。
銀行や不動産業界では、契約書の中に当然のものとして書かれている「暴力団排除条項」。
このような条項を、取引をするごとに、契約書に記載すれば良いでしょう。
取引先との契約書に「暴力団排除条項」がない場合
新規取引先や、継続的取引をする相手先との基本契約書の中に、「暴力団排除条項」がない場合には、どうすればよいでしょうか。
まず、暴力団関係者ではないことの証明書を提出してもらうなどの方法をとります。
企業として暴力団関係者との契約関係をいつでも切れるようにしておくことが最善の防衛策になるかと思います。
(監修:行政書士 石川裕也(いしかわ ゆうや) )
(編集:創業手帳編集部)